「郷に入っては郷に従えってか」おんどりの鳴く前に himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
郷に入っては郷に従えってか
ふとしたことで、今まで目をつむっていた不条理に我慢ならなくなるときがある。その時不条理に立ち向かうか、目をつむるか、そんな経験人生にありませんか。そこまで大げさではないけど、それに近いことはあるはず、そんな時にどんな行動と取るだろうか。
村社会の憂鬱
地理的に田舎という意味ではない。
まあ、閉鎖的な小さな集落では、どうしても同調圧力が働く。
だから、都会でも田舎でも村社会は存在するわけで。
ただ、この作品のように。
ルーマニアの結構な田舎が舞台だと。
そうなりやすいのかな。
ルーマニア自体、日本からは遠く離れているので。
どうしても、馴染みが薄くピンとこない。
だから、映画から勝手に判断してしまうんだけど。
結構、賄賂とか社会の不正とか蔓延してそうな。
間違っていたら申しわけないのですが。
そう、想像してしまいます。
タイトルの妙
他の人のレビュー読んで、わかったのですが。
『おんどりの鳴く前に』という、タイトルは、聖書からとったと。
確か、「鶏が、三度泣くまで、あなたは私のことを知らないという」
そんなキリストの言葉からきているのだと。
つまり、罪人として捕まったキリストを、弟子なのに問い詰められて知らないという。
人間の弱さの象徴。
だから、そんな人間の弱さを監督は描きたかったのかな。
勝手な想像ですが。
となると、なかなかやるなと思ってしまうわけで。
「郷に入っては郷に従え」
なんですが。
そこは、村人全体で悪事で稼ぐ。
そんなシチュエーション。
そこで、生活するには、悪事に加担するか、見て見ぬふりするか。
二者択一。
いやなら、出てゆくしかないわけで。
かなり、ハードな村社会です。
なれてしまえば、そんなもんかで済まされるのかな。
でも、大なり小なり。
この日本だって、ある話。
悪事に加担するのは、御免被りたいですが。
「郷に入っては郷に従え」程度で収まる環境で、生活したいなと。
ふと、そんな思いにかられる作品でした。