劇場公開日 2025年3月20日

「CGの失敗例がまた一つ・・・」白雪姫 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0CGの失敗例がまた一つ・・・

2025年3月21日
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ラテン系の女優が白雪姫を演じることについては、特に異論はないのだが、「7人のこびと」をあからさまなCGキャラクターにしたことについては、違和感しか覚えなかった。
おそらく、このCGには、多くの費用が掛けられているのだろうし、確かにその「出来」も良いのだが、生身の人間と同一の画面に映し出された時のミスマッチ感が甚だしく、表情などが精巧に作り込まれている分、「不気味の谷」のような気持ち悪さも感じてしまった。
違和感のない小人の描写に関しては、「ロード・オブ・ザ・リング」のホビットや、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のウンパルンパのような成功例があるのだから、それにならえば良かったと思うのだが、アニメ版の「再現」を狙った結果なのか、フルCGという選択は、明らかに失敗だったと思わざるを得ない。
アニメ版の「再現」と言えば、白雪姫のコスチュームも同様で、どんなに森の中でドロドロになって動き回っても、いつも洗濯したてのような小綺麗さと清潔感を保っているところには、やはり違和感を覚えざるを得なかった。
別に、「おとぎ話」に過度なリアリティを求めるつもりはないのだが、実写にする以上は、最低限の「現実感」があって然るべきだろう。
実写化された「おとぎ話」としては、ラストにスペクタクルな見せ場が用意されていないのも、物足りないとしか言いようがない。
白雪姫が、継母に打ち勝つ手段として、村人の一人ひとりに、過去の「善い行い」を思い出させるのは良いとしても、だったら、冒頭で、そのための伏線となる描写をきちんと用意しておくべきだったとも思う。
こんな中途半端な実写版を作るくらいなら、いっそのこと、ロバート・ゼメキスの「ポーラー・エクスプレス」や「ベオウルフ」のような、フルCGアニメにした方が良かったのではないかと思ってしまった。

tomato