映画ドラえもん のび太の絵世界物語のレビュー・感想・評価
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最初はどうなることかと思ったが
大人目線で見て これは理屈が通らないだろう。と思っていたところもちゃんと伏線として回収されていて安心した。
わさドラが陥りがちな箱庭感も薄く、子供に分かりやすい敵役も居た。
ただ、黒幕の登場までは子供達が暇そうだったな。
とにかくジャイアンとドラえもんがカッコよかったな。
迫力はありましたが、わさドラ黄金期の宝島、南極を越えるものではありませんでした。
後半に出てきたとあるドラえもんも可愛くて私は好きでした。
最後の野比パパがテレビのコメンテーターに対してハッキリ言った台詞は流石元画家志望だなと思った。
少し気になった点は3点かな。
①せっかく全部解決したんだから、マイロが完成させられなかったあの絵の完成形を最後に見せてくれても良かったんじゃない?
②最後のパパのハッキリ言うシーンだけど、あの絵のモデルに気づかなかったのかな? 無理があると思うけど。
③歴史改変の禁止の設定ガバすぎませんかね?
これまでの映画では改変後の証拠が描写されることが無かったので、「かえってくるまえにきっとTPやドラが後始末しているんだろう」で無理くり納得できたのですが、今回はもう言い逃れできないしゃないですか。
全体的に後もう少しでした。でも、十分作品としては素晴らしいと思いますので、シンエイさん、ドラスタッフさんには次回作も期待します。
OPのドラちゃんがかわいかった
ドラえもんの映画見るのは4年半ぶり。最近のやつ見てないけど、ラジオとかで「今年の映画ドラえもんは面白い!」って言ってたから観に行ってみた。
絵の中に入るっていう設定が面白かった!ストーリーは面白かったけど、何となく先の読める展開で驚きとかがなかったので、そこがちと残念やった。あと、適と戦うシーンでドラえもんが色々4次元ポケットから頑張って色んなひみつ道具探して戦ってたけど、もうちょっと適した道具なくない?とか思った。スモールライトでちっさくしたりとか、、、。
冒頭でのび太とドラえもんがミノタウルスから走って逃げているシーンで2人の速さは同じなのに、足の短いドラえもんとのび太の歩く間隔が同じで足を漫画みたいに回転させてなかったのが謎やった。そこもちょっとこだわって欲しかったなぁ。
あと、朝一から見にいったけど周りはちっさい子連れたファミリーばっかりでちょっとだけ恥ずかった。後ろの子がたぶん興奮して何回かめっちゃ前にのめり込んで椅子を叩いてきたけど、大学生が見るもんではないので、なんとも言えない気持ちになった。。。夕方はガラガラっぽかったので、次回ファミリー映画見る時は参考にしよう。シネアドでやってたけど、今年のクレしん映画はインドが舞台っぽくておもろそうやった。
そういえば、こんなに混んでる映画館久しぶりやったなぁ。いつも10人くらいしかおらんのに、、、。公開から約3週間経ってるのにへいじつにも関わらずいっぱい人がいて、ドラえもんの凄さを後から実感。
ドラえもん映画で1番好きかも
妹に誘われて見に行きました。
テーマが「絵」だしオリジナルキャラクターのクレアがかわいいし、ちょっと見たいな〜くらいのノリで見に行きましたが、全然ドラえもん映画を舐めてました。
妹が眼鏡を忘れてしまって貸したので、鮮明には見えなかったのですが、鮮明に見えてたらもっと泣いちゃってたかもしれません😂
タイムリープものが好きなので、ストーリーが綺麗に纏まっていてすごく良かったです。
私も趣味で絵を描くので、「絵は上手く描くんじゃなくて、大好きって気持ちで描くんだよ」というセリフがとても刺さりました。
そのセリフからののび太作のドラえもん、その大好きなへたっぴドラえもんに結果的に助けられるのが、家族愛の繋がりを感じてとても好きです。
ラスボスがめちゃくちゃ強く、湖で倒せるでしょ!と思ったら湖も色を奪って絶望的な状態からの序盤で使った水加工ふりかけで倒すのも面白かったです。
パルの声をあてた方が俳優さん?で声は良いのですが棒読み感がすごく、そこだけ気になってしまいました。
ドラえもんと一緒に「あれでもない、これでもない」と焦ってたのはかわいくて良かったです。
大長編ドラえもんとは「冒険」と「SF」と「友情」である
6年前、『のび太の月面探査記』の脚本を担当した作家・辻村美月氏が、執筆にあたり「藤子先生ならどうするかはわからないが、藤子先生が絶対にしないことはわかる」と語っていたのをおぼえている。
今作の演出・脚本も、そのモットーに基づいて作られたかのように、藤子先生のエッセンスと、藤子先生への尊敬が強く感じられる、素晴らしい作品になっていた。そこかしこで「最高傑作」と評されているのは、決して誇張表現ではない。
藤子・F・不二雄作品らしさというものを、ここ数年の映画ドラには感じないことが多かった。
『STAND BY ME』から始まった“ドラ泣き”という言葉に呪われ続けているかのような、のっぺりした感動要素。メッセージ性を無理やり捻じ込んだせいで、ドラえもんを教育アニメにしようとたくらむ大人の顔がうっすら見えてくる、くどすぎる説教臭さ。物語のつじつまを合わせるためのツールとしか見ていないような、ゲストキャラクターの雑な扱い。
どの作品が、と名指しはしないものの、毎年優秀な興行成績を収めることに胡坐をかき、大長編ドラえもんに大事なものが抜け落ちていることが多かったと感じるのだ。
たしかに、ドラえもんは我々大人のものではない。子どもたちがどんなドラえもんを求めているかが最も大事だ。それでも、我々が子どものころ夢中になったドラえもんには、安い感動も、説教臭さも、雑な演出もなかったはずだ。
自分ものび太たちと一緒に行動しているかのような臨場感と、想像力を掻き立てるような胸躍る大冒険。藤子先生の膨大な知識量と科学的知見から生まれるSF要素。新世界で出会った仲間たちと育む、どんなに凶悪な敵にも負けない強い強い友情。そういったものが大長編ドラえもんには必要だ。
『絵世界物語』には、そのすべてがあった。
企画段階で「ドラえもん愛」と「王道」がテーマに上がっていたという。そのテーマにたがわず、強烈な愛とリスペクトを許容量いっぱいに流し込まれた感覚だ。
2019年『月面探査記』は6週連続興行収入ランキング1位という記録を打ち立てた。監督を務めた八鍬新之介氏の確かな手腕と辻村氏の緻密な脚本により、ドラえもん史に残る名作になったと言えるだろう。
そしてこれを執筆している3月31日現在『絵世界物語』は4週連続1位と好調をキープしている。
私は30日の日曜日に3回目を済ませてきた。大きめのシネコンだが、ほぼ満員の客入りだった。家族連れだけでなく、カップルや老夫婦、ソロ客まで見えた。幅広い年代に愛されてきたドラえもんが、新たな金字塔を打ち立てる日も近そうだ。
手放しに褒める事は出来ないものの良作
ファミリー映画として良作という評価には頷ける、という感じです
最初に指摘しておきたいのは、本作のプロットがいささか小さくまとまってるという点です
良かった点は
・逆算的に配置された伏線が生み出す気持ち良さ
・伏線と同様に「要所で活躍するひみつ道具を事前にチョイ役で登場させる」といった丁寧な布石作り
・説明的な場面でもキャラクターを動かし、子供を飽きさせない工夫(テーブルを滑る蝙蝠など)
・バトルシーンを筆頭に、作画全般の質の高さ。今作のコンセプトを直感的に伝えるオープニングアニメーション
・中世ヨーロッパの忠実な時代考証をエンターテイメントに組み込めている点
・ゲストヒロインをお姫様扱いしないギャグ演出の数々
・「絵は真心」というメッセージを中心にしたのび太の心境変化
微妙な点は
・メインプロットがやや弱い
・演出意図に対して話のスケールか小さい・連続性が弱い
この作品のプロットにおける主要な展開には、①王女との出会い(アートリアの発見)、②ジャイアンとスネ夫の救出、③アート泥棒の発見と逮捕、の3つが存在し、サブ目的として「アートリア・ブルーの発見」が据えられています。しかし王女の帰還は物語の冒頭で自然に解決され、ドラマとしての大きな山場には至りません。後半のクライマックスとなるドラゴンとの戦いは、あくまで泥棒の引き起こした偶発的な災厄の後始末です。物語が進行ポイントは主に②であり、画面の動きやギミックで観客を飽きさせない一方で、全体としてはストーリーの推進力に欠けた印象を受けます。サブプロットのアートリア・ブルーの発見の主体はジャイアン・スネ夫であり、ドラ・のび視点だとあくまで副次的です
(暗黒騎士とドラゴンは、やがて火山灰に埋もれ、歴史から忘却されるアートリアの運命を象徴する存在だと思わます。色と無色の対比など、そこに込められたテーマ性を察する事は出来るのですが、アートリアの運命自体は克服不可能(歴史改変に該当するため)という制約のため、その打倒が大きな達成感に結び付くわけではありません)
アートリアでの冒険も限られた範囲に留まり、作中のささやかな目的設定と演出意図の齟齬を感じます。基本に忠実なシーン配置でファミリー映画としては十分楽しめる一方で、物語全体の構造がもう少し盛り上がる方向であれば、その魅力がより一層引き出されただろうと思いました。ドラ映画の今後に期待しています!
しずかちゃん
ドラえもん映画、クレしん映画並びに子供向け+大人にも響く映画は言葉...
ドラえもん映画、クレしん映画並びに子供向け+大人にも響く映画は言葉のレベルがエグいし、『それ』って思うくらい人生とか思想を鮮明に表していて毎回似たような展開でも冒険心や自由な発想の道具とか見たいなので凄い見入ってしまう。真っ直ぐなメッセージはあったけどジャンル的には今回弱かったからまぁまぁって感じたけどドラえもんもクレしんも正直ハズレがないと思う。メッセージの濃さとかアクションシーンとかドラマ性とか求めていなくてどれくらい見せてくれた世界観が好きかでいうとで付けたレビューで酷なことを書いた覚えがあるけどベノムラストダンスと同じくらい面白い。ドラえもんとかはブランド見たいなもので間違えなく高品質で確かな価値があるしなんか、心の中に大事に残して置きたいような言葉を必ず聞ける。
ここ数年のドラえもん映画で一番の素晴らしい作品
純粋に楽しめる良い作品だと思います。
全体的にテンポも良くダレることなく最後まで楽しい作品になっていました。
寺本監督の過去作「ひみつ道具博物館」のオマージュなのか焼き回しと見られるシーンも多々ありました。あれから12年経ってますので、そこまで気になりませんでした。意図的なのかそうで無いのかは分かりませんが、結果的には「ひみつ道具博物館」の悪い部分を改良し良いところは残したという感じになっていましたね。
寺本作品は寺本さんの中のキャラクター像が確立されており、ストーリーにキャラが付いていくのではなく、キャラがストーリーを作っていけているように感じます。それが他のドラえもんのオリジナル映画作品には出せていない良さであり、監督の作家性であり、唯一無二なところかなと思います。
スケール感に欠けるところはあるのですが、それを補えるくらい良い作品だったと思います。
ドラえもんも絵画
原作のひみつ道具にリスペクトを感じいい意味で涙を誘わず大人にもグッとくる作品でした。
ネタバレを含んでの感想になります。
【物語.伏線について】
のび太パパの残業あくびから始まり。
解説・あらすじの通りでのび太一行が中世のヨーロッパ、作中では13世紀と言っていたので約700年前の絵画に描かれた世界に向かいます。最初はのび太一行が絵の世界に入って別次元の世界を冒険する話だと思っていたのですが、物語が進んでいくうちにドラえもんたちは、絵の中を経由して700年前のヨーロッパにタイムスリップしていたと判明します。
そこから「アートリアブルー」を探す話になるのですが、伏線の印象付けをしっかりして回収して行ったところが良かったです。細かいところですがパルが物陰から見ているシーンでスネ夫とジャイアンが連行される際に手首の時計に話かけるモーションなどを描いたりとさりげない伏線も良かったです。
物語の流れもドラえもんの恒例でもある大団円で敵を制圧するのではなくゲストキャラと、のび太に見せ場を作り敵をやっつけるところも良かったです。(ワンニャン時空伝みたい感じで)
他で伏線がうまいと感じたところは、ドラえもんが『はいりこみライト』の影響を受けた絵について喋るシーンがあり「絵を描いた本人が絵の内容を信じているから絵に力がある」と言っていたのが、イゼールを倒すためにのび太が描いたドラえもんのシーンで説得力が生まれています。
のび太が『ほんものクレヨン』で『水もどしふりかけ』を描けばいいじゃんって思う人いるかもしれないのですが、原作(漫画)では絵の上手さで性能が変わる描写があるので失敗していたと思います。(マイロは、道具を知らないから描けない)
ラストの展開のび太がドラえもんを想う力とマイロの描写力、のび太の狙撃と最大限のパフォーマンスを発揮して突破するところは、気持ち良かったです。
個人的には、別世界の話よりもタイムスリップものドラえもんの方が話の展開が読めなかったり未来人が出た場合のドラえもんの全能館が薄まりハラハラするので中盤からの展開は、いい意味で裏切られました。
ラストの4年間彷徨っていた本物のクレアが戻ってくるのですが、絵のクレアと記憶は連動していない方が良かったと思います。そっち方がみんなの心に一緒に旅した絵のクレアも残ると思います。
それでもラストのお別れシーンなどに時間をかけずスパッと終わらせてのび太パパの言葉で締めたくくったのは、前向きな気持ちで終われて良かったです。作中では、語られていませんがパパは、昔絵描きを目指していたので作品の本質を見抜く力があるんでしょうね。
今回は、既存のひみつ道具が多く感じたので原作のひみつ道具を知っていると
「ん?そこあのひみつ道具で良くね?」って思わずスムーズに見れるのでファンサービスな映画にも感じました。
今回監督が、寺本幸代さんで「2005年映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜」「2013年映画ドラえもんひみつ道具博物館」などの監督も務めており作中でも「チンカラホイ」がありました。ひみつ道具博物館は、今作の映画においてひみつ道具知識の引き出しのになったのかもしれません。
【ひみつ道具等で個人的に印象に残ったもの】
『水加工用ふりかけ』
今回、特典でまんがBOOKを配られたのですが、原作のひみつ道具を知らない人用に登場する道具の回の収録されており手厚いと思いました。毎年こうしてくれたらありがたい。
『水加工用ふりかけ』の回がありオチは、『水もどしふりかけ』で全部水に戻るといった内容を上映前に読んで察しがいい子、予習したドラっ子は、作中で水のお城を作るのを観てどこかでなくなるだろうなって思うんですが、ドラえもんがイゼールに『水もどしふりかけ』ごとやられてしまうので制作陣は、そこからうまくラストに繋げてきたなと感じました。
『ヒラリマント』
すごい使いがってのいい道具なんですが、イゼールのブレスが強すぎて一発で燃えてなくなるのが力の差を表現できていて良かったです。
『ほんやくコンニャク』
同じみの道具なんですがクレアが嫌がることでのび太一向が食べる流れとなり自然な形で冒険する準備になりましたね。
『はいりこみライト』について
原作には存在しないひみつ道具のためオリジナルかと思いきやまんがBOOKに『写真入りこみスコープ』の回があったのでこれを参考したとわかりスッキリしました。
『グッスリまくらロングサイズ』
ソドロ(偽名)がしずかちゃんたちに投げてきた道具、ロングサイズってのがちょっと捻ってクスッとしました。ひみつ道具博物館でもいろんなサイズの道具があったから制作陣がそこらへん遊んでるのかも(ドラえもんズにも『通り抜けフープLLLサイズ』ってのがありましたね...)
『ころばし屋』
10円入れて名前を言うと対象を3回転ばす。
乱射してるころばし屋に笑いました。
『糸なし糸電話、透明マント』
作中で説明がなくパルの尾行で使っていました。『糸なし糸電話』は、寺本監督の「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~」でドラえもんが敵を盗聴する際に使っていました。トランシーバーみたいな役割だかり使い勝手いいんでしょうね準レギュラー化しそうですね。
『スパイ衛生?』
同じくパルの尾行でドラえもんが使用していました。見た目は、タイムパトロールの衛生、ひみつ道具博物館のガードロボ(小型)に似ていますね。
【総評】
クレアの喋り方が可愛かったです。
おしまい
絵は下手でもいいけど、◯◯は下手じゃダメ
最近ドラえもんにハマってきた息子と鑑賞
自分はブリキのラビリンスや夢幻三剣士など、黄金期世代だが、そんな大人も充分に楽しめる良作
映画特別のキャラクターも動機や背景がしっかりしているし、それでいて伏線の回収もきちんとしていて、気がつけば見入ってしまっていた
自分も我が息子も絵を描くのはそんなに得意ではない、けれども「絵は上手ければ良いってものじゃない」というメッセージはとても心に響いた
そして大好きなものを書いてと言われてドラえもんを描いたのび太の心境を思うとグッとくるものがある
人の心を動かし、困難を乗り越えられるのは、人の想いだと教えてくれるそんな素晴らしい映画でした
ただ、パル役の演技は下手くそすぎて、反省して欲しい
絵は下手でもいいけど、声優は下手じゃダメだろと余計な雑念が入った
異世界召喚される話
のび太の描いたドラえもんが可愛すぎる!!!
のび太が自分の絵の中に入って、自分の描いたドラえもんと話すシーンが可愛くて可愛くて……
ドラえもんが「のび!のび!」とニコニコしながら駆け寄ってくるところは別に感動シーンじゃないのに涙が出てきました🥲
本当にドラえもんとのび太の絡みはいくらあってもいいですからね!!!!!
このシーンだけで十分元を取れました!!ストーリーも良くて最高でした
ちゃんと絵もひみつ道具も活かせている
いやこれはよく頑張ったわ。
ウィキッドの初登場一位を阻止しただけある。
結構面白かったひみつ道具博物館の寺本監督だったので期待していたが期待どおりだった。やはりすごい人なんだな。
予告映像でタイムパトロールの存在を隠したのはよくやった。これがあるからドラえもんらしいと感じる。
泥棒のほうも未来から来たやつでひみつ道具を結構使いこなせるというのが新鮮で良かった。まあ絵から出てきたラスボスに石像にされるが。
絵の中に入る、絵の中から出てくる、を両方やり両方のキャラが混在するからややこしいところもあるがまあ些細。
何よりのび太が描いたドラえもんの絵が終盤で役立つという展開がいい。
こういう絵を使ったストーリーパターンは大抵「美しい過去を思い出す」みたいな精神的なものに使われがちだが、今作はきちんと道具として役立っている。
下手なドラえもんは下手なりにポケットから道具を出せてこの下手なタケコプター、下手なラストアイテムで決着をつけるという展開はよく考えたと思う。
ドラえもんとずっと一緒にいるのび太だから「ドラえもんの人となりやひみつ道具に解像度が高い」という理屈もとおる。こういうのはすごく大事。長年続いているシリーズだからできる展開でもある。
ラストアイテム、水もどしふりかけで自分達が作った城を打って大量の水でラスボスにトドメをさす、伏線の回収が見事。こういう「ひみつ道具で楽しい現象を起こしつつそれを後半の展開に伏線として使う」ってかなり難しいと思う。ひみつ道具に関して熟知してるのはもちろん、展開に無理があってもダメだから。
また一つ、ドラえもん映画で名作が誕生してしまいハードルが上がってしまったわけだが製作陣は挑戦し続けて欲しい。
冒頭のミュシャやムンクなど絵画名作の世界にドラえもん達が入りその絵柄になるオープニングが今作ならでは。
ここで広重などの浮世絵に入っているのを観て「そう言えば大長編で日本の時代劇っぽい世界ってまだあんまり行ってないな」と思ったので、今後は平安や江戸みたいな世界にも行ってほしい。意外とまだ行ける場所あるな。
今と昔の良いところ掛け合わせ。
映画を観た感想
今作、久々に映画館で観たドラえもん映画でしたが、流石45周年の記念年に制作された映画だなと思いました。
正直見る前は、「まーたオリジナルかよ(オリジナルがダメという訳ではなく、リメイクが観たかったなという欲からです)」、「今作は絵!?何じゃそりゃ!?」、「何かちんちくりんな子(クレア)やな〜」と思い、今作を観終わった後に振り返ると本当何て事を思っていたんだと恥ずかしい限りです。それほど今作は素晴らしい映画でした。
今作のテーマが『絵』という事もあり案の定、のび太の描いた絵が周囲からいじられまくるのですが、その絵と偶然の出来事が巡り会い、ストーリーが展開していきます。
途中、パル役の鈴鹿央士さんの棒読み台詞や、藤本美貴(ミキティー!!)さんが演じるアートリア王妃が急に出てこなくなったり、最後のシーンで「何故その記憶が?!」、「あのコウモリ(チャイ)は?!」など、若干「おや?」って思う所はありますが、それでもこの映画は総じて素晴らしく、甚く感動する映画です。
そして、一番最後にのび太のパパであるのび助の発したあの言葉はうるっと、グッときました。映画が終わった後、前の席に座ってた男子学生2人組ものび助の最後の言葉でうるっときた的な事を言っていました。あそこは多分映画を観た人ならうるっと、ないしグッときたかと思います。
後、エンディング曲はあいみょんさんの『スケッチ』で、それに合わせて映画のシーンが映し出されていくのも良かったです。途中、今作の立役者でもある、ある人物の絵が出てきたのは可愛かったです(笑)
映画ってエンディング曲聴かずに退場する人がちらほらいますが、今作ではあいみょんって事もあってか退場する人はいなかったように思います。
そして、映画の最後に来年春公開予定の映画の特報も流れたので、やっぱり最後まで観た方が良いですよ!
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