「トム・クルーズのプロデュース力」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
トム・クルーズのプロデュース力
感想
俳優組合のストライキなどの製作期間の遅れも含めてほぼ2年越しの期間を経て前作「デットレコニング PART ONE」の続編「ミッション・インポッシブル ファイナルレコニング」がとうとう公開され劇場で鑑賞する事が出来た。
今回も実際のアクションとCG映像を上手く使い分けたハラハラドキドキのシーンの連続で脚本的には過去の全シリーズ作品からの至るところのからの場面や登場していた影に生きた人物や影に死んだ者たちのエピソードを抽出、ストーリーを再構成して伏線付けを行ない、またその伏線の回収を物語に反映しており、さらにIMF≒イーサン・ハントが歩んできたこれまでの厳しく決して陽の目を見る事はない人類史に於ける未曾有の事態と人類存亡が掛かった危機を幾度なく回避した末に今回の「それ」entityが完成されてしまったという経緯とその顛末が同時並行して語られていく。最後の伏線の回収まで気の抜けない堂々たる重厚な話の展開となっていた。
映画版第一作「ミッション・インポッシブル」の制作から29年が経過しトム・クルーズが本作シリーズの製作をしていくに当たって常に痛感し実践してきた事はTV版「スパイ大作戦」の既存の概念を打ち破る事であったように思う。第一作においてTVシリーズの6年後を想定し、TV版におけるジム・フェルプスと言えばお馴染みの顔であったピーター・グレイブス、同じくローラン・ハンド役がハマっていたマーティン・ランドーらのオファーの予想の期待を見事に裏切り、しかもフェルプスを中心としたIMFチームは全員死亡、フェルプス・チームの崩壊となんとフェルプスが首謀者であった事を描くところから映画シリーズは始まるのである。絶対的前提条件の破壊は組織による心理戦中心のドラマ構成から諜報戦を中心とする行動的でアクティブなIMFを創出する事に成功する事にもなった。
脚本・演出面の起用に関してもブライアン・デ・パルマ、ジョン・ウー、J ・ J・エイブラムス等の観せ方を熟知した職人技が冴えている監督達に映画の方向性や物語の骨格を形創ってもらう事にも成功しており、近年の話の肉付けや映像の描写は脚本家としても一流の実力を持つクリストファー・マッカリーに任せるという方針が的を得て功を奏しており人間性も描写に加味されシリーズを更に面白くしている。
個人的には本シリーズは本作にて一応の大団円であると感じた。しかしトム・クルーズは毎回一味違った形で期待を裏切って来る俳優である。そこに心の中では部分的に期待する気持ちも残る。
アクション・娯楽性が高く確かに話が面白かった。
⭐️4.5
IMAX鑑賞
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