「音楽をブツ切りにするな」ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ジャズが生まれる瞬間 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽をブツ切りにするな
数々のジャズ・ミュージシャンを追った音楽ドキュメンタリーなのですが、この種の映画でしばしば見られる悪弊が本作でも繰り返されていました。リー・コニッツ、ポール・モチアン、アンドリュー・シリルなど名だたるジャズ・ミュージシャンが次々現れ、特に僕のお気に入りのジョー・ロバ―ノが取り上げられていたのは嬉しかったのですが、とにかく演奏がぶつ切りで欲求不満が溜まりました。演奏場面がすこし続くとすぐにインタビュー場面に替わってしまいます。音楽家の一番の言葉は音楽の筈なのだから、それを十分に伝えなくてはなりません。登場人物をもっと減らしても、雑談場面を削ってでも、観る者が音楽にゆっくり浸れるだけの映像を流すべきで、その上での言葉です。特に、この不思議な作品タイトルの意味が明らかになる演奏はタップリ聞かせなくてはなりません。映画制作者はそう考えないのかな。
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