「審判と愚者」神は銃弾 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
審判と愚者
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宗教色が強い予感はしつつも、タイトルに惹かれて鑑賞。
正直、構成が上手くない。
ケースの誘拐シーンは冒頭に入れても分かりづらいだけで、導入のテンポを悪くしている。
途中で回想という形じゃダメなんですかね。
ジョン・リーとモーリーン、そしてアーサーの関係についても描写があまりに唐突。
そのくせ捜査パートは画面が暗く、ただ暴力が続くだけで平坦。
終盤の殺された老婆と(恐らく)幼少のサイラスのカットは、分かりづらい上に血縁だから何だという。
敵は「カルト教団」とのことだが、教義も理念も感じないし、ただのギャングでは。
取ってつけたように“儀式”の跡とか出してくるけど、そもそも誘拐の目的やターゲットの根拠は何?
腹の傷なんか無かったかのように動き回り、火炎放射もバットでの殴打もものともしないボブ。
ケースの丈夫さも大概で、顔の傷もすぐ消える。
立ち位置のよく分からないフェリーマンが何故か毒蛇の血清まで持ってたり、ツッコミが追いつかない。
最後のサイラスの吹っ飛び方もギャグだし、親子ほどのボブとケースに無駄に恋愛フラグを立たせる。
それに取られて、せっかく救出されたギャビは長いエピローグに登場すらせず。
ボブやケースは何の罪にも問われないの?
雰囲気は悪くないし、リアリティは別としてもショットガンで身体が吹っ飛ぶ描写も迫力がある。
序盤はモロに“事務方”だったボブの、タフなアウトローへの変化も素晴らしい。
いくつか良さげな花は付いているが、それを隠すほどに雑多な葉が生い茂っているような作品だった。
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