「ドキュメンタリーだけどやはり映画作品」どうすればよかったか? misakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーだけどやはり映画作品
冒頭、映像はなく母親が声を荒げているシーンから始まる。この調子でずっと続くのか…しんどいな…と思っていたが、本編では概ねお姉さん以外、冷静で普通の人達という印象をうけた。
そこに監督の意図を感じた。
この映画は、もし身近な人間が統合失調症になったらあなたはどうしますか?と問われている映画だと思った。監督としては、家族を曝け出してどうすればよかったか?という答えを観客に求めているのかな。
病気でおかしくなる娘を医者に診せず、しまいには南京錠をかけ部屋からも家からも出られないようにしてしまう。正直普通ではないけど、映画ではそこまで異常に感じなかった。なぜか?父母の異常さがメインではなく、統合失調症というお姉さんの症状を観客に映し出すことを主としているからだと感じた。
25年という長い年月の中で、父母や監督自信も、冒頭の母親のように声を荒げ、精神的に追い詰められおかしくなった日があったと思う。
それこそビデオカメラを回して、誰かに見られているという意識をもっていないと、あの様に冷静に話しをすることは出来ないだろう。
もし私の親がそうだったなら、自分もブチ切れて話し合いなんてできないだろうし。。
カメラを回していつか映画にするかもという意識を持つことで、平静を保っていたのではないかな。
統合失調症という症状と長い年月、当人も周りも苦しんでいたが、合う薬が見つかればたった3ヶ月で普通を取り戻せるという事実だけが重く残る。
お姉さんの人生を救えなかった、父母の人生もそうだ…。監督の後悔が滲んでいる。
もしあなたの身近な人間が精神的な病気になってしまったらどうしますか?
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