劇場公開日 2024年11月15日

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「色々詰め込んだホラー」呪われた絵画 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0色々詰め込んだホラー

2025年5月11日
iPhoneアプリから投稿

絵の修復を生業とする主人公が、はるばるやって来た屋敷のススにまみれた1枚の絵。修復するにつれ、悪夢の様な出来事が...。という王道のホラーかと思いきや、主人公とは全く別行動の3人の物語も展開されており、主人公側とその3人の展開が全くの別ジャンルに感じる様な構成である。先述の通り主人公は比較的王道な夢か現実か分からない怪現象に悩まされるという恐怖体験をし、一方で3人の方は、動物の行動観察に来た学者とガイドなのだが、彼らは森で誰かに誘拐され、何者かに監禁されるのである。3人以外にも囚われの身の人間がおり、まるでソリッド・シチュエーション的な世界観である。その"監禁主"たる人物は巨漢の男であり、薄いピエロ風のメイクを施し、言葉を話さない不気味な男だ。彼が部屋の中央の井戸にバケツを垂らすと謎の青白い手が自らの手に傷を付けて中に血を垂らす描写がある。中盤までは「??」の連続だったが、とっ散らかる事はなく上手い具合に全てが交わり、謎が明かされていく構成だった。どんでん返し的な展開や、目を見張る様な描写は無く、タイトル通りの「呪われた絵画」の物語の為、想像のつく展開だったりもするが、最後にしんみり出来る展開があったり、最後の最後は人間ってやっぱり怖いなと思わせる描写もあるなど、想像の範囲の中でもそれなりに楽しめる作品だった。意外と生々しく痛々しいスプラッタ描写もある為、苦手な人は鑑賞には注意が必要である。顔面の生皮剥だったり、目玉抉り出し、腕切断などタイトルからは想像出来ない、いい意味で裏切られた作品だ。

Mina
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