劇場公開日 2025年2月21日

「今後はどこの国でも同様のことが起こる可能性がある」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今後はどこの国でも同様のことが起こる可能性がある

2025年4月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

Wikipediaでマサーフェル・ヤッタを調べると現地の言葉で「何もない」というのが地名の由来だそうだ。そんな何もない土地でも古くから人が住んで生活している。逆に、軍や入植者は何もない土地に何を期待して追い出そうとするのだろう。と思っていたら、土地目当てではなく、単に生活を破壊するのが目的だったという。ひどい話。

パレスチナ人とイスラエル人、2人ずつの共同監督のドキュメンタリー。家屋をブルドーザで押しつぶすイスラエル軍の軍人たちはサングラスで表情が見えないが、どんな心境だったのだろう。やめてくれと懇願するパレスチナ人をカメラの前でも平気で銃で撃つのも衝撃だ。理解できない。撮る方にイスラエル人が入っているのなら、軍側のコメントも欲しかった。

しかし、どんな事情があろうとも、子供たちの眼前で小学校の建物を破壊する道理はないだろう。

追い出された住民たちはどこへ行くのだろう。都市部へ移住させ、今度はその都市丸ごと別の理由をつけて爆撃するつもりでは、とガザの惨状を見て考えてしまう。

jfs2019