「「映画という小舟に乗った猫」」Flow ひなさんの映画レビュー(感想・評価)
「映画という小舟に乗った猫」
【10月18日追記】
ラトビアを含むバルト三国は、ロシア帝国・ソ連・ナチスドイツ・再びソ連に占領された歴史を持つ国。ソ連時代のIT特区で、マイナンバーカード先進国。
国土が他国に侵略された場合を想定して、国民のビッグデータを複数の第三国に保管、国民全員が他国に避難しても国家を維持できることを目的にしている─
日本のマイナンバーカード導入時に聞いた話を、ふと思い出しました。
✎____________
今年の東京の夏日は今日で146日。
1年の約半分が“夏”になってしまいました。
恐竜が氷河期で絶滅したように、ミサイルやウィルスの脅威より、人類は気温上昇が原因で滅ぶんじゃないかと地球の心配をしつつ…
ラトビアのアートアニメーション『Flow』は、同じく言葉の無い映画『ロボット・ドリームズ』のパブロ・ベルヘル監督が、「美しく、感動的で、奥深い」と大絶賛していたことで知りました。
『ロボット・ドリームズ』は2024年のアカデミー賞にノミネート、『Flow』は翌年2025年のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。
今年の春『ロボット・ドリームズ』に続いて、『Flow』を鑑賞しました。
公私共に多忙で睡眠負債の春、美しい映像に癒やされて、スヤスヤと眠ってしまいました。
配信でもう一度観ようとしたら、昨日から地元の「ねこ祭り」の猫映画特集で日替り上映が始まりました。
「多分クリエイターなら皆
ずっとこういう作品を作りたかったと思います。
少なくとも僕は思っていました。
言葉が少なく、でも物語はちゃんとあるものに憧れがありましたが
『Flow』はその100点みたいな映画でした。」
─藤本タツキ(漫画家)
「映画は、観る人を乗せる小舟だ。
猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある。
それが、愛らしい動物達の姿で描かれるから、人間は未熟でか弱く健気で、
そして、大きな流れの中で色鮮やかに生かされていることに気づかされるのだ。」
─押山清高(アニメーション監督)
「物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、
命のきらめきと尊厳を見る。
その瞳に込められた音なき言葉を、
息を殺して聴け。」
─細田守(アニメーション映画監督)
予告編の映像に流れるクリエイターのコメントを目にして、もう自分のレビューに書く文章が見つからず…
『秒速5センチメートル』のレビューに、「感性で受け止めるべき映画」というコメントをいただきました。
感性で摂取した栄養素から、感性で映画を語れるようになりたいと思いました。
東京はようやく明日から“公式に秋”になります。
「ニューヨークに公式に秋が来た」という、ある作品の台詞を知っている方がいたらうれしいです。
✎____________
4月15日・10月18日映画館で鑑賞
※10月18日吉祥寺ねこ祭り猫映画特集上映
4月15日★★★★★評価
10月18日レビュー投稿
10月18日レビュー追記
コメントありがとうございました。
劇場公開から早や半年以上、時が経つのは早いものです。
「ロボット・ドリームズ」同様、セリフのない外国アニメでしたが、普段字幕を読むのに忙しくて映像に眼が行かなくなりがちな外国映画に比べると、映像を存分に楽しめたように思いました。
そうそう、今思い出したのは雑誌「POPEYE」の「Back to school」特集です。秋になったんだからピシッとした格好して(公式のアイヴィスタイルで)学校に行こうよ、という話でして、当時の学生(45年前のわたし)は今ごろにはいそいそと服屋に向かったのでした。すいません、全然関係ないたわごとで。
コメントありがとうございます。
「ニューヨークに公式の秋がきた」わかりません。というよりも頭の中でぐるぐるするのは「オータム・イン・ニューヨーク」でして、でもあれはちょっとどうかな、という作品だった記憶があります。
おはようございます。
共感ありがとうございます。
わたしも好きな作品です。
クロ猫が弱々しくも洪水に見舞われ
仲間と小舟にのって苦難を乗り越え逞しく成長していく姿に感動しました。
"感性"ってなかなか難しいですね。
なるべくフラットな心の状態で
見たいと思ってますが。
★5を付ける作品は少ないです。
ひなさん、コメントありがとうございます。・_・
>ミサイルやウィルスの脅威より、人類は気温上昇が原因で滅ぶんじゃないかと
真夏日の次の日には20℃を下回っていたりと、この所の温度変化も
急なことが多く、体がついていかなくて大変です。
ひなさんもご自愛ください。
※東北や北海道ではクマが怖いです…。(一仙台市民より@-@;;)
コメントありがとうございます。
全国民脱出を想定している国・・日本沈没が出た国との温度差を感じてしまいますね。
今作の洪水惑星の人類は何処へ行ったんでしょう?動物たちを見捨てて、大気圏外の宇宙船に選民だけ避難しているイメージが湧きます。
ひなさん、コメントどうもありがとうございます。
災害なのか人災なのか判明しませんが、生命の危機を感じる怖いアニメでした。動物が協力しあうような場面もあり、希望を感じる素敵な側面もあります。
自宅鑑賞でしたが、ホームシアター(130インチスクリーン)で観たので臨場感があり迫力満点でした。
この作品について追及すると、とてつもない大きな陰謀に辿り着く予感がします。
共感ありがとうございます。
個人的には、一時ブームになったカモメのジョナサンの再来か!と思いました。動物主人公だと、生きるの大変、当たり前と敬虔な気持ちになりますね。