劇場公開日 2025年3月28日

「今なら、私を愛せるか?」BETTER MAN ベター・マン 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0今なら、私を愛せるか?

2025年4月1日
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 私は、父と和解しませんでした。ケンカしたことはない。ただ、理解しようとしたこともない。祖父と不仲だった父を見ているうちに、家族関係って、そういうものなんだなぁと思いました。何か満たされぬ劣等感を抱いたまま、思春期を過ごしました。

 今なら、私を愛せますか?。

 いや、違うな。愛し方が不器用なだけだったんですね。お互いにね。それでも、過去の私の振る舞いに、後悔の念はない。ただ、映画好きだった父のDNAは、明らかに引き継いでいるので、こうした映画観ると、家族って、何だろうと、思っちゃうわけです。そう思うだけで、供養になるのかしらと、都合のいい解釈する、今日この頃です。そんな私に自問自答。

 今なら、私を愛せるか?

 コンプレックスとクスリを原動力にして、駆け登るスターダム。劣等感と引き換えに手に入れた栄光は、更なる劣等感を、ステージに呼び込む。
 家族への、満たされぬ思いを描いたお話は、枚挙に暇なしです。(私のオススメは「ボヘミアン・ラプソディー」と、「最後のマイ・ウェイ」です。観てね。)
 それは、誰もが持つ共通の思いなのかも。
 少なくとも、私には、ね。
 劣等感と満たされぬ思い。クスリや名声で、逃げたところで、増大しながら追い着いて来るだけ。むしろ、弱い自分を受け入れて、今よりマシなヒトになるエネルギーに替えたほうが、better。

 そう、
 明日、better manになるのは、
 私かも知れないし、
 皆様かも知れないのだから。

 繰り返します。

 今なら、私を愛せるか?。

追記)
 そう云えば、お猿さんでしたね。
 僕は、猿のように踊っている…。チラシに書いてありました。たださ、仮に役者さんが、ロビーさんの役を演じたら、どうだろう。それは、ロビーさんの映画であり、役者さんの映画です。でも、この映画は、お猿さん。結果、この映画は、私の映画であり、皆様の映画だと思います。観光地にある、顔入れて写真撮るボードと、同じです。誰かの人生を俯瞰するより、貴方のこれからを模索する映画だとすれば、マスターピースは特定人物ではなく、とある誰かを連想させるキャラが望ましい。伝記映画であるより、グレイティストなショーを演じるのは、皆様だと伝えるのが、この映画の役割ではないでしょうか。

機動戦士・チャングム
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