ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ジャズが生まれる瞬間のレビュー・感想・評価

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4.0瞬間の周波数

2025年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

インプロビゼーション ジャズのドキュメント
ソウルや黒人ジャズのドキュメントは数あれど
前衛、インプロ、フリー、現代音楽を扱うものは少ない
若い頃からジャズを聴き続けているうちに
民謡みたいなお決まりのジャズに飽きてきて
クロスオーバーやフュージョンさらにフリー系に興味は移り
ニューヨークのジョン・ゾーンやアート・リンゼイ、クリスチャン・マークレイに心酔
1986年にドイツのメールス市で毎年開催される
「メールス・ニュー・ジャズ・フェスティバル」に行ってからは
世界の、ヨーロッパの音楽シーンをまざまざと体験した
この映画はECMレーベルのサウンドが蘇って懐かしかった
とても精神的で丁寧な音楽を目指している様子がドキュメントだった
エンターティンメントじゃないんだ
この瞬間の人生を生きているんだ、という姿勢がよく伝わった

仕事終わりにビールを飲んで劇場に行ったので
寝てしまわないか?心配だったけど
レコーディングやライブの演奏も
瞬間の空気と周波数に緊張感があって集中した
そして思ってた以上に美しく素晴らしいフィルムだった…

サントラが出てたので
すぐさまApple musicで聴きながら帰った
帰ってお風呂に入りながらも聴いて浸った

こういうフィルムを残してくれるのは愛好家には嬉しいね

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mamagamasako2

音楽をブツ切りにするな

2025年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 数々のジャズ・ミュージシャンを追った音楽ドキュメンタリーなのですが、この種の映画でしばしば見られる悪弊が本作でも繰り返されていました。リー・コニッツ、ポール・モチアン、アンドリュー・シリルなど名だたるジャズ・ミュージシャンが次々現れ、特に僕のお気に入りのジョー・ロバ―ノが取り上げられていたのは嬉しかったのですが、とにかく演奏がぶつ切りで欲求不満が溜まりました。演奏場面がすこし続くとすぐにインタビュー場面に替わってしまいます。音楽家の一番の言葉は音楽の筈なのだから、それを十分に伝えなくてはなりません。登場人物をもっと減らしても、雑談場面を削ってでも、観る者が音楽にゆっくり浸れるだけの映像を流すべきで、その上での言葉です。特に、この不思議な作品タイトルの意味が明らかになる演奏はタップリ聞かせなくてはなりません。映画制作者はそう考えないのかな。

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La Strada

4.5音楽とは何か

2025年4月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

たましい(魂·霊)の表現。様々な方法で音を奏で時には複数の音を合わせて奏で、聴く者(物)の心を揺さぶるもの。
作品で演奏されていたのはジャスから派生した幻想的な音楽だったが、ジャンルも国境も人種も宗教も年齢も性別も音楽には関係なく全部が繋がっていて共有していることを改めて感じさせられた。
もっと観ていたいと思った。

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Sato

1.0これがJAZZと思われては困る

2025年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

これも一種のJAZZであるが、これほどスイングしないJAZZは困る。
ヨーロッパ系のミュージシャンにありがちな「自然が、瞑想が、心の、平穏が・・・」とかいうお題目は本当のJAZZには要らない。
スィングしないJAZZは本当に困る。ビルフリーゼルの何が良いのか全く分からない。晩年のリーコニッツはもっと悲惨だ。アンドリューシュリルなんてスィングでなくパルスだからね。
映画としても動きが少なく、インタビューも観念的過ぎてインタビューされた方が困っている。
エリントンもマイルスも先鋭的だったが常にスィングしていた。
PITINNライブを見ていると最近の日本の若手も勘違いしている方々が多く残念だ。
眞に残念な映画であった。

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HAL1953

4.0ナレーションなし、音楽満載の、映画版「情熱大陸」?

2025年3月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

題名の意味が、後の方で明かされます。
「不思議なことが起こったんだよ。彼の演奏が始まると、black pigeonsが何処からともなく飛んできて、窓のところにとまったんだ。そして、演奏が終わると、いなくなってしまったんだ。 」
心地よい音楽って、鳥にも、そして、赤ちゃんにも伝わるんですね。

高田みどりというパーカッショニストは、迫力ありました。以前映画「ECMレコード サウンド&サイレンス」で取り上げたパーカッショニストも、同じように、身体全体を使って、踊るように演奏していましたが、それを思い出しました。

ECM レコード繋がりでは、マンフレード アイヒャーにもお会いできました。ちょっとした演奏上の提案をし、それにプレイヤーが従うと、演奏がなぜか調うという不思議。

ウッドベースのトーマス・モーガンは、朝のルーティンを公開してくれています。アーティストも、身体が資本なんだな、と、教えてくれます。飄々としたところが、H ZETT NIREさんみたいでした。

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ぴのこねこ

5.0インタビューでも言葉少なに─

2025年2月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

ドキュメンタリー映画というパッケージとして、非常に上質な作品だったという印象でした。
音楽を扱っている訳だから流れ出る音楽をめいっぱいに、という気構えのように感じたし、インタビュー必要最低限のみ情報とか思いを少し足す程度で、もうそれで十分伝わってきます。やっぱ音楽ドキュメンタリーは音楽を存分に聴かせてくれなければ話になりませんよねー
個人的にビル・フリゼールなんかが目的で観賞する気になったのですが、全く知らなかった高田みどりのパフォーンマンスが最も印象的だったり、その他知ってる知らないにかかわらず、全てのミュージシャンが最高のパフォーンマンスを披露してくれていて、気持ち良くて、興味がない人ならばきっと寝ると思います。
記録されている時間が予想以上に幅広いなぁと多少訝しんだのですけど、その意味はかなり重要で作品の気もだったりして、それがまた感動的だったりするので、内容もまた素晴らしいと思える作品だと感じました。
トーマス・モーガンというベーシストも知りませんでしたが、そのキャラクターが最高で、そのインタビューが─
様々な個性的なミュージシャンの数々、音楽も音楽以外も最高な作品でした。是非ともサントラが欲しいところです。その前に、まずはポール・モーチアンの音楽でも聴いて感慨にふけましょうかねぇ。

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SH