「賢くも愚かな男の理解しがたい変質的な行動」異端者の家 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
賢くも愚かな男の理解しがたい変質的な行動
予告であらすじはだいたいわかっていましたが、この家の主人がどういう意図でシスターを監禁したのか、そこにどんなオチが待っているのかが気になって、公開2日目に鑑賞してきました。客入りはまあまあといった感じでした。
ストーリーは、布教のために家々を回ったいた若いシスターのパクストンとバーンズは、森の中の一軒家を訪ね、そこの主人リードの招きに応じて家の中に入り、お茶を飲みながら談笑していたが、徐々に不穏な雰囲気に包まれ、施錠された玄関から帰ることもできず、携帯も繋がらなくなった二人が恐怖に怯える中、この家の秘密とリードの罠が明らかになっていくというもの。
初めは冗談混じりの宗教談議から、徐々に自説を展開するリードによって、二人の美しいシスターがじわじわと追い詰められ、絡め取られていくような展開に引き込まれます。穏やかな笑顔に隠された狡猾さがしだいに露わになる、サイコ感満載のリードが、強かで気持ち悪いです。
そんなリードに対峙する二人の若きシスターが、美しい顔立ちもさることながら、対照的な人物像で描かれている点もいいです。身の危険を感じつつもことを荒立てないように必死で打開策を探り、リードの本性が見えてからは知的に抗い、恐怖に心が折れそうになりながらも耐え続ける姿に、心から応援したくなります。
全体の構成としては、脱出ゲームの様相を呈してはいますが、最も強く感じたのは宗教に対する考え方の相違です。リードが持論を歪んだ形で立証しようとしたことが、本作のタイトルにつながっています。結局、賢くも愚かな男の理解しがたい変質的な行動を描いた作品であると言えそうです。
ただ、これがリードの初犯ではなく、今回もシスターの足取りを簡単にたどれるし、家の精巧な模型まであるので、露見しないことはありえません。賢いリードがそんな危ない橋を渡るのかと、人物像にも矛盾を感じます。と、野暮なツッコミをすると楽しめないので、考えないほうがいいです。
それにしても、宗教の知識も関心ももちあわせていない自分には、リードの言葉がすんなりと入ってきてしまいました。特に、モノポリーの例えはメッチャわかりやすくて、感心してしまいます。人の考えに簡単に取り込まれないように、日頃から自分で情報を集め、自分の頭でしっかり考えるようにしないといけないですね。
主演はヒュー・グラントで、本作の雰囲気を一人で醸し出すような怪演が光ります。シスター役は、ソフィー・サッチャーとクロエ・イーストで、逃げ場のない恐怖の中で協力してもがく姿が印象的です。
おはようございます。
私もリードの言葉がすんなりと入ってきたんですよね。コワーw
人ってこうやって洗脳されるのでしょうか。。
自分で考える事って本当に大切ですよね。
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