「みんな笑え」みんな笑え himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
みんな笑え
映画『みんな笑え』人間の弱さが、とことん描かれている、そこがいい、。本来人間は弱いものだから、そこを虚勢はって生きる人間のいかに多いことか。「皆さん肩の力抜きなさいよ」そんなセリフが、聞こえてきそうなとても素敵な作品、明日が開けてくる気分にさせてくれる
売れない芸人の日常
それは、当然ながら普通の人と同じで。
生活のために、足らない収入は、他の仕事で補うしかない。
落語家って、気楽に見えるよね。
といいますか、そう見せないといけない職業で。
だって、落語家が、、生活感丸出しだと笑えないでしょ。
たとえ、落ち込んでいても、疲れていても。
気軽に、おきらくに生きている。
そんな、感じを出さないといけないし。
そうかと言って、売れっ子になっても。
庶民感覚を見せ続けないといけないし。
落語家の日常が、リアルに
それも売れないという文字が、付くのだけど。
楽屋の雰囲気。
縦社会の窮屈さ。
あの狭い楽屋でも、ものすごく気を使う世界だし。
そして、もう一つ独身で、父親の介護も。
介護の大変さが、嫌というほど伝わってくる。
あくまでも、笑いの中に収めて入るが。
実際は、経験したものにしかわからないだろう。
そんな絶望感が、伝わってくる。
この監督は偉いよなと。
それら全てから逃げず、ちゃんとカメラに収め、向き合ってくる。
人間を描いている映画の素晴らしさ。
私の評価は、これに尽きる。
まさに人間を真正面から捉えている。
売れない漫才師の登場もいい。
漫才師の相方が、ホストにハマってゆくのも。
そう、人間って本当に弱いものだんだよねと。
お金を貢ぎながらも、その男を信じようとする。
切ない女心が、痛ましい。
人間らしい姿だと。
売れない落語家、売れない漫才師。
だけど、ひたむきに生きてゆく。
そんな、清々しい映画だ。