「説得力とは」奇麗な、悪 Syochan17さんの映画レビュー(感想・評価)
説得力とは
瀧内公美の演技は、静かな狂気を見せようとするものの、観客を物語に引き込む力に欠ける。おそらく、演技プランを緻密に作り、間や表情で説得しようとするあまり、「頑張っている」印象が前面に出てしまったためだろう。例えば、蒼井優が演じれば、その語り口だけで観客は不安を覚え、狂気を感じながら引き込まれていくのではないか。二階堂ふみや満島ひかりなら、また異なる狂気を表現できたかもしれない。つかこうへいは、「海が見たい」という一言にも、それを言い切るだけの劇的な背景が必要だと語った。役者の力とは何かを、改めて考えさせられた。
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