「人類救済物語」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人類救済物語

2025年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

ドキドキ

シリーズ最終話で主人公イーサン・ハントに用意された舞台は人類救済のために神より遣わされたイエス・キリストに似た立ち位置であった。とは言え、その救済物語は歴史上のイエスのそれとは異なりイーサン・ハントの目的はひたすら自らに身近な仲間たちの救済であった。その仲間たちの救済こそが世界人類を大きな厄災からひいては守ることを意味し、イエスの物語とは異なりひとりの裏切りもその物語からは生まれない。勿論一人の犠牲も生まなかったわけではない。その仕組みはまるでエイブラハムのイサク同様最愛のパートナーを犠牲にせざる得ない試練も用意されている。その死が無駄でないことはイーサンが二回もの復活(蘇生)を経験するシナリオからもうかがい知れる。さらに世界の隅々まで解き放たれたAIと言う現代の厄災を封印するための冒険譚はイーサンに少なくとも3回の試練を課す。この試練が映画史上かつて見たことの無い様な有り得ない過酷さで、これほどまでに見てて自分の事のようにハラハラ手に汗握る映像があったろうか?その世界はディズニーの🎦アラジンかジブリの🎦紅の豚か・・はたまた🎦博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかに匹敵する緊張感の連続。さらにはいくつかの空間で起こっていることを時間でつないで画像をつなげる手法で観客は時空を超越してるかのような錯覚に陥る演出がまた見事である。仲間はイーサンを含めて7人。亡くなったルーサーを含めると8名だが、このルーサーが唯一の犠牲者となることでイーサンの聖性は完成される。完全数字7に支配された人類の救世主は国家元首と言う天使たちをも引き連れて厄災を封じ込めることに成功する。この事でもうこれ以上ない完全体として平穏を取り戻した世界に紛れ、イーサンはその存在を消すのである。この先またイーサンが必要とされる世界が来るのかどうかは誰も知る由がない。

mark108hello
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。