「不器用の愛おしさ、人情の暖かさ」みんな笑え HKさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用の愛おしさ、人情の暖かさ
主人公の落語家 太紋、お笑い芸人 希子 との関係を軸にしつつ、
彼らを見守る周囲の人間の暖かさや、
背景、置かれた状況の空気感がしっかり伝わってくる映像やセリフがすばらしい。
主人公の落語家 太紋は世間的には不甲斐ないかもしれないけれど
不器用ながら彼なりに一生懸命に生きている姿が
野辺さんのイメージにぴったりハマっていて、
時に気持ちがグチャグチャになって暴走してしまう姿には可笑しくも、
不思議と共感、感情移入しながら観ました。
父親の渡部哲さん初め、
希子の辻さん、母親の片岡さん、弟弟子の今野さんなど
太紋の周りの人物もみなキャラクターが典型的ではなく、
活き活きしていてほんとうに魅力的。
そして落語の噺と太紋の生き様、
お笑いの舞台と寄席がシンクロしていくクライマックスでは思わず涙。
じんわり暖かい気持ちで劇場を後にしました。
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