「気持ちが先行してしまったかな」雪解けのあと La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
気持ちが先行してしまったかな
台湾の若い女性監督によるドキュメンタリーです。
自分も同行する筈だったが体調不良のために諦めたヒマラヤ山行で遭難した女性の友人の足跡を追うお話です。雪に閉じ込められた友人は47日間のビバーグの後に発見されたものの、その3日前に亡くなっていました。
監督は、友人が山中で書いた膨大なメモと共にその行程を追うのですが、彼女の文章をもっとしっかり紹介しながらの物語にして欲しかったな。さもなければ、死を間近にした友人の声と、その足跡を辿る監督の足音が上手く共鳴出来ないのではないでしょうか。
また、友人の性自認の問題をサラッと流したのは監督の意図なのでしょうが、そこを深く描いて欲しかったと感じるのは、僕がLGBT問題を特別視してしまっているからなのかな。
更に、何を撮ろうかやや迷うかのような手持ちカメラの不安定さも少し気になりました。
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