劇場公開日 2025年1月17日

モルグ 屍体消失のレビュー・感想・評価

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3.5デンマーク製サスペンス

2025年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

病院の中でも屍体を扱う階という不気味さ非日常さがうまく表現されており、照明にたかる虫も視覚・聴覚的に観ている側に不穏さを与え雰囲気はとても良い。
しかし予告編ラストの「屍体が起き上がる」シーンが良かったので、ホラーとしてかなり期待していたのですが、ジャンルとしてはサスペンスなのが残念。

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しんかまぼこ

2.5モルグ 屍体消失(映画の記憶2025/1/20)

2025年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

1994年の作品のデジタルリマスター版。
昔にしては良くできたサスペンススリラー。70、80年代の作り臭はするので、直近の作りの良い作品とは比べない方が良い。
シナリオ全般は悪くない。最後の終わり方は良いかと。
最初ドイツ語・英語・東欧言語が混ざってる感じで何語?って思ってたけどデンマーク語なのね。
映像表現として光の加減を良く駆使してるなと。
CG系は当時高かっただろうから使わないでどう撮影するか?を考えて工夫している感が良いなと思った。制作人数少ないことを考えると低予算作品かな?
(個人的評価5.5点/10点中)

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motorad_kira

3.5デンマークのサイコ・スリラー版『死者の奢り』にして、「青年期の終わり」を描く青春映画。

2025年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ある意味、ミステリー/サスペンス系の映画史上、最も意外なエンディングをもつ映画のひとつだと断言してもいいと思う(笑)。ほかで観たことないし、あんなの。

懐かしいタイトルがリヴァイヴァルでかかっていたので、つい観に行ってしまった。
僕は20年前くらいにふつうにVHSで観たと思うが、その後日本では長らくパッケージ化されなかったせいで「幻の逸品」になっちゃってたんですってね。
こんな良い映画を若い人たちが観られないとは、なんともったいない。

ただ、前宣伝とかでやってた「“最も恐ろしいヨーロッパ映画”と言われた伝説の北欧カルトホラー」って口上は、ほとんど「ウソ」みたいなものなんで、いざ観たら期待外れだったって人もいるかもしれない。
そのへん決して、真に受けないように。
実際、公開当時は「ホラー」じゃなくて、あくまで内容どおり「サスペンス・スリラー」としてちゃんと扱われていたはず。
多少血も出ますが、怖がらせるのが目的の映画ではなく、あくまでミステリー的な仕掛けを愉しむ知的なサスペンス映画なんで、そこんとこよろしく!

それと、20年ぶりに観てびっくりしたのだが、俺だいぶ内容忘れてました。
話の大筋とか犯人の設定なんかはよく覚えていたのだが、友人の濃ゆいキャラクターとか、ひどい娼婦いじりゲームとか、完全に忘れていて、観ていてすげえ新鮮だった。
今のポリコレ汚染された映画界だと、このキャラを味方サイドに置いて映画撮るのは、結構勇気がいるのではないか。でも、この映画の魅力的な味わいは、主人公ふたりの無軌道ぶり、ナチュラルに「ひどい」不謹慎さがあってこそ、生まれるものだと思う。

― ― ― ―

法学部生のマーティンくんが、病院の夜警のバイトを始める。
このバイト、基本部屋で座っているだけの簡単なものだが、定刻になったら死体安置所(モルグ)の見回りをしなければならない。
マーティンくんは、馬車馬の目の覆いのように手で左右を遮りつつ、ビクビクしまくりながらバイトにはげむ。
そこにサイコ殺人鬼による犠牲者が担ぎ込まれてから、死体は歩くは、犯されるはと怪事件が続発。哀れ主人公は、死姦の容疑をかけられたあげく、殺人鬼の魔手にさらされることに……。

医学部の「ご遺体」を前に実存主義哲学的な思索にふける主人公といえば、日本人なら誰しも大江健三郎の『死者の奢り』を想起するところだろうが、本作の主人公はもっと単純なおつむの持ち主で、とにかく霊安所が怖くて、怖くて仕方がない。
怖いのをごまかすために、爆音でロックをかけてみたり、ちゃらけた行動をとってみたりしているが、内心ビビりまくってるのが巧みに描写されていて面白い。
ここには「ホラー映画やお化け屋敷がなぜ怖いか」の核心が描かれているような気がする。要するに、まだ出てきていない何かしら怖いものを、勝手に頭の中で出るかも出るかもと「想像」するから、怖いのだ。

本作の素晴らしさは、まずのところ、お定まりのサイコスリラーに「モルグ」という特異な施設に焦点を当てて取り込んだ「アイディアの勝利」といっていい。
これに、意外なミステリー味が加味されているところもミソで、レッド・へリング(観客を誤誘導するために仕掛けられた疑わしい容疑者)の配置がじつに絶妙。
「名前」をめぐる伏線も、あとあと犯人役に映画史上に残る「顔芸」を披露させるほどに有無を言わせない「証拠」(関係者全員が知っているのに、犯人だけが知らない)として機能しており、なんだか『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』でも観ているかのようだ。
中盤までで印象に軽く「ひっかかるもの」(大音響のロック、机の中のぶっそうなナイフ、青年ふたりの賭けの内容、娼婦の証言の一部、霊安所での●●etc.)が、終盤でことごとく伏線として回収されていくのも、いかにも本格ミステリーっぽくて良い。

もう一点重要なのは、本作が単なるサスペンス・スリラーというより、リリカルな成長譚――すなわち「青春映画」として撮られている点だ。
主人公マーティンと悪友イェンスの二人は、別段「素行が不良」だとか「権力に反抗している」というわけではないにしても、ナチュラルに言行が無茶だし、不謹慎だし、無軌道である。
とにかく「面白いこと」に振り切って「遊ぶ」ことに耽溺していて、その結果、人が傷つくことをいとわないし、己の扱いについても、おおむね「自暴自棄」といってもいい。
そこには、権威に対する対抗心(アンデルセンの銅像に酒瓶を投げつけるシーンが象徴的)や、自傷行為めいた破壊願望(特にイェンスの「友との絶対服従ゲームのためなら教会で吐くことも辞さない」くらいの極端な性格が、ラスト付近の行動につながってゆく)も横たわっている。二人の関係性がきわめてホモソーシャルなのも、いかにも欧州っぽい。
こういう青年たちは、かつてトリュフォー、ゴダール、ヴィスコンティ、パゾリーニといった巨匠たち、あるいはガス・ヴァン・サントやアキ・カウリスマキらが描いてきた「悩み、怒り、彷徨する」青年たちを正しく後継する存在であり、凡百のホラーや低予算サスペンス映画とは、そもそも志が異なる。

そんな青年二人が、子供じみた「悪戯」や無軌道な「やんちゃ」の「ツケ」を相応に払ったうえで、「大人への階段」を上るまでを描く、というのが本作のもう一つのテーマである。
あの妙に心の洗われるラストシーンの●●●は、そういう意味合いだといってよい。
昔、『地球幼年期の終わり』というSFがあったけど、本作はまさに「青年期の終わり」「バカを卒業して大人になるまで」をサスペンス仕立てで描いた作品なわけだ。

以下、雑感。

●マーティンと彼女の顔を逆位で横からとらえたキス・シーン。あれは監督が思いついて、どうしてもやってみたかったアングルだったんだろうな(笑)。逆光で白飛びした映像や、「口がにおうわ」のセリフも含めて、忘れがたい美しいシーンだった(といいつつ完全に忘却してたけどw)。

●邦題のサブタイトルになっている「屍体消失」現象って、血の痕跡とかの処理なんかを考えると、かなり無理筋の現象だよね。医者が来るまでに体感より時間がものすごくかかっていたと考えるしかないんだけど、そもそもなんであんなことをやったのかもよくわからない。

●予告編の最後の最後に使われている「いちばんこわそうなシーン」の正体が、実はあれってのはどうなんでしょうか(笑)。

●イェンスというキャラクターは、コミックリリーフのくせに極端な人間臭いエゴとサディズムを示していて興味深い。抱えてる家庭の事情だとか、内なる虚無のようなものも複雑で、ある意味「主人公よりも主人公らしい」屈折した性格の持ち主だ。
レストランのシーンにしても、教会のシーンにしても、彼の「やりすぎる」感じが巧みに描かれていて感心した。
ちょっとお笑い担当のクセにろくでなしのところとか、主役を完全に食っているところとか、曲者キャラぶりが『続・夕陽のガンマン』のトゥッコにも似てるような。

●酒場での挑発にせよ、教会での聖体拝領にせよ、レストランでの娼婦いじめにせよ、モルグでなにするシーンにせよ、鬱屈した青年期特有の閉そく感と反抗心が、間違った方向に向かっていることは本人たちにもわかっているのに、それを自分でもどうすることもできず、「くだらない遊び」の形で暴発させざるを得ない感じがよく出ている(生理的に受け付けられない人々もいるかもしれないが)。ちょっとATG映画のようなノリとでもいうか。
少なくとも、モルグをめぐる本筋のサスペンスと「同じくらいの比重で」彼らの一連の「賭け遊び」が描かれている点は重要だ。

●アンデルセンが自慰行為を一生懸命、手帖に回数メモってたというエピソードは、この映画で初めて知った。さんざん映画のなかで嘲笑されていたが、実は身に覚えがあるので笑うに笑えませんでした(笑)。

●マーティンの彼女が娼婦の家に行くシーンは、「入っちゃ危ないよ、殺されちゃう!」という「志村、後ろ後ろ」的なシーンかと思わせて、実は犯人のほうが追い詰められるミスを犯す重要なポイントに。このへんの切り替えというか、切り返しは本当によく出来ている。

●ラストシーンは、サイコ・スリラーのエンディングとしては異色かもしれないが、青春映画のラストとしてはしっくりくる。というか、ノリも含めてイタリアの艶笑譚のラストっぽいよね(マルチェロ・マストロヤンニとかソフィア・ローレンとかが出てそうなやつ)。そのへんは多分狙って作っていると思う。

●ちなみに、主人公役のニコライ・コスター=ワルドーは、いまは『ゲーム・オブ・スローン』で有名らしいが僕は未見。イェンス役の キム・ボドゥニアは、ニコライ・ウィンディング・レフンの『プッシャー』の主演でも有名。あれもやけに屈折した主人公だったなあ(笑)。

思いがけないくらいちゃんとした脚本と演出は、カルト映画の枠を超える評価を受けて、さっそく目にとめたハリウッド製作者の心を鷲づかみに。
本作公開から時を経ずして、オーレ・ボールネダル監督はアメリカに渡って、みずからリメイク作『ナイトウォッチ』をユアン・マグレガー主演で撮ることになる。
出来としては珍しいくらい、人を替えただけの「ほぼ元映画そのまんま」のリメイクで、旧作の仕上がりに対する監督の絶対的自信をうかがわせる。大筋はまったく一緒だが、ハリウッドらしい金のかかった恐怖映像と、粘性の高いこけおどしをちゃっかりものにしてみせた。
旧作における青春映画的な味わいをぐっと抑えて、サイコ本格ミステリーに専念した結果、ラストが変更になっていたのは残念といえば残念か。なお、犯人役(超有名人)の「顔芸」は本作以上に力が入っていて、思わず爆笑したのを覚えている。

あと、さっきウィキで観て仰天したのだが、
イェンス役の キム・ボドゥニアって、『モルグ』で彼女役だったロッテ・メレーテ・アンデルセンとのあいだに、「本当に」一人子供作ってるうえに(結婚はしていない)、その後、今度は娼婦のジョイス役のリッケ・ルイーズ・アンデルソンと結婚して、3児をもうけているらしい(笑)。
まさに映画での人間関係を地でいく私生活というか、キム・ボドゥニアにとっても『モルグ』は青春そのものであって、同時に「青春期の終わり」だったんだろうなあ……。

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じゃい

5.0老人の口元フェチ

2025年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

昔からタイトルだけは知ってましたが、死体もののホラー映画なのかと思ってました。『ジェーンドゥ…』的な。あるいはデンマークという事で、『キングダム』のようなオカルト要素の強い作品と勘違いしてました。内容は一級のサスペンス。勝手な思い込みで見逃す所でした。危なかった😅今はレンタルビデオ屋が廃れて、こう言う少し古い作品を手に取る機会が本当に少なくなってしまった。「今日は何を観ようかな?」とお店の中を練り歩いている時間も、幸せだったんだなとしみじみ思った次第。映画の内容全く関係ないけど(笑)

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HAL-9000

3.5蘇った名作

Kさん
2025年1月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

30年の時を経たリマスター版を鑑賞。
色褪せない理由に納得。

死体嗜好という衝撃的なテーマの中、
ホラーの中にサスペンスが入っていて
最後まで楽しめました。

猟奇的な連続殺人事件の行く末はいかに…

終盤にかけての伏線回収がとにかく良い!
とても見応えのある作品。
綺麗なラストとストーリー構成も好みです。

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K

4.0ホラーと思いきや

2025年1月16日
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鑑賞方法:試写会、映画館

ホラー映画を期待して見ましたが、上質なサスペンスでした。なのでエグいシーンは控えめなので、見やすい作品だと思います。

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ムビチケ太郎