美晴に傘をのレビュー・感想・評価
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父と息子が喧嘩別れし、息子が病死しても葬儀にも出ぬ父 四十九日に、...
父と息子が喧嘩別れし、息子が病死しても葬儀にも出ぬ父
四十九日に、その息子の妻と娘二人が来訪、そのまま祖父宅に滞在。
父は寡黙な漁師。
娘二人のうち姉は自閉症で聴覚過敏、姉妹仲良し、母がつきっきり。
出だしは戸惑い、揉めることも何度も。
話して素性が見えてくるにつれ、慣れたのでしょうか
心を徐々に整え、想いを馳せる様子。
それぞれの心中、最後にはすごい量の言葉の洪水のように溢れ出してきて
圧巻でした。
小さな街らしい、誰もがご近所の顔見知りなところ
かつて心当たりがある、懐かしい感じがします。
余市には行ったことは無いのですが。
本作の音声ガイド、チュプキさん制作、特に聞きごたえが濃密でした。
人物の機微,
なにが主語か, なにが注視されるか
ことの順序
監督ご本人が終始ナレーション, とても理解が深まりました.
劇中ですでに、オノマトペの多用、書道の筆順(書き順)など、"言葉" に使う神経がただならぬものを感じてはいましたが。
上映後の監督トークはむしろさっくばらん。ギャップに, いい意味で驚き, 楽しめました。
一点だけ気になったままのところ
ハイデガー "存在と時間" 書籍が複数回登場された、その目論見が気になりました。
(若いころ, 読もうと試みて, 早々に挫けたことが何度も)
みちょぱ似の美晴が気になりました。。
聴覚過敏の自閉症の主人公?のみちょぱ似の美晴。
調べてみると日髙麻鈴(ひだかまりん)という元アイドルの女優さんらしい。。
彼女の演技をどう見るかで、この映画を見た人の評価が決まるんじゃないでしょうか?
私は最初彼女が自閉症という事が分からなかった。
最初は変なキャラなのかと思ったけど、見ているうちに何かしらの障害を持っている事は分かったが。。
最初に説明シーンでもないと、彼女の演技だけではすぐに理解できないと思う。
私は終始違和感を感じてしまったかな。
フォーラム福島での鑑賞でした。
この日は舞台挨拶付き。
監督の渋谷悠さんと父親役を演じていた福島県天栄村出身の和田聰宏さんが舞台挨拶に出てきました。
この中での話が面白かった。
和田聰宏さんの役者になる前の家族で行った占い師の話とか、36年ぶりという学校の先生が観客にいて質問コーナーで出てきたり。。
監督の話も面白かった。
普通の親は子供は自分より長く生きる事を当たり前と考え、障害者を持つ親は子供より一日でも長く行きたいと考える。
この対比を映画の中で描きたかったとの事。
話自体は、子供への親の愛情を感じられる良い話でした。
こういう独立系の低予算映画は、雰囲気が重要なポイントだと思う。
もう少し映像に拘って欲しかったかな。
舞台挨拶も面白かったし、映画鑑賞としてはとても楽しめましたね。
田中美里さん
テーマは良いのにな⋯
言葉の大切さを実感。
事前情報無しで観て欲しい!
ふわふわ・がやがや・もやもや
良いところと残念なところと半々ぐらい。
良い
・映像が美しい
・基本的に悪人がいない人間関係
・優しさを感じられる雰囲気
・傷付きやすい美晴を守る象徴としての傘の描き方
・美晴の想像上の世界
・主要な3人の独白をカットバックでうまく組み合わせた終盤
・3人が物語の中で一歩踏み出そうとするところ
残念
・登場人物の多くが自分のことしか考えていない、身勝手
・現実感が乏しい
それって真っ先に伝えておくことじゃない?という話をしないで
いきなり○○したら相手が迷惑でしょう、という謎の行動。
あの場面で○○するのは非常識にも程があるけれど、そうして欲しいと
言った人がいるわけで、要求する方もどうかしている。
相手への気遣いより自分の気持ちや都合を最優先する人。
北海道の小さな漁村という設定だが主人公が漁師っぽくないし
他のみんなも含め生活感がない。東京から来た人だけでなく地元民が
皆標準語で話すことに違和感。漁村という設定がただの美しいロケ地で
終わっている感じ。中村雅俊が地元のおっちゃんにしか見えなかった
サンセット・サンライズを先に観てしまったので尚更そう感じる。
地元の美味いものを食べる飯テロ場面なし。
言葉については、イタリアが舞台の話なのに全員英語で会話している
映画もあるから絶対ダメとは言えないが。
登場人物の行動や発する言葉が、物語の構成上必要だからそうしている
感じ。その世界で生きている人というより、役を演じている役者さんを
見ている感覚だった。各自が物語を動かすための道具のようだった。
飲み仲間との場面が、賑やかなだけでちっとも面白くなかった。
居酒屋が妙に照明が明るくて雰囲気が足りなかった。
ちょっと書きすぎた。このくらいにしておこう。
書道の先生とワイン職人がなかなか良い人で、その人の言葉には
人の心を動かす力があった。それによって主人公たちが変わる
きっかけができたのは良かった。
観終わった印象は決して悪くない。
安直な障がい者物語
良かった。
しっとり、ほんわか、すっきり、じんわり
上映館数も少ないし、監督、俳優陣もすんごくメジャーな方々(何をもってメジャーとするかのラインはあるかと思いますが)なので、独りよがりになりがちなヤツか…と思いましたがあれ?思ったより垢抜けている(いい意味で)?
メインテーマである、伝えられなかった(伝えそびれた)想いには号泣と共感しかなく(観客側の、人生経験にもよるかと思いますが)でも堅苦し過ぎず、笑いもちょいちょい挟み、バランスがよい。
主人公にしても、ただ頑固で無口と言うだけでないキャラ設定。ストーリーをドラマチックにするために誇張されたやたら意地悪なだけの人、伏線を回収するためだけに現れたスーパーいい人もなく、それぞれがあ、こう言う人いるよねー、って無理がない。(酒場のシーンとか、下品過ぎ…と思いましたが実際地元の集まりってあんな感じなんだろうなと思わせる盛り上がり。)
例外的に書道の先生はやたらウザいオバさんで、笑いを取るためのキャラとしては押し付けがまし過ぎる、と思いきや、信念持って書道家を貫いてるからこその発言なんだとわかる、背筋がぴりっと伸びる気がする独白シーン。あそこ一番好きかも😆
自分にもあった、あの時ああ言っていれば…と言う想いを昇華させてもらったような気になった映画でした。
業界通の友人に語ったら、封切り以降…2/6まで?に観た人数よっては上映館数増えるかもよ、とのこと。あの人に観てもらいたい、あの都市で上映して欲しい…との想いが届いて欲しいなぁ。もし見るべきか迷っている人がいたら背中押してあげたい。
三回泣き スリープロットストーリー
リアルな言葉がBGM
「北海道で暮らす漁師」が主人公の一人ということで、郷愁に誘われて観に行きました。
ウニ漁のシーンは、海辺の町出身の私には懐かしくて~それだけで見に来て良かったと思ったり。
夏の穏やかな北の日本海は、心によせてはかえす、さざ波のよう。
あんなベタ凪の日は少ないと思うけれども。
映画は心に傷を負った人間の再生ストーリー、と一括りにするのが憚られる濃い目の内容だったかな。
映画の中で口ずさまれる詩が心に響いて泣けてきました。
海辺の町出身の自分にハマったというか、リアルさに感心したというか、伝えきれなかった思いが詩の中に存在していたかな。
ポエトリーなシーンもあり、それも自然な導入で無理が無かったかな。
もう少しスッキリと整理されたらお洒落に仕上がったかもしれないけど、それでは薄っぺらくなるだろうし。
一寸泥臭い感じが漁師町に似合っているのかもしれません!?
佳作良作
ワクワクうきうきちょちょいのどん。一歩進む勇気ということかな。
目を皿のようにして画面を眺めていたのだが、舞台となる土地が特定できず。エンドクレジットを観てようやく北海道余市でロケされていたことがわかる。なるほどワイナリーがあるわけだ。お盆時期でもそれほど暑そうでないことも了解。
さて本作は冒頭1時間近くは我慢しなければならない。漁師の元に四十九日を機として亡くなった息子の妻が子ども二人を連れてやってくる。息子は昔、父親と仲違いして家を出ている。漁師は息子の妻子に会ったことがない。更に長女美晴は自閉症と聴覚過敏症の障害がある。ところが母子は何の前触れも説明もなくいきなりやってきて泊まり込む。漁師は戸惑うばかりだ。さらに母子はいきなりテーブルや椅子の脚にテニスボールをくくりつける。これは美晴の聴覚過敏への対策。そして四十九日法要に透子は場違いなワンピースを来て参列する。これは亡くなった光雄が買ってやった服で、それを着て会いに来てくれと言い残したから。
おいおい、言葉で説明すれば済むところじゃないか、と思うんだけど、そうしないから何かエイリアン的にこの母子が見えてあまりシンパシーを持てない。
さらに、俳句をひねる親父や漁港、居酒屋の仲間たちがやたらと喧しく(吉本新喜劇風とのレビューもあったがそんなにいいもんじゃない。ノイジーなだけ。特に玉岡役の徳岡っていう役者が悪目立ちすぎ)どうしても映画には入り込めない。
状況が変わるのは、後半、ワイナリーと桐生さんが登場してから。ここに至って美晴が変わり始めて彼女なりに一本踏み出そうとする。それぞれがそれぞれに対し、新たな働きかけや距離の取り方を模索し始める、つまり皆が一歩進もうとする姿が映し出され映画としては後味は良い感触で終わる。ただ、どうも最後まで透子さんにはエンパシーを持つことができないんですね。なんか違うんじゃないかと思ってしまう。次女の凛がとても可哀想な気がするんですね。最後の部分も蚊帳の外。取ってつけたような母親のフォローはあるけどね。とてもいい子なのに。グレちゃうよ。
「傘」に込められた幾重もの意味
思いを声に出して伝えたい
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