「この映画そのものがアートじゃない?」海辺へ行く道 山田良雄さんの映画レビュー(感想・評価)
この映画そのものがアートじゃない?
コロナが終わり、アートで観光客を呼び込もうとするある島。
のびのびとした環境で地元の中学の美術部の子供たちは
「アートは誰の為にやっているわけではない。やりたいからやってるだけ」
と、純粋な気持ちで作品作りをしている。
一方、大人たちは醜い。
芸術家に貸した借金の取立て屋、妻にDVをしている夫、実践販売ですぐに切れなくなる包丁を売りつける詐欺師、新聞部の生徒が偶然撮影した福祉施設のパワハラ動画を取り上げてしまう先生。
借金取りから逃げ身を隠してる芸術家。
しかし そんな事を気にするまでもなく、子供たちは作品を自由に作り続ける。映画でも大人たちには批判も擁護もない。
ただ誰かが未熟でも、それを受け入れようとする気持ちが大切だ。
何かをしようとする人に批判をしたり、こうあるべきだと指摘するほど愚かな事はない。
人間はみんな「自称アーティスト」なのだ。
とても人間臭い。
魅力的な島でした。
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