「絵本のような世界で暮らすツノメドリを中心とした動物たちの姿を描いたファンタジックなお話です。人間社会でも起こるようなトラブルをも溶け込ませたヒューマンドラマでもあるようです。」パフィンの小さな島 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
絵本のような世界で暮らすツノメドリを中心とした動物たちの姿を描いたファンタジックなお話です。人間社会でも起こるようなトラブルをも溶け込ませたヒューマンドラマでもあるようです。
「ウルフウォーカー」のスタジオが制作した作品だと知り
ました。前作は独特の世界観を描いた作品との印象でした。
この作品はどんな内容か観てみなければ。
ということで鑑賞してきました。 ・_・はい
で 鑑賞終了です。
舞台はどこかにある " とんがり島? " という島。
この島には、沢山のツノメドリが暮らしています。
元からこの島で暮らしているウーナ(ニシツノメドリ)は
両親と弟の4人(4羽?)家族。
他の島から渡ってきたのはイザベル(エトピリカ)。
住んでいた島が大嵐で被害を受け、住めなくなり
弟分のフェニックス(キンケイ)と一緒にこの島に
やってきました。故郷が恋しい様子。 だよねー ・△・;
繁殖の季節。、一組のツガイに卵が産まれます。
無事に卵が孵るようにと世話をしていたのですが、実は…
この島にも嵐が迫っていたのでした。 …大変
自分の体験で嵐が近いことを察し、周りに伝えたいイザベル。
ですが、なかなか切り出すタイミングがつかめず …うーん
ついには自分で卵を守らなければと、卵を巣から他の場所へと
移動させようとするのでした。
けれども。
卵の移動は、やってはいけない行為だったのです。(やっぱり)
そうとは知らずに卵を移動させてしまい なおかつそれを
したのがカワウソだと、周りが誤解してしまいます。あらら
誤解を解くには自分が移動させた事を話さなければならず…
そうすれば、自分が周りから爪弾きにされてしまう…。 あぅ
けれどもこのままではカワウソが犯人にされたまま…。 あぅ
一人苦しむイザベル。
次第に近づく嵐。
無事にヒナはかえるのか。さあどうする。
といったお話でした。(ドキドキ)
◇
前作(ウルフウォーカー)のような民話性や信仰の香りは
この作品からは感じませんでした。 …少し残念。
また、登場する人物というか動物たち。いわゆる
ゆるキャラとしてデザインされているために、ほのぼのとした
世界観の作品との印象も持ちました。
大人向けの作品内容を期待して鑑賞すると、セイレーンの歌声に
誘惑されてしまいそうです。(私も前半少し、うとうと…zzz)
ですが
語られるお話の内容には、大人に向けたメッセージを含んだモノで
あったようにも感じます。・△・ホントウデス
小さな行き違いと誤解の積み重ねとが、心の溝を広げていく。
そんな怖さが下地にあって、「世の中の諍いと争いの縮図」を詰め
込んだような作品とも言えそう。そんな気もしました。
そんな訳で
私にとっては、一件の価値ありの作品だったかと思っています。
観て良かった。
※基本的には小学校の低学年くらいまでがターゲットのような
気もします。大人の方は、その辺りを理解した上でこの作品
をご鑑賞くださいますよう。
◇あれこれ
■パフィン(ニシツノメドリ)
ウミスズメ科の鳥で、体長30センチくらい。 雀にしては大きい?
主な棲息地は、北半球の中でも寒い地域。
ヨーロッパ北部、フェロー諸島、アイスランド、北アメリカ北東部。
何となく南の島かとイメージしたのですが、違いました。@_@;
繁殖期(3月以降)は海沿いの断崖に集団で営倉し、卵を1個産みます。
非繁殖期は外洋で暮らすとのこと。主な餌は魚。ニシンやシシャモなど。
短い翼を上手に使っての潜水が得意。
冒頭のシーン(海の中の追いかけっこ)は創作上のイメージ表現かと
思っていたのですが、パフィンは50メートルは潜れるとか。 すごい
■パフィンその2
ツノメドリという名前を初めて知ったのが「ウッド・ノート」。
小山田いくさんの漫画で、1984年から少年チャンピオンに連載。
高校のバードウオッチング部を舞台にしたこの作品に登場する
女子部員の名字が「角目」で、愛称がパッフィンでした。
ゴタゴタがあって退部を決意し、最後に自分のあだ名の由来となった
パフィンを一目見たいと、日本国内で観られるかもしれない場所
まで遠征する話がありました。(行き先=北海道東部・霧多布)
1984年当時、北海道でも観れたのかもしれませんが、今は どう
なのでしょう。もっとも、断崖に営巣するらしいです。
居たとしても、簡単に観られるトリさんではなさそう。∂▽∂アー
■光るコウモリ?
体の光るコウモリが一筋の道筋を示し、動物たちの逃げるルートの
案内をしている場面がありました。(気のせい?)
コウモリって、昼なお暗い洞窟などで暮らし、夕方になると虫などを
食べるために活動を開始するイメージ。夜行性ということは、光は苦手
なのではないかと思っていたのですが… うーん
とても気になったので調べてみたのですが、光を発するコウモリが存在
するのか分かりませんでした。
発光するコウモリは、いるのでしょうか? はて?△?
◇最後に
ヤドカリの爺さんは「ヒゲ爺(ダーウィンが来た)」みたいだし
カワウソの " ほるるん " と言いながら穴を掘る仕種とか
最後に産まれたおチビちゃんは、文字通り " ふわっふわ " ♪
登場するキャラクターが可愛くて、観ていて和む作品でした。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。