「Forbidden Road」BETTER MAN ベター・マン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Forbidden Road
ポスターと予告をサラッと観るだけで鑑賞しに行くスタイルが裏目に出てしまいました。
ロビー・ウィリアムズは名前は知ってるけど曲は聞いたことない…半自伝作品だけどロビーは猿に置き換えての作品ということでカオスが乱れまくっていました。
試写会で先行しての鑑賞で特典はポストカードでした。
猿であることに最初こそ疑問を抱いていましたが、段々慣れてきましたし、特段説明なくても半自伝的なこういうのもありだよなと飲み込むことはできました。
外見で判断してはいけない的なメッセージも込められているとは思いますが、猿なのに何も触れられないと観ている側もゾワゾワする前があり、その考えも製作陣からしたら思うツボなのかなとは思ってしまいました。
スターダムに駆け上がっていく流れがすっ飛ばし感があり、実際はもっと綿密に駆け上がって行ってるはずなのに、テイク・ザットの売れ方がピンと来ずのまま会場がガンガンでかくなっていくので、その辺のギャップも上手いこと咀嚼できなかったなぁとは思いました。
序盤は完全にフィクションだよなーと思いながら観ていましたが、途中でオアシスが登場してから「こういう作品って実名のバンドを登場させてもいいんだ」と思ってからの、にしても事が上手いこと運びすぎてるな、もしや?といった流れで伝記映画だという事に気づけてスッキリしました。
ミュージカルシーンは本当に素晴らしく、街中でテイク・ザットが駆け回るシーンはワクワクしっぱなしでしたし、船上での煌びやかさは最高でした。
ミュージカル色強めの作品だったら印象も変わっていたのかなとは思いましたが、実在する人物の物語を華やかにするのも難しいのかなと考えさせられました。
幻覚描写は実際に薬をやったらこんな感じになるという疑似体験としては良いと思うんですが、ライブシーンで盛り上がっているところにそれをぶち込みまくってくるのでライブシーンが全然盛り上がれない悪循環が発生していてモヤモヤしました。
昂っているところに過去の自分が問いかけてきて暴言を浴びせ、フェスのシーンでは何故か乱闘が発生したりと現実と虚構が入り乱れまくるので中々にこんがらがせてきます。
大スターってどうしてこんなにも薬に溺れてしまうのか、忙しさだったり自分の理想にたどり着けないというのも分かるんですが、何故薬へ行ってしまうのかといったところがどうしても気になってしまう伝記映画が何年も何年も…そこは型に悪い意味でハマっていたような気がしています。
史実がどうだったかは分からないのでなんとも言えないところですが、母に感謝するのは勿論当たり前なんですが、父にまで感謝してしまうのか?とはなってしまいました。
ロビーの人格を歪ませてしまったのは勿論、息子だ息子だと宣伝しまくる都合のいい性格なのになぁ…とどうしてもそこは納得いきませんでした。
ハッピーエンドにむむむってなるのは久しぶりでした。
期待する方向をミスっててイマイチ乗り切れないところはありましたが、それでも映像表現は圧巻でしたし、マンネリ化してきた伝記映画に喝を入れる形になっていたのは良かったと思います。
ただこれ日本でのヒットはキツイだろうな…宣伝部の努力が実るか乞うご期待。
鑑賞日 3/4
鑑賞時間 18:30〜20:46
座席 M-5