「見るのにかなりの理解力を要するので注意。よくあるホラー映画とは違う?」おんどりの鳴く前に yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
見るのにかなりの理解力を要するので注意。よくあるホラー映画とは違う?
今年42本目(合計1,584本目/今月(2025年2月度)5本目)。
こちらはルーマニアが舞台のホラー映画…かな。ジャンルとしてはそうなると思います。
なお、現地で話されているのは当然ルーマニア語のようなので、ほぼ理解はできません(村や町の看板で外国人向けか、STOP(とまれ)などの看板は出るが)。
この事情が大きく働くのが「ルーマニアの映画自体が稀であり予習が難しい」という難点で、まず舞台は、舞台の大半となるホラーが起きる「村」と、その村に近いのか、カフェやアクセサリーショップ等がある「街」の2つだけであり(とても、都市部というような場所すら出ない。その「街」ですら人口1~2万人かというレベル)、そこに一般的に見聴きしないルーマニアの地名や人名が多く出てくるところ、人名に関しては一部を除いてそもそも男性なのか女性なのかさえ不明な名前が出てくるので(地名も当然かなり独特)、固有名詞がまず「地名か人名か、あるいはほかの何かか」を理解するだけで頭がいっぱいになります。
※ ほぼ唯一の例外が、登場人物の一人「クリスティナ」ですが、字幕上はそう表記されても実際の発音がかなり異なるようで、そう聞き取るのはかなり無理(一般的なアルファベットの読み方とかなり乖離があるものと思います)ので、そこではどうしようもありません。
こうした事情と、主人公や周りが取る行動の突飛さも相まって、ジャンルとしてはホラー(一部、アクションといいうる点はあろうが)だとしても、何度か見ないと…といったところです。これは「村」パートが恐ろしいほど近代化されておらず、真っ暗なシーンもあるし(ただ、なぜかしら、国鉄なのか民間鉄道なのか、踏切らしきものは出るが、電車にのるようなシーンはない。踏切らしきものは背景に映るだけ)、理解にある程度の頭の整理がいるタイプの、典型的な「パンフ買ってね、何度も見てね」系になっているところです(パンフ買えばよかったなぁ。オンデマンドバスを待たせるわけにはいかないのであきらめましたが)。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.7/相当な理解力とパンフ前提の展開になるのが厳しい)
上述のように、固有名詞の「属性」つまり、人名か地名か、それ以外か…といったところ、さらに人名だとしても男性か女性かもよくわからない固有名詞飛ばしで前半ごり押ししてくるのが厳しく、まぁ初回で見て3割か4割の理解率しかないのでは…と思います。結末を知った上で、より深い理解を求めようとすると2度3度見ることになると思います(ただ、大阪市ではテアトル梅田だけで、株主優待があればそれで見ることはできる)。
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(減点なし/参考/さくらんぼ農園の土地の所有権の物権変動について)
映画内で「所有権は俺のものなんだぞ」といいつつ、「契約書がない」などというシーンがあります。この点(不動産の所有権の得喪)は、日本民法では177条(当事者では有効でも第三者に対抗するには登記しろ/フランス型)、韓国民法186条(当事者であっても登記しろ/ドイツ型)という2パターンにわかれますが、そのどちらでもないようです。
※ ただし、さくらんぼ農園の所有権の話はトリックになっていない。ここが論点になると採点幅に考慮される。