SKINAMARINK スキナマリンクのレビュー・感想・評価
全46件中、1~20件目を表示
人に勧めるな!
世の中には挑戦的な切り口の作品がいくつもある。よく「変わり種」だとか言われるが、本作のレベルは桁違いだ。
主観撮影という一人称視点の作品は数多くあるが、本作は家の様子を映した固定カメラの映像のみで構成されている。時代設定が1995年だからなのか、ざらついたノイズ混じりの薄っ暗い家のあちこちをただ映し、主人公(と言って良いのだろうか)の幼児2人が異変の起こる家と、近づいてくる異形の者と数少ない会話をするだけの映画だ。時折声は聞こえるものの何故か居ない両親と、突然消える窓やトイレ。この説明は勿論なく、2人の兄弟はテレビを見ながら両親を探したり、廊下を歩いたり、カメラに映らない所でガサガサゴソゴソしたり、何者かに呼ばれたりとただ動き回る。
ジャンプスケアが数回あり、完全に油断しているとビビるし、流れるTVのアニメが不穏だったりとそれっぽいホラー演出があるものの、結局のところ90%観ていても分からないまま終わるのだ。
これらは何かと言うと、自分の幼少期もそうだったが誰も居ない家で、わずかに開いたドアや暗い部屋に多少なりとも恐怖した覚えは無いだろうか。私は母が入浴中の1人で居る寝室が怖く、廊下で出てくるのを待っていたが、そんな「子どもの頃の漠然とした暗闇、独りぼっちに対する恐怖」を映像化したものである。色々な変わり種作品を見た上で本作も鑑賞した為まだ"観れた"方だと思うが、絶対に人には勧めてはいけない作品である事に間違いない。
だが、冒頭で恐らく父親が誰かと電話している音声が流れるのだが、兄弟の1人が頭を打って怪我をし、病院に行ったが問題ないので帰ってきた的な内容の話である。この電話の内容が直接的に関わってくる事はないが、物語の終盤、「572日目」と突然テロップが流れる。一瞬600日近くもこんな意味不明な世界に居たの??と困惑したが、ここで冒頭の電話の内容を当てはめてみるとこう推測される。
結局頭を打って怪我をし、問題なくて家に帰ったのでは無く、昏睡状態等意識が回復しない状況になり、病室で横たわるのを両親と兄弟が見守っていたのではないかという事だ。だから時折父と思われる声が聞こえ、すすり泣く女性(母親)の声が聞こえたのではないか。それも時折だったのは両親が共働きでずっと病室のそばにはいれず、唯一一緒に居たのは兄弟だったのではという事だ。もしかすると兄弟も同じ状態だったのかとも取れるし、「ママの話はしたくない」という台詞もあったため先に事故で母が無くなったのを理解している状態なのではとも取れる。いずれにせよ全て推測だが、572日目に天国へ旅立つまでの意識がない中でもがき苦しみ、近くで見守る両親らの気配を感じながら亡くなった、意識不明の人物の頭の中の映像なのではないか。そうすれば理不尽な展開にも説明がつくだろう。そうとしか考えられないし、恐らくパンフレットも無いだろうからそうだと言うことにしてとっとと次の作品を観ようと思ってしまったが、多分こういう事だろう。なんせ真っ暗、家の隅等微妙なカメラの位置、兄弟の顔すら映らない、ノイズ混じり見にくい映像、これで100分は長すぎる。せいぜいもって75分程度だろう。そんな拷問チックな作品に出会える事は少ない為、貴重な映画体験とキレイに締めくくっておこう。
監督のマスターベーション映画
タイトルはいいんだけど
恐怖を感じる事とは
この映画はとても難しい。
パンフレットを見るとこんなメッセージがある。
「考えるよりも、感じてください。」
怖いと言う感情は人それぞれだ。
例えば少しだけ開いたドアの隙間や、すりガラス越しに見える風景。
それはきっと生きてきた国や環境や風習によっても大きく異なると思われる。
(現にカナダでは「電気を消した時に椅子の上に乗っている洗濯物が怖い」そうだ)
大人になるにつれ、私達は怖いと思う物の対象が変わる。
布団から足を出しても引っ張られたりしないし、うっかり閉め忘れたカーテンの隙間から覗き込むお化けもいない。
だからこそ、この映画は難しい。
私達大人は答えや意味を求めてしまうのだ。
明確なストーリーはないし、何かが悪さをして何かが起こっている事しかわからない。
それでも517日もの間、悪夢に閉じ込められている子供がいるのだと言う事。
最後に子供が何度も相手の名前を聞く描写から、相手は悪魔であるのではないかと思う。
そうなのだとしたら、囚われたその魂は、永遠に悪夢を彷徨い続けるのだろうか。
ちなみに撮影場所が監督のご実家と言う事で、心の広いご両親なのだと思った笑
米軍の開発した拷問だろこれ
2025年劇場鑑賞94本目。
エンドロール後映像無し。というかエンドロールが無し。
退屈な映画は眠くなりますが、めちゃくちゃ退屈な映画は脳がしびれてくるんです。これまでにそういった経験をしたのは全編モノローグのテレンス・マリック監督の「聖杯たちの騎士」だけだったのですが、この作品もそうです。
延々夜の家の中を固定カメラで映し、たまになんか消えたり動いたりして、無音かカートゥンの歌が延々流れる状況で数秒でカットが切り替わるしかないので当然眠気が襲って来るのですが、ちょうどその頃にキャー!やらジャーン!やらキーン!やらジャンプスケアを入れてくるので叩き起こされる感じなので、米軍の捕虜に意味のない映像を見せながら、まぶたを強制的に開かせて寝かさない拷問と同じ事をされていました。さらに邪悪な存在っぽいのが時々「私は何でもできる」「眠りに付きなさい」「楽しいものを見せてあげよう」とか言ってくるのですが「じゃこの映画面白くしろよ!」「でかい音出して寝かさないのお前だろ!」「この映画以外ならなんでも楽しいわ!」といちいち腹立って仕方有りませんでした。これ面白い人どういう感覚してるの・・・?
うるせぇ
夢だけど、夢じゃなかった!
実験的でチャレンジングな作品ではあるものの・・・
ちょっとこれはシンドい。
100分の作品でありながらも、ここまでの長尺だとツラい。
というのも、ザラついた映像と音声、尚且つ暗い(夜なのかな)ことから
今ひとつ何が起きているのかを認識できないまま、ラストまで持っていく。
なので意識が飛びそうになること複数回(寝ている観客もいた)。
世界観とやろうとしていることは理解できるし、チャレンジしていることもわかるが
もっとわかりやすい映像と音声でもよかったんじゃないかと思った。
そうすることで、恐怖感も伝わりやすいのではないかと。
恐ろしい何かがいるということはわかるし、恐ろしいことが起こっていることもわかるが
具体的ではないということが、観る人を選ぶ作品。
私自身は2回ほど驚いた場面はあったが、基本的に観客の想像力に委ねられているところもあり、
何の情報も入れずに観たら、さっぱりわからなかったと思う。
というわけで、パンフレットを購入したので、読むことで理解が深まれば良いなと思う。
とは言え、こういう作品は今後もちゃんと押さえておきたい。
30分の短編映画なら良かったかも
かなり実験的映画。
監督の自慰
怖すぎて泣いちゃった…
金払って鑑賞したんで文句言う権利は有る筈ですよね(T_T)
ホラー映画不毛の2025/2月とりあえずホラーって認識しか無しで鑑賞(激しく後悔)
・終始粗い映像+ノイズ混じりの映画の中のTVアニメの音(しかも大音量)の垂れ流し(怒)
・映像も室内の天井やら壁やら床やら人物をしかっり映さないのでイライラする・・
・肝心のストーリーも幼い兄弟?が夜中に薄暗い家の中をウロついて不気味な存在と会話する程度(育児放棄なん?)
・途中ウンザリして寝ようとするもノイズ音がクッソデカいので眠れずまさに拷問状態。
【結論】金と時間返せ!
驚かされるけど怖くはないホラーで、考察しようにも限定的な可能性しか残されていない
2025.2.27 字幕 アップリンク京都
2023年のカナダ映画(100分、G)
Youtubeで話題になった動画を基に作られたホラー映画
監督&脚本はカイル・エドワード・ボール
原題の『Skimanarink』は意味のない造語「Skidamarink」のカナダで流行ったバージョン
物語の舞台は、1995年のカナダのどこか
4歳のケヴィン(ルーカス・ポール)と6歳のケイリー(ダリ・ロズ・テトロー)は、真夜中に目覚めてしまった
ケヴィンは事故で頭を怪我していたが、異常は指摘されずに自宅へと帰されていた
ケイリーは父(ロス・ポール)を探すも見当たらず、母(ジェイミー・ヒル)の啜り泣く声は聞こえるもののどこにも姿はなかった
ケヴィンは下の階のリビングでテレビを見て過ごし、ケイリーは家中を探し回った
だが、あるはずのものが消えたり、消えたと思ったら現れたりと不可思議な現象が起こるようになっていく
そして、ケイリーはケヴィンを連れて、地下室へと向かうことになった
映画は、斬新なアイデアというふれ込みで、超低予算の攻めた内容だった
普段慣れているはずの自宅が怖くなるというパターンで、何か変な感じがするけどわからないという感じになっている
怖いかと言われれば、驚くけど怖いと言うものではなく、いきなり出てくるとか、大きな音が鳴るみたいな、お化け屋敷系の怖がらせ方だったと言える
母親が突然出てきて意味のわからないことを言ったり、流れるテレビ番組が不穏だったりしますが、没入させるためにはカット割が多すぎるのではないだろうか
物語性は皆無なので、とにかく不思議な映像を体験すると言うもので、人に勧める系の映画ではない
かと言って酷評というのも違う感じで、正確に表現するなら映画としての評価はできないという感じだろうか
あくまでも、映像体験という部分があるので、真夜中にスマホで観る方が怖さが増すのかなと感じた
内容が内容なので、寝てしまう人も続出する感じで、記憶が飛んでも場面が変わらず進展していないので、置き去りにされているのかどうかもわからない
寝てしまう人の寝息の方が大きいので、その度に現実に戻ってしまうように思えた
いずれにせよ、変な映画を観たいという人向けだが、展開が死ぬほど遅い(というかない)ので、ひたすら観にくい画面を凝視するだけになっていた
時折怖がらせはするものの、全編通じて5回も驚かないので、ホラー映画としてはどうなのかなと思った
ラスト付近で唐突に「572日目」と表示され、この一連の映像がどういうものかがわかるのだが、解釈が分かれるように思う
個人的には、ケヴィンは重篤な事故に遭い、意識不明の状態がずっと続いていて、その最終日にあの世に行くまでの間に見たものを映像化しているのだと感じた
パパやママの声が少ないのは、おそらくは仕事に行っているか何かで不在が多く、姉のケイリーが頻回にそばについていたからなのかなと思った
もしくは、全員死亡のエンドで、ケヴィンだけが最後まで生き延びていたのかもしれないが、そのあたりは色んな解釈ができるのかな、と感じた
近年稀に見る駄作
天井と床と変なアニメしか映さない粗くて汚い画像が延々と続く、まるで拷問並のつまらなさ。
てかこのカメラは誰目線?
1995年はもっと画質マシだよ、バカにすんな。
画像粗くしないとつまらないのバレちゃうから誤魔化してま〜すって感じ。粗くてワクワクするのは冒頭5分までだろ!
まさかこんなまま終わらないよね?と思ったら、ホントに100分そのまま終わった。
超安上がりな素人文化祭映画。
監督が気持ちイイだけだね。
とにかく金も時間も無駄。観客舐め過ぎ。
ホラーが三度の飯より好きだが、これはつまらな過ぎてビビった。
娯楽にもリフレッシュにもならない駄作なので観ない方がいいよ〜ん!!
暗闇は怖い。でもさぁ
小さい頃から暗闇が怖く、
そのくせその暗闇に何かいるのでは?と
怖いながらも目を凝らして見たくなる私としては
とてもゾワゾワきて怖かった…その闇に何かいる?よね起きるよねと。
でもさぁ、さっすがに飽きるわ!!!!
おんなじような画角で
ずーーーーーっと似たような画の繰り返し。
何か少しずつ怖いことが起きてるのはわかる。
わかるけどさぁー……長いわー
期待してたのになあ。残念。
ちなみに
こーいう映画のおかげで海外のアニメすごい怖くなった人(私)
ホラーとしてはそこまで趣味に合った映画ではなかったけど、確かに個性...
まさに“観る悪夢”
悪夢を再現した映像でYouTubeを中心に活躍している映像作家カイル・エドワード・ボールによる長編監督デビュー作。製作費僅か1万5000ドルながら、北米で最終興収200万ドル超えのスマッシュヒットを叩き出し、『ブレアウィッチ・プロジェクト』(1999)、『パラノーマル・アクティビティ』(2007)に続く超低予算ホラーの金字塔を打ち立てた。
これはまさに、“観る悪夢”だ。“幼い頃に見た悪夢”のような映画だ。ストーリーらしいストーリーも、説明らしい説明も殆ど無いので、僅かな情報を頼りに、あとの判断は各々観客一人一人に委ねられている。100人中99人がついて行けなさそうな作風で、賛否両論(どちらかと言えば否が優先)も納得だ。
早い話が、雰囲気全振りなのである。
天井を見つめた映像や地面から登場人物の足の動きを捉えた映像は非常に実験的。ホラー映画でありながら、アート系にも片足突っ込んでいるような作風。
廊下の奥、部屋の奥に広がる闇を見つめ続ける映像は、それ自体が悪夢の再現であり、それ以上でもそれ以下でもないように思える。しかし、そんな闇の中にこそ、我々は“恐怖”を生み出すのだ。「何か居るかもしれない」「何か動いたかもしれない」と。そして、暗闇で次第に目が慣れて視界に映るものの正体が分かるように、ジワジワとこちらに“見えない恐怖”を蓄積させた上でのジャンプスケア。見事。
正直、私は無闇なジャンプスケアを多用するホラー作品は嫌いである。恐怖ではなく、刹那的な驚愕でしかないので。しかし、本作は観客の想像力を刺激して、しっかりと恐怖を増幅させた上で、トドメとばかりにジャンプスケアを用いる。分かり切っているのに、驚かずにはいられない。私は特に、母親の顔が消滅してのっぺらぼうのようになっている件と、電話型のキャラクターの玩具のベルが鳴るシーンに驚いた。しかし、どちらも素晴らしい恐怖演出だったと満足している。
肝心のストーリーについては、分かる範囲で情報を整理すると、
・ケヴィン一家は、家ごと異空間に囚われてしまっている。
・家の2階に巣食う“何者か”は、超常的な力を持ち、窓や扉を消してみせたり、家具や玩具を壁や天井に貼り付けたり出来る。
・一家は終わらない悪夢を繰り返し続けている。
という事だろう。
天井に積み上げられた、夥しい量のブロックやドールハウスをバックに提示される“572日目”のテロップ。ケヴィンやケイリー達は、これまで幾度となく果てしない悪夢の夜を彷徨い続けているのだ。考えてみれば、作中度々「あれ?これは別の日の真夜中なのかな?」と違和感を感じさせるシーンもあった。特に、2人が流しっぱなしにしているカートゥーンアニメの作品が何度か変わっている事。物語中盤で映像がループしている事がその証左だろう。
そして、恐らくこの悪夢は終わらない。暗闇に木霊する不気味な声の主は「遊びたい」と告げている。“何者か”にとって、この繰り返される悪夢は悪意ある遊びなのだ。
散らかっていた部屋を一瞬にして片付けてみせ、ケヴィンに「どうしてそんな事が出来るの?」と問われた暗闇の“それ”は「私は何でも出来る」と豪語する。それは、幽霊というより悪魔のように感じられる。となると、あの異空間は地獄なのかもしれない。
ラスト、暗闇に不気味に浮かぶ顔のような何か。ケヴィンに「名前を教えて」と言われるも、何も答えないまま、画面には“THE END”の文字。投げやりとも取れるラストだが、観客は良くも悪くもこう思うはずだ。
「良かった。ようやく終わった」と。
2023年の作品ながら、ビデオカメラで撮影したかのようなノイズだらけの荒々しい画面、絶えずブツブツとなり続ける音は、明確に好みが分かれるだろう。個人的には、舞台が1995年である事、ホラー作品である事を考慮すると、こうした選択は大賛成だ。そして、映像が荒く不鮮明だからこそ、観客は闇という未知の中に恐怖を見出すのだから。
本作は、悪夢を見させられているという感覚を存分に味わう意味で、映画館のスクリーンでの鑑賞がマストだろう。何せ、自主的に席を立たない限り、ケヴィンらと同じく終わらない悪夢に取り込まれる事になるのだから。
予告でピンときた方にはおすすめ
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