「ガリレオと比べずに観ることの難しさ」ブラック・ショーマン kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ガリレオと比べずに観ることの難しさ
東野圭吾原作で福山雅治が主演となると、どうしてもガリレオシリーズを思い浮かべてしまう。これは避けられないこと。観る側はガリレオと比較する。キャラクターや脚本やトリックの面白さ、そしてバディの存在感など。だから、他の俳優にオファーしてもよかった作品だったと思う(今さらだけど!)。
原作は読んでいないから、おじの武史がどれだけオジさんなのか、どれだけ嫌な感じなのかはわからない。でも、福山雅治がどこか無理して悪ぶっているように感じてしまうのだ。それは福山雅治という俳優のイメージに引きずられたもの。でも、それを根底から覆すような役柄や演技ではなかった。だから違和感が強くなる。
ただ、マジシャンとして殺人事件を解決するという設定はなかなか面白い。さすが東野圭吾。スリまがいのテクニックや人を誘導する話術、相手の反応を探る観察眼、そして見ているものを騙す視覚的なトリック。たしかにミステリーの探偵役として条件が揃っている。ただ、事件解決のクライマックスはマジシャンの強みを活かしたものには感じられなかった。
でもつまらないとは感じなかった。たぶん有村架純の存在が大きい。おじである武史に必死でついていきながら、疑問を投げかけたり、苦言を呈したりする姿がバディとしてとてもいい。最初は距離を感じた2人が最後のシーンでかなり近づいた気がしたのは私だけではなかったはずだ。彼女の成長物語としても意味がある。
原作で次作もあるようだから大コケしない限り続編が待っているはず。原作の2作目で真世が出ているかはわからないが、ぜひこのコンビを続けてほしい。
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