「バブル狂騒曲ものとしては」ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件 ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
バブル狂騒曲ものとしては
1980年代の香港を舞台に、トニー・レオン&アンディ・ラウの香港二大俳優を主演に実在した金融詐欺事件を基にしたエンタメ作品。
トニー・レオンもアンディ・ラウも衰えない面構えと円熟味を増した存在感を余すことなくアピールしている。観る前から一定の期待値で盛り上げてくれている。トニー・レオン演じるアゲアゲの大物詐欺師チン・ヤッインは怪物感満載で迫力満点だ。
さて、肝心のお話だが、やたらインファナル・アフェアをアピールしていたが、あれ程の重厚さと追い込まれる緊迫感はない。それは本当のチン・ヤッインの人物像への迫り方が映画の独自性として練り切れていないと感じた。話自体がありきたりなので、そこに趣向を凝らす事は難しい。おそらく関係者の証言から謎多き男と描きたかった(実際そうなの)かもしれないが、残念ながら私にはそこで語られる人物像が、国際的な闇の深い人物なのか、ただの詐欺師なのか、が伝わらず消化不良だった。
二人の名優を通じ当時の香港を感じる上で面白い作品かもしれません。劇中に流れた”Can't Take My Eyes Off You”はどこの国でもバブリーに使われますね。興味深いです。
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