「瞳がキュート」呪われた絵画 なつさんの映画レビュー(感想・評価)
瞳がキュート
絵画の修復の為、イタリアを訪れたリサ。
火事で煤けた大きな黒い絵画を2週間で修復する事に。
これくらい大きな絵画だと1ケ…2週間よ!と食い気味に迫る女主人。早速取り掛かるが歌声が気になり出るとそこには娘のジュリア。
そんな彼女と女主人と夕食を囲むも、年の事を聞くと苛立つように席を立ってしまう。成長をしたい者も時を止めたい人もいると女主人は語る。でもあなたお若いですよね〜的な事を言って早々に席を立つリサ。これは気まずい夕食…
一方で、偶然リサと同じバスに乗ってきた動物観察でやってきた3人は森の中で拉致されていた。
森の中も霧がふわふわ浮いていていかにもホラーの森です!感がとても良い。
気がついたら鉄格子の狭い部屋。仲間は別の檻にいる、その檻は4つ。
そこへ大男がチャリチャリと言わせながら入ってくる。
その様はでっぷりと大きく、白塗りの顔に目の周りは赤く奇声を発する。あの〜プロレスラーですか?大日とかに所属してらっしゃる?とでも言いたくなるような出たち。(決してレスラーを悪く言ってる訳でもなく、むしろ好き)
そんなレスラーから倫理観を飛ばした感じが堪らなく嫌悪を感じ、しかも張り手とかするじゃん。レスラーじゃん。まぁ、そんなで時の支配者とか書かれた井戸に投げ落とされ1人犠牲となる。
リサは絵画修復のため手を動かし続けるがふと、父親の幻を見る。彼はお前に任すのではなかった、と自らの首を切る。この幻はしっかり見せてくれるのだが、「任すのではなかった」の時にリサが怯えながらも少しムゥという顔をするのだ。可愛らしい。
その後、寝ても覚めても幻惑と現実の狭間を生き続け疲れ切ってしまう。あの魔女は幽霊じゃなかったのねと後で知ってびっくりした。
この、幻惑を見る時のリサの表情が素晴らしい!特に見開いたその力強い瞳はどんな幻惑にも負ける事なく美しい。
地下では、1人の男がここを開ければ逃げられるんだ!じゃあこれ使って!ギリギリ届かない!やった取れた!ヤスるぜ!のホラーお約束をとりあえずやってくれる。
そして拷問男登場。
また1人凄惨な拷問を受ける。今回は1人目と違って、ねっとりべっとりと拷問をする。落とされた井戸では怪物が…
そして、床が切れた男性が逃げようと潜るとまた怪物が…て、怪物用に井戸があるんだからそこまで出張らなくてもよくない?そこでもゴア。
納期の迫るリサにジュリアに絵画について語る。
魔女が怪物を捕まえて永遠の命の為にその血液が必要で今夜の赤い月に絵が照らされると呪いが続くと。
リサは囚われた人を助け入る。このドアに裸のお姉さんの写真貼ってあってまた拷問男にゾワけが立つ。そしたら案の定だよ。
寸前で女性を助け出し上階に上がるが待ち受けるのはパブの店主。そうだよね〜
女主人達が集まる中、絵の修復をするリサ。ここでなんだか魔術っぽいロックっぽいなんとも言えない曲がかかり苦笑する。早く直しなさいと叫ぶ女主人、これ誰?みたいな人もいたり、ゴシゴシ直る絵画、突然出てくるジュリア、ボウガンの矢がリサのお腹に刺さり赤い月が出て皆灰になる。ジュリアがようやく年を取れて嬉しいという表情で灰となり、化け物がやってきてリサは消された部分の呪文を唱える。
30年後リサがすごく綺麗。敏腕で怪物から血液売ってます。背後には黒い絵画。
この、本当に必要な「呪われた絵画」のラストが数十分の駆け足で終ってしまった。
後付け程度にしておけば良かったスラッシャーシーンに力を入れすぎてしまった為にストーリーがバラけてた感じがしたよ。
この設定でそこまでゴア描写要るぅ?!と胸焼け。
設定違いのホラーを観てた感。
90年代の田舎のイタリアが舞台で垢抜けた可愛い絵画の修復師と黒魔術、絵画と品の良いゴシックホラー設定があるので多少鮮血はあってもネッチョリと腸出すとかないな〜
大人になれないジュリアも恋愛経験があって破れた過去があったのかもとか想像できるがリサとあまり関わり合いがないので、大人になれて嬉しいとかって顔をされても。
ホラーにツッコミは少々野暮なのですが…犬は?
設定が好きなのだけにもったいない〜