「鳥肌が立つ演奏が何回も」ピアノフォルテ amaneさんの映画レビュー(感想・評価)
鳥肌が立つ演奏が何回も
自分が知らない世界を体験できるというのも映画の良さだと思う。
この映画でも大いにそのような体験ができた。
21日間、緊張を保ち続けなければならない過酷さ、直前になって棄権する気持ち、このコンクールだけに生活のすべてを捧げて来たにも関わらず、入賞できなかった落胆。
平々凡々の人生を歩んでいる自分にも僅かではあるが、その気持ちがいかばかりであるか、わかる。
実際には想像の数億倍の精神的ダメージがあるに違いない。
芸術というのは、良くも悪くも数値化できない部分を含んでいる。
だからこそ、スポーツのオリンピックよりも過酷だとも感じる。
制作の仕方に影響されているのか、ハオ君に肩入れしてしまう自分がいる。
音楽というのは、音の正確さとか、人生の経験値が醸し出す表現力とかを超えたその人しか紡ぎ出せない音色みたいなものがあって、私はそこに惹かれる。
彼にはそれがあるような気がする。
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