「【"沸かせろ!そして復活のマイ・ウェイ。”自信のない少年が父の影響でポップスターになり、酒・ドラッグに溺れるも祖母、両親の支えにより自分の生きる道を切り拓く物語。ラストのコンサートシーンは沁みます。】」BETTER MAN ベター・マン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"沸かせろ!そして復活のマイ・ウェイ。”自信のない少年が父の影響でポップスターになり、酒・ドラッグに溺れるも祖母、両親の支えにより自分の生きる道を切り拓く物語。ラストのコンサートシーンは沁みます。】
<Caution!内容に触れています。鑑賞後にお読みください。>
ー 今作では、頻繁に”沸かせろ!”と言う台詞が出る。見ていれば分かるがロビー・ウィリアムスが尊敬していた、フランク・シナトラが好きな可なり破天荒な父の口癖だ。
そして、ご存じの取り今作では、ロビー・ウィリアムスは、幼少時から猿の姿で描かれる。これは、ロビー・ウィリアムス自身が自分の事を”サーカスの猿の様に、ステージに上げられていた。”と語っていた事に、マイケル・グレイシー監督が着目した事による。
この演出には賛否があるようだが、私は面白い演出だと思ったな。
猿のロビー・ウィリアムスが、成長し、恋をし、ポップスターになりながら、酒とドラッグに溺れ、テイク・ファイブとのメンバーとの間に軋轢も生じて行く。
世界的ポップスター(と言っても、日本では余り人気は無かった気がする。私がロック小僧だったからかな。)になりながら、成功者の光と影を描いた中盤の展開は少し粗い気がするが、独創的な世界観は出ていたと思うな。ー
■今作が魅力を発するのは、後半だと思う。
彼に影響を与え乍ら、家族を捨てた父が、ドラッグに溺れた彼の大邸宅を訪れ、大きな池にゴムボートを浮かべて寝ている息子を心配して池の中に入って来るシーンや、彼を幼少時から可愛がっていた祖母が亡くなった事を知らせる母からの電話にも出なかった事を悔いるシーン。
そして、彼は家族の支えにより、復活していくのだ。
仲違いしていたテイク・ファイブのメンバー、ネイトとの和解や、大観衆で埋まるネブワースでの復活のソロコンサートシーン。
そして、満員のロイヤル・アルバート・ホールに両親を招いて、母に対する感謝を述べながら、父をステージに上げて二人で高らかにマイ・ウェイを歌い上げるシーンは、実に沁みたな。