「こんな現実があるなんて」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない かやはさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな現実があるなんて
日本人でパレスチナの現状を積極的に学ぼうとしない人にとっては
パレスチナで起きていることはイスラム国やアルカイダのように、テロとの戦いだと思ってしまうかもしれない。
だが、それは違う。
これはイスラエルという国家による、パレスチナ市民への侵略なのだ。
入植者のにやにや笑いには本当に背筋が凍る思いだ。
自分の立場が上だと感じると、人はこんなにも残酷になれる。
昔から暮らしていた場所で、勝手に法律が作られ、家や小学校が破壊される。
そんな不正義が現実にあるなんて、とても信じたくない。
遥か遠くに住んでいる私たちでさえそう思うのに、当事者たちの絶望感はどれだけ深いのか。
それこそがイスラエル政府の狙うところなのだろう。
だが、重要なことは、私たちが唱えなければならないのは反ユダヤ主義ではなく、
反イスラエルであるということである。
監督の一人はユダヤ人であり、イスラエル政府の不正義に反対を表明しているのだ。
森を見て木を見た気になってはいけない。
再現映像なのか実際の映像なのか判断が難しい部分がある。
正直、淡々と進むので集中できない場面もあった。
自分の甘っちょろさを恥じ入るばかりである。
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