「エブリタイム・背水の陣」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 エブリタイム・背水の陣

2025年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

ドキドキ

「レコニング」編、後半パートということもあり、通常と構成が異なる。

いわゆる冒頭30分ほどの「掴みパート」が削られ、代りに前回のおさらいパートがあてがわれていた。
ハリウッドのアクションモノは「掴み」がミニハイライト、一気にドキドキとわくわくの世界へ引き込む構成だが、持たない本作、そこが一番苦戦した所のように感じている。
しかし3時間の鬼長丁場を全く感じさせない仕上がりにはもう、唸るほかない。
体感、2時間だった。
あと1時間、どこいった。

もうエブリタイム・背水の陣、トムのはちゃめちゃスタントには驚かない。
つもりだったが、ついにイーサン死すなのかと思わされてしまったあたり、やはりお見事である。個人的には沈没潜水艦内のシークエンスが好きだ。キューブリックやら「インセプション」のトム流というところか。最後のセスナシークエンス共に、上下が分からなくなるものの見ていて酔わない画面構成に惚れる。

「それ」は某国大統領が言う「フェイク」のメタファだと思えば、ラストは痛快さより謙虚な気持ちに見舞われる荘厳な終わり方だったように思う。
ルーサーの語りもモデルはルイアームストロングの「What a wonderful world」なのではなかろうか。重ね合わせつつ観ていた。

少々ややこしい話だ、と前評判で聞いていたが、登場人物が多いせいだと思える。
CIA、米軍、ロシア軍、IMF、ガブリエル、それ、アメリカ政府、皆それぞれの目的をもち行動しているため利害関係が複雑だ。
まあそこがスパイ映画の醍醐味でもあるのだけど。
そしてたとえ心地よく思わずとも、生存のためには時に譲り、協力し合うこと。その謙虚な気持ちを忘れることなかれがこの作品のメッセージだと思うのだから、この複雑さこそがそれを体現しているように思うのである。

しかし続編はあるのだろうか。
もうこうなったら一周回って、まるきりアクションのないMIも見てみたいものである。

N.river
N.riverさんのコメント
2025年6月5日

ひなさま、
はじめまして。コメントありがとうございます。
公開されていますが独り言をとめおくメモ帖として使っており、交流は考えていないためうっかり失礼があるかもしれず、フォローもフォロワーも求めていない状態です。
またいずれかの作品で呟いているのを見かけたときに、よければお相手していただけると幸いです。

N.river
ひなさんのコメント
2025年6月4日

N.riverさま、初めまして。

このエンタメ作品を、ここまで掘り下げて掬い取る筆致や語彙力に、感動してしまいました。

フォローさせていただきたいのですが、F/F人数がゼロなので、お願いは難しいでしょうか?

ひな