「世界も映画界も救ってくれるのはいいが、ちょっとだけでもMI:2ファンを救ってください。」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5世界も映画界も救ってくれるのはいいが、ちょっとだけでもMI:2ファンを救ってください。

2025年6月1日
PCから投稿

2023年アカデミー賞ノミネート者が集う昼食会で、スティーブン・スピルバーグは、「トップガン マーヴェリック」が、コロナ禍で低迷していた映画業界に活気を取り戻したことを受けて、トム・クルーズを「君はハリウッドを救った。劇場配給も救った。『トップガン マーヴェリック』は映画業界全体を救った」と称賛した。

それとほぼ同時に、「デッドレコニング」はまさしく「唯一無二の映画スター」の自覚を一層高め、興行的に大成功した「フォールアウト」の流れを受けての、「ファン」が喜ぶ、そして自身の映画人としての情熱を余すところなく注ぎ込んだ意欲作だった。

そして、本作ではこれまで以上に、ハント、世界を救うのは君だ!とご指名を受けての大活躍。映画史上最高額の製作費をぶち込んで、「みんな」と「僕」のために頑張るよ!と、クルーズ。

「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」





クルーズファンとして、およそ35年。もちろん嫌いな作品もある。例えば「ラスト・サムライ」(’03)とか、特に前作「デッドレコニング」は個人的にクルーズ映画の中でかなり残念な部類になる。「フォールアウト」も正直好きではない。

やっぱり「MI:2」(’00)が一番好きなのよ。その理由はここではしないけれど(レビューはしてるけど、語り足りず)、次が「ローグ・ネイション」('15)。)

で、本作の鑑賞後感は前作「デッドレコニング」と残念だが、変わりはない。

さらに厄介なのは、過去作をちょいちょい、ハントの自省も併せて、ファンサービスとして無理くり後付けしてくれている点。それが必要かどうかは、もっと熱心なファンのため、ということでオレには関係なくいいんだけど、なんだかね、「スカイウォーカーの夜明け」とダブっちゃって。

熱心なMIシリーズファン(あるいはクルーズファン)のなかで「MI:2」が不人気なのは正直よくわからないが、クルーズもなんだかその空気を汲んでるのか、回想シーンは、絶壁とホプキンスと目玉ナイフ。確かに「2」を振り返るにそれを想起する人は多いだろうから、抜かりはないだろうけど。

でも、あからさまに軽視されているのはちょっとなあ。いや、ヒロインのタンディ・ニュートンのその後の発言とか知っているから、そういうことなんだろうな、とも思いつつも、前作のイルザの扱いと本作のあの男の扱いと、裏事情を穿ってしまう作りはいかがなものか。

映画スターが危険なアクションに挑む、ニコラス・ケイジが完遂できなかったことをやり遂げたクルーズの未だに体を張る姿勢に感服はする。

ただもうMIシリーズはいいかな。「2」と「5」で大満足です。

それより同じスパイものなら、オレがものすごい好きな「ナイト&デイ」(’10)のような軽い感じで、ニヤニヤして、ヒロインとイチャイチャしながら、ヒロインを救うついでに世界も救う、ぐらいのテイストが懐かしい。が御年を考えると、ヒロインもどうか、ということにもなるけど、まだまだイケるでしょう。来日時のクルーズはピッカピカだったしね。

今回は、(オレのような少数派ではない)世界と回収できないくらいの製作費(というより、ハナからその覚悟があって)をぶち込んで、映画界を救うことに全力を捧げた、ということで。

しんざん
まっつんさんのコメント
2025年6月2日

2が軽視されてるの激しく同意です!
ジョン・ウー良いですよね。
フェイスオフ然り。

まっつん
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