劇場公開日 2024年12月27日

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「乾いた…」神は銃弾 ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5乾いた…

2024年12月28日
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鑑賞方法:映画館

乾いた暴力の予感を常に孕んだままタイトに展開する2時間半。ヴィルヌーヴの「ボーダーライン」をも思わせる雰囲気で実に好み。ニック・カサヴェテスの方が先輩とは思うが…ww
冒頭、この勢いで2時間半って大丈夫かな、と思ったが杞憂。息つく暇もなく追い込み、追い込まれる…
ともにすべてをカルトに奪われたケースとボブ。神の恩恵に照らされていると思っていた世界は実は神の恩恵が届かない暗部を多々抱えた世界だったということ、神はキリスト教徒が思うような善良な神ばかりではないこと、に気づく…そして一切の救いもなく、ただ娘だけを奪還するための、それも間違いなく傷付けられているだろう娘を奪還するだけの闘い。
主人公のボブが「デスク・カウボーイ」だということで観客もともに暴力描写にだんだんと慣らされていく訳だが、その痛みにはやはり慣れることはない。それをちゃんと意識した演出だったと思う。そこが良い…
ただ鑑賞にあたっては、かなり厳しい(性暴力を含む)暴力描写があるので要注意。RもPGも付いてないのが不思議なほど…
ジェイミー・ラニスター(としか思えないのよもはや…)もマイカ・モンローも文句なく良かった。

ぱんちょ