「圧巻の映像表現」Flow Alejandro Gillickさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻の映像表現
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映像表現がとてつもない。多用される長回しや、猫と同じ低い視点でのカメラワーク、あえて加えられている手ブレによって臨場感が醸し出されている。水の表現もすごく巧みで、波打つときの光の屈折がすごくリアル。
世界観は思っていたよりファンタジー色が強かった。洪水の規模も半端じゃないし、鯨のような架空の生き物も登場して驚いた。特にヘビクイワシが謎の光に消えていくシーンが印象的。
主人公の黒猫が、大きな猫の像の上から水没した森を見渡し、そこで謎の巨大な生き物の神々しい姿を目にするまでのシークエンスが凄まじくて鳥肌が立った。
動物たちの知能もかなり高く、言葉はなくても感情が分かりやすく読み取れる表現になっていた。この点に関しては、自然の摂理をありのままに描くことを期待していた身としては少し肩透かしを食らった気分だが、捕食者-被食者の関係にある種の動物は登場しなかったので納得はできた。
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