「目にも心にもやさしい映画」お坊さまと鉄砲 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
目にも心にもやさしい映画
黄金色の麦畑ではじまり、ピンク色の蕎麦畑で終わる、目にも心にもやさしい映画。
「お坊さまが、何故鉄砲を?」という問いに最後まで惹きつけられ、その理由がわかった時に、何とも言えない世界観の広がりと感動を覚えた。
脚本のスマートさと共に、構図や色の美しさを大切にしたカメラワークも好き。
考えさせられたことを一つ。
近代化や民主化といった世界共通の価値観と、仏教を根底においたブータンならではの伝統文化の対比が描かれたことで、自分が間違いなく正しいと思っていることは、本当の意味で、端から端まで正しいことなのだろうかということ。
「民主化」も、選挙の意味も、近代化も、情報機器等をはじめとしたテクノロジーも…。
鉄砲の代わりが、「鉄砲」だったところは爆笑でした。
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sow_miyaさんのコメント
2025年1月14日
全く本作とは関係ないが、「アメリカンフィクション」というAmazonで配信されている映画があって、その主人公のファーストネームはセロニアスという。そのセロニアスは、家族にも友人たちにも「モンク」と呼ばれている。もちろん、ジャズピアニストのセロニアス・モンクからとってそう呼ばれているのだろうが、家族にも、ファーストネームではなく、他人のファミリーネームで呼ばれていることに、ちょっとした違和感を持っていた。
それが、本作「お坊さまと鉄砲」の原題に「Monk」の文字が入っているのをみて、「あぁ、僧侶っていう意味で愛称呼びしていたと考えればいいのか」と、目から鱗だった。
意外な所から、疑問の答えって見つかるものですな…。