ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女のレビュー・感想・評価
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A281 ありきたり
2025年公開
逃げて戻ってきて逃げて戻ってきて
捕まって殴られて
同胞を探して怒られて
ガンガン売りまくって...
とにかく視点が同じというか
本来変えてほしいところが
延々と続くというか。
5回くらい記憶が飛びました。
最後転落するところで目が覚めてエンドロール。
パウラ・ベーアって角度によっては年齢不詳に
見えるのでそそらなかったのもマイナス。
中途半端なドキュメンタリー風。
50点
鑑賞 2025年2月9日 アップリング京都2
配給 クロックワークス
ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女
ステラは、極限状態の中で生き残るために同胞を密告するという選択をしました。彼女の行動は裏切りとされ、戦後も激しく非難されましたが、果たして自分が同じ立場に置かれたらどうしたのか――これは容易に答えが出せる問題ではありません。恐怖と絶望の中でどこまで「正しさ」を貫けるのか、私自身にも問いかけている様です。
目を覆うような残酷なシーンもありますが、それでも実際の歴史のほんの一部に過ぎません。多くの人が苦しみ、選択肢すら与えられなかった現実を思うと、改めて平和の大切さと、その真逆の負の遺産を語り継ぐことも戦争を知らない子どもたちの責任と感じます。
PS 題名が長過ぎます。「ステラ」だけの方がいいです。
今まで観た映画の中で一番嫌いな人かも
はなから"同胞を売った女"として見ているから、序盤から勝ち気でイヤな女だなぁとは思っていた。
最初のライブシーンは良かったんだけどなぁ。
潜伏中も、周りの心配をよそに身勝手な行動をしつつ、私はあなたたちとは違うの的なふてぶてしさが、どうにも好かん。
ユダヤ人男性は割礼があるからバレるけど、女性は身体的特徴でバレることはないのだろうか?
マイナスからのスタートだったから、ボコボコの酷い拷問をされて密告者にまわる場面では、誤差レベルの同情はしたものの、同胞どころか旧友まで密告するほど開き直ってからは、徐々に服装も下品で人相も悪くなり、嫌悪感がハンパない。
被害者であり加害者とはいえ、よくあれで生き延びていけたよなぁ、友人ゼロだろうに。
最期はあの出来事がトラウマであり、少なからず罪の意識は感じていたのかなぁと思う事にした。
場面転換のフェードアウトが少々荒いのが気になった。
人生の流れとタイミング
に翻弄されて数奇な人生を歩まざるを得なかった女性の物語。史実がベースなだけにシビアですが、物語がポツポツ切れる感じに違和感を感じるのと同様な展開の繰り返しに少し飽きるかな。彼女の晩年が少し出てきますが、あそこをもっと描いても良かったのでは?
「過ちを繰り返さないで」というメッセージ
ステラは被害者であると同時に加害者であり、フィルム(監督・脚本)の視点はステラ個人を非難するものではないように見えました。
原題"STELLA. Ein Leben"を直訳すると「ステラ、その人生」であり、18の少女が70代で自ら命を絶つまでの人生ダイジェストでした(邦題はやや批判に寄りすぎな気もしつつ)。
自分が処刑されるか、仲間を売るかの選択を、一人の市民に迫る世の中(=ナチとそれを支持した国民)が一番悪いのであり、「今を生きる人々に過ちを繰り返さないで欲しい」というメッセージを受け取ったような気がしました。
ありがちなテーマだけど、すごく大事なこと。
EUでは、ここ5~6年、各国でナチ的な極右政党の台頭が著しい。
ガザをはじめとする長期の内戦・紛争で移民が増加し、受け入れた欧州各国ではコロナやインフレで経済悪化したゆえ、移民に仕事が奪われると焦った国民が「元の国民=自分さえよければいい」と既得権益の確保のために排他的な考えへ傾いたからだろう。
特にフランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、オーストリア、ギリシアなどで、極右政党が第二党になったり、連立の第一党に入っていたり。
そんな現状に対し、映画を作るような知識人層は危機を感じていることは容易に想像できます。
そんな焦燥感から、この映画を作るに至ったのかもしれないと思いました。
啓蒙意図が先に立っていて、面白いかどうかより、「考えさせられるように作っているな」という感想で終わりました。
余りにも痛たましく……
実話ベースだけど真の芯まで掘り下げられていないような
ナチスドイツとユダヤ人、この構図の作品は「ヒトラーのための」「関心領域」「リアル・ペイン」など、いずれも心にグサグサ、刺さってくるのですが、本作は同朋を売る側の話で心は苦しくなるのですが、今一つ入り込めなかった。
何故だろうと考えると、登場人物、特に男性が誰が誰だか区別がつかなかったのが一転。
そしてもう一つは空襲シーンがあって敗戦の色が見え始めてはいたけれど、もうナチス体制崩壊の差し迫った時期のシーンが無かったからではないかと思うのです。
ユダヤ人への迫害が時の経過とともに実はどうだったのか?誰かへの忖度なのか核心部分が表現されていればもっとリアルで響いてきたのにと少し残念でした。
それでも人間の尊厳って何だろうとか、終戦後の裁判におけるステラの態度、その後の自死に向かう心の変容とは?なんていろいろ考えるところが多かった。
だけどちょっとワチャワチャしすぎだったかな。
選択肢のない凄まじさ The merciless reality of having no choice
ここ一年の間に
24年5月公開の「関心領域」
24年8月公開の「ぼくの家族と祖国の戦争」
24年12月公開の「ホワイトバード はじまりのワンダー」
で、25年2月公開のこの作品。
いずれも、共通するのはナチスドイツ。
あまり意識せずに観て来たが、
別の監督、
別の演者なんだけど、
ナチスドイツの描かれ方に
あまりにも差がなかったのが、
振り返って、多少ショックだ。
やっぱり、ある意味、
あの時期、狂っていたんだと。
今作は、その恐怖から、なんとか逃れようとして
同胞を売ると言う行為に出た一人の女性の生涯だ。
2度自殺を図り、2度目で目的を遂げてしまった。
インターネットもSNSもない時代、
彼女への批判は、
真綿で首を絞めるが如く、
ゆっくりと彼女を蝕んでいったのではないか
と想像する。
その間10年の月日が流れていた。
死の2年前、告発本が出版されていた。
観終わってから、
彼女がもし、今を生きていたら、
どうなっていたんだろうか?
と考えが巡って終わらない時がある。
今やっている「御上先生」というドラマの中に
一つの解があったようにも感じている。
本当の悪人はその場にはいなかった。
でもこの作品は、
しばらくは頭から離れないんだろう。
“Stella: A Life” – The Woman Who Sold Her Fellow Jews to Hitler
“Astounding”
Within the past year, I’ve watched:
• The Zone of Interest (May 2024)
• My Father’s War (August 2024)
• White Bird (December 2024)
• And now, Stella: A Life (February 2025).
All of these films share a common theme—Nazi Germany.
I hadn’t consciously sought them out, but in retrospect, I’m somewhat shocked by how uniformly Nazi Germany has been portrayed. Different directors, different actors, yet the depiction remains strikingly consistent.
It makes me realize, in a way, just how truly deranged that era was.
This film follows the life of a woman who, in an attempt to escape that terror, chose to betray her fellow Jews.
She attempted suicide twice, succeeding on the second attempt.
In an era without the internet or social media, criticism against her must have been like a tightening noose—slowly, steadily suffocating her.
A decade passed before she took her own life. Two years before her death, a book exposing her actions was published.
After watching, I couldn’t stop wondering—if she had lived in today’s world, what would have happened to her?
In the current drama Mikami-sensei, I feel like I found one possible answer:
The true villains were not in that moment in time.
And yet, I know this film will linger in my mind for a long time.
4分の4ユダヤ人
ベルリンでゲシュタポに捕まり、ユダヤ人を密告する犬になってアウシュビッツ送りを逃れた女性の話。
ジャズバンド仲間と愉しくやりつつもユダヤ人逮捕の声が聞こえるようになる1940年から始まって、1943年工場で働くステラにユダヤ人一掃の話し聞こえて来て巻き起こっていくストーリー。
彼氏との仲違いとかよりを戻したりとか、そんな流れとかはいるのか?と思わせテンポの悪さはあったけれど、その後の密告者になってからの流れをみるに、彼女が「女」であったことをみせたいのかなと。
そういうのを期待していた訳ではなかったし、ただ「こうでした」をみせられている様に感じたし、その割に戦後の行は結構あっけなく感じたし。
ラストの展開もだいぶ時間が経っていて、本編の話しと関係があるのかはあやふや…そんな感じ面白かったけれどで少々物足りなかった。
彼女を責めることができるだろうか
狂気の時代の道すがらの悲劇
関連作品を見ていれば理解が進むかもしれない。
今年46本目(合計1,588本目/今月(2025年2月度)9本目)。
見る方によってかなり解釈が分かれるのはあるとしても、現代タイトルの英語版(ドイツ語版)は、「ステラ、一人の(女性の)生涯」程度の意味合いで(多少こなれた訳にしています)、「ユダヤ人同胞を売った」というような語はどこを引っ張っても出てこず、ここは彼女の評価につき賛否両論ある現状において、できるだけ平等な立場であってほしかったです。
実在する人物を描くこと、歴史通りに進むこともあり、淡々と進む部分はどうしてもあります。そして映画内でも示される通り、彼女は被害者でも加害者でもあります。
彼女がある程度こうしたナチスドイツと接近できた理由として、いわゆる容貌の良さで当時の重役に気に入られたことがあげられますが(このことは、このサイトの映画短評でも触れられている)、人種問わず、ナチスドイツによる政治があったドイツのこの当時はいわば戦争末期であり(だから、ドイツが空爆等されるシーンがいくつか出る)、もはやナチスドイツと言えども「使える人は人種関係なく起用する」という考え方がありました。一方で、ナチスドイツがいうところの「使えない人」は容赦なくガス室送りにされたのは周知の事実です。
映画内で、「ドイツ人は人種で差別するが、私たち(ユダヤ人)は頭で勝負できる」という趣旨の発言をする方がいますが、色々なテクニックを駆使してベルリンに多くの「知識層」であるところの彼ら彼女らが潜伏して偽造パスポートの作成に尽力して命を救ったり(一部の意味で「命のパスポート」と似る)したところがあります。この点は、本映画で登場する「偽造パスポート」の点で登場するツィオマに焦点を当てた「ヒトラーを欺いた黄色い星」(2018。アマゾンプライムでは見られる)ではそちら視点で描かれており(もちろん、本映画の主人公であるところの彼女=ステラも出る)、色々な観点で見るのがよいのかな、といったところです。
個人的には「やや被害者面が強い、加害者的な観点は否定できない」程度の見方です。
採点に関しては以下まで考慮しました。
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(減点0.2/原題タイトルの翻訳時に、一つの思想を押し付ける行為)
上述通り、現代タイトルに「同胞を売る」とか「裏切り」といった語句は含まれていませんので、この点は忠実であってほしかったです(特に、ナチスドイツを扱う映画においては、史実に即してありのままに描くことが大切だと思います)。
(減点0.2/ドイツ語の字幕がないところがある)
もっとも、「アウシュビッツ」や、英語との対比で推測ができる部分も多々あり(この映画で「アウシュビッツ」等一部の語句は常識扱いでしょう)、ある程度は仕方がないですが、字幕について配慮が欲しかったです(もう少しきちんと看板など翻訳が欲しかった)。
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生きるか死ぬか
究極の二択
第二次世界大戦中にゲシュタポの密告者として働いたドイツ系ユダヤ人、
ステラ・ゴールドシュラーク(1922年~1994年) の史実に基づいたフィクション作品。
最初がジャズの楽しい演奏シーンから始まり、ゲシュタポに追われる生活、密告者としてのターンと、戦後のシーンと雰囲気が変わり、最初から最後まで目が離せません。
ドイツ人が理想とする“アーリア人”的容姿である金髪碧眼を備えた(しかも美しい)ステラは、強制労働のあと、こっそりユダヤ人のダビデの星を外し、街を歩き、クラブで遊び、同胞であるユダヤ人とか、ドイツ人将校とも付き合ったりも…
ただ、時代はそれほど甘くない。彼女の生き方は、ナチスの独裁政権下のユダヤ人迫害には通用しなかった…
タイトル通り、ステラは密告者を選ぶ。
でもね。
ゲシュタポに捕まり拷問を受けたのが奇しくも21歳の誕生日。そんな若さで身勝手、自己中な行動をしても責められないよね…
夫が連行された時、ゲシュタポに捕まった時、両親の元で、周りに咎められるほど大泣きする甘えん坊。
そんな彼女に突き付けられた究極の選択
死が待つ強制収容所へ行くか、同胞を売って密告者になって生き延びるか?
実話ベースなだけに考えさせられる作品でした。
パウル・ベーアの緻密で肝の据わった演技と勇気が圧巻
列車に乗せられること、アウシュヴィッツ始めKZ行きは死を意味する、それがそんなに明らかに当時において既に知られていたことにショックを受けた。
夢があるステラはドイツから出たい、死にたくない、生きていきたい。あれだけの激しい拷問を受けたら私はどうするだろう?
ステラのジャズシンガーとして賞賛を浴びる夢、承認欲求と上昇志向、それゆえこの映画を見た観客は複雑な気持ちになる。ステラにシンパシーを持ち難いからだ。目立つ美しい金髪に青い目、ステラは何度自分の顔を鏡に映したことだろう、化粧しただろう。ステラはたまたまユダヤ人だった。自分でどうしようもないこと故に捕まり拷問を受け地獄のような恐怖を覚える。痛みと恐怖から逃れるには「同胞」を列車に送り続ける密告者になるしかなかった。
パパに点子ちゃん(Puenktchen)と呼ばれていたステラは、小さい時にエーリッヒ・ケストナーの『点子ちゃんとアントン』のお話を読み聞かせてもらったか自分で読んだのだろうか。点子ちゃんが好きだから、またはステラは点子ちゃんみたいに小柄で可愛いからパパはそんな風に呼んだのかも知れない。パパはドイツ人として戦争に出かけた、自分はドイツ人だと言っていた。ケストナーも自分はドイツ人だと主張しながら、反ナチであり反ファシストでケストナーの本は焚書の対象になった。
ナチに翻弄された人は山ほどいる。それは複雑で簡単にわかろうとしたりわかった気になることは到底できない。ステラが実在の人物であることをこの映画で初めて知った。その人物を見つけ出し映画にしたのがドイツ人監督であることの意味はとても大きい。
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