ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件のレビュー・感想・評価
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レオンとラウの立場が逆転したかのようなキャスティングが心憎い!
香港ノワールの傑作「インファナル・アフェア」(2002)、続くシリーズ「インファナル・アフェアII 無間序曲」、(2003)「インファナル・アフェアIII 終極無間」(同)以来20年ぶりにトニー・レオンとアンディ・ラウが共演したというだけでも映画ファンにとっては胸アツな作品ですが、2020年代に入り、香港映画が新たな潮流に入ったことを証明するような象徴的な一本でもあります。
1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描く金融エンタテインメント。「インファナル・アフェア」では警察官役がレオン、マフィア役がラウでしたが、本作では詐欺師役をレオン、捜査官役をラウが演じており、立場が逆転したかのようなキャスティングが心憎いです。
社会の必要悪とは何なのか。はじめは明確に異なる立場であったはずの二人が、やがて正義と悪が曖昧になっていくことで、信じていたものが少しずつ交わっていく。いつしか二人は写し鏡のような関係となり、入れ替わってもおかしくない、一人の人間から分裂したような男の生き様は、「インファナル・アフェア」でも描かれていました。同3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが本作の脚本と監督を手掛けており、未見の方は是非見比べてください。
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