「蒐集家と男根」お坊さまと鉄砲 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
蒐集家と男根
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銃を求めるタシとロンの2組と、それと並行して選挙委員会の活動や国民の反応を見せていく。
ニアミスやら逆値切り交渉などは面白かった。
ただ、物語としての起伏には乏しく、よく言えば穏やかだが眠くもなる。
ハッキリ言って銃の活用法に意外性はないし、二丁であった理由も不明だ。
「満月までに」という台詞も意味深にするためだけで、普通に「模擬選挙までに」って言えよ、と思う。
そして、俗に塗れた人間としてはロンがひたすら不憫。
ブータンの法には触れてたのかもしれないが、彼はただのコレクターで悪人とまでは言えない。
その彼が、ひたすらに裏切られ、振り回され、散財させられ、男根を得る話とも言える。
口約束とはいえ即刻反故にする銃の持ち主に、必要な理由も知らずに007にかぶれてAK-47を選ぶタシ…
勿論コメディなのだろうが、気持ちよくは笑えなかった。
支援する候補による軋轢を大人と子供の両方で見せてくるけど、主張も人柄も知らないのでよく分からず。
(どっちも物で釣ってる感じでロクでもない?)
模擬選挙の練習では「憎め、見下せ」なんてとんでもない指導が行われてもいる。
民主主義に移行する土台はまったく出来ていなさそう。
最も大事なことを目に見える形で示すという行為自体は素晴らしいと思う。
しかし、田舎の村でやってどれだけ効果があるかは疑問。
個人的には、51歳の若さで主権を手放す決断をした王の方に興味を惹かれてしまった。
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