「十分な余白を考える自由」Flow La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
十分な余白を考える自由
海面上昇、或いは何らかの洪水により水浸しになった世界で、流れ着いたボートに数種の動物が乗り合わせて生き抜く物語です。言葉の台詞は一切なく、動物たちはそれぞれの鳴き声を発するだけです。
まず、当たり前の事ですが、動物は人間の言葉を喋らないと言う事が、ディズニー・アニメに慣らされた頭にはこんなに新鮮に響くとは思いませんでした。また、監督の前作”Away”同様に、何らの説明も加えず余白を十分に生かした物語は観る者に様々な自由を与えてくれます。この水浸しの世界は何なのか、一体人類はどうなってしまったのか、このボートは何の象徴なのか、解釈は全て鑑賞者に委ねらるのでした。また、本作でも前作同様に、水を描く事への監督の拘りが深く伝わります。世界のアニメは確実に進歩しています。一方僕は、日本のアニメを年々観なくなっています。
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