「ふわふわ・がやがや・もやもや」美晴に傘を toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
ふわふわ・がやがや・もやもや
良いところと残念なところと半々ぐらい。
良い
・映像が美しい
・基本的に悪人がいない人間関係
・優しさを感じられる雰囲気
・傷付きやすい美晴を守る象徴としての傘の描き方
・美晴の想像上の世界
・主要な3人の独白をカットバックでうまく組み合わせた終盤
・3人が物語の中で一歩踏み出そうとするところ
残念
・登場人物の多くが自分のことしか考えていない、身勝手
・現実感が乏しい
それって真っ先に伝えておくことじゃない?という話をしないで
いきなり○○したら相手が迷惑でしょう、という謎の行動。
あの場面で○○するのは非常識にも程があるけれど、そうして欲しいと
言った人がいるわけで、要求する方もどうかしている。
相手への気遣いより自分の気持ちや都合を最優先する人。
北海道の小さな漁村という設定だが主人公が漁師っぽくないし
他のみんなも含め生活感がない。東京から来た人だけでなく地元民が
皆標準語で話すことに違和感。漁村という設定がただの美しいロケ地で
終わっている感じ。中村雅俊が地元のおっちゃんにしか見えなかった
サンセット・サンライズを先に観てしまったので尚更そう感じる。
地元の美味いものを食べる飯テロ場面なし。
言葉については、イタリアが舞台の話なのに全員英語で会話している
映画もあるから絶対ダメとは言えないが。
登場人物の行動や発する言葉が、物語の構成上必要だからそうしている
感じ。その世界で生きている人というより、役を演じている役者さんを
見ている感覚だった。各自が物語を動かすための道具のようだった。
飲み仲間との場面が、賑やかなだけでちっとも面白くなかった。
居酒屋が妙に照明が明るくて雰囲気が足りなかった。
ちょっと書きすぎた。このくらいにしておこう。
書道の先生とワイン職人がなかなか良い人で、その人の言葉には
人の心を動かす力があった。それによって主人公たちが変わる
きっかけができたのは良かった。
観終わった印象は決して悪くない。