今すぐ購入 購買意欲はこうして操られるのレビュー・感想・評価
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ちゃんと微妙な心持ちになれることにも意義がある
なんとなく便利なものに流されてしまう怠惰な庶民として、ネット通販が促進する大量消費社会に警鐘を鳴らすドキュメンタリーの存在はありがたい。見過ごしがち、というより、考えれば考えるほど面倒なので考えずにスルーしてしまう諸問題を、ズラズラっとわかりやすく並べて突きつけてくれるから。
もちろん「わかりやすさ」にはこぼれ落ちるものがたくさんあるわけで、告発ものとしてはもっと具体的な取材でエビデンスを並べるべきだと思うし、「リサイクルの大半は破棄」という話も、ちゃんと検証して見せてくれないと陰謀論扱いされてしまう危惧もある。
ただ、作品全体をプロパガンダ映像のパロディにするなど、あえてひねりまくった挑戦的なアプローチは、二重三重に皮肉が効いていて、扱っているトピックとも合致しているし、過剰に利潤追求するeコマースを揶揄する作品はNetflixならではというか、当然アマプラでは配信できなかっただろう。
ただNetflixもエンドクレジットを飛ばして別の作品に誘導しようとしたりするわけで、その手口自体を批判していることで皮肉がさらに効いてくるような、なにか本末転倒なような、よくも悪くも微妙な心持ちになれました。
上手くまとめたら15分くらいになりそうな内容だった。 うーんと思う...
上手くまとめたら15分くらいになりそうな内容だった。
うーんと思うところは色々あったけど、時折挟まれる日々こんな大量の衣料品や電化製品が生産されてますよ〜のイメージ映像について、どれくらいの時間でどの範囲がいっぱいになるのかという数字の明示はなく(例えば1ヶ月で東京都の面積と同じ量が生産されてる…みたいなのが欲しかったけど、世界各都市の映像に合わせて毎分xトンの服が生産されてますみたいなナレーションのみ)なんかやばいっぽいんだよね〜という雰囲気だけを煽るだけで本当に問題提起したいのか謎だった。あとはSNS上の服買ったiPhone買ったのショート動画をブリッジ的にたくさん散らしてたけど同じようなの多すぎて尺を薄めて伸ばしてるような印象も残った。
本質には迫らず浅い情報とごまかしで引き延ばした84分であり、このドキュメンタリーの制作はこの映画で登場する購買意欲を操ってる人たちと同じサイドの人間なのではとすら思った。
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