秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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宇宙に一つだけ持ってく言葉は
人が出会う確率は0.003%
桜が落ちるスピードは秒速5センチメートル
ここで生まれた言葉たちだったんだね
原作をあまり知らずに鑑賞したけど、むしろ知らない方が良かったのでは?と思ってすらいる
なんというか、平成の恋愛映画 感がとても良かった。
感情の描写や各シーンの切り取りが丁寧で
見ていて心が洗われていき、見終わった後のどこか辛くもスッとした良いものを見れた感覚がじんわり。
ちょっとスケールとかテーマは全然違うけど、セカチューとか今会いにゆきますとかみたいな良さがあったな〜と。
令和の時代に平成の恋愛映画をつくると、ここまで良いのか、、と
幼少期や青春時代の青い心情を移すかのような豊かな自然の描写の数々や、今では懐かしいと思える平成時代を象徴するガラケーや有線イヤホンとかの描写、それらを絶妙な淡いフィルムで撮れる映像がとても良いな〜
そこに、誰もが自然で等身大で誰も背伸びも萎縮もしていないキャスティングがとてもマッチしてた。見ていてとても心地よかった。
汚い部分を全く見せてないから清々しいよね。
例えば普通だったら家族とか出てきそうだけど、この話には家族は描写として出てこない。あくまで当人たちだけの物語。だからこそ、ここまで余計なものを排除して素直で分かりやすく伝わるし、見てる方も気持ち良いんだと思う。
って一緒に見た連れが漏らしてた。たしかにすごく共感。
映像美?とミスキャスト
原作未鑑賞です。
新海誠監督という人は、実写でも映像化可能な題材をわざわざアニメにする人という印象で
これまであまり見ようと思わなかったが、実写化されたので見る気になったわけです。
冒頭のロゴに「フジテレビ」の文字。
ああ、しばらくしたらこの映画土曜の夜8時ごろTVで放映されるな、わざわざ来て失敗した、と思った。
そんな始まりだったが、
物語としては全体的に予想を外された感があって、予定調和ではなくて好み。
ただストーリー詳細については、ここでは触れない。
映像は街と自然とキャラのコントラストが美しく印象的。
ただ、俳優が演技する場面はアップ・バストショット中心で背景蔑ろのワンパターン。
いつもの邦画のお約束が抜けていない。
自然は美しく撮れていると思うが、カメラの性能なのか方針なのか、風景が滲んだ感じで常に光量不足なのが実に残念だった。
自然にフォーカスを当てた引きショットでの演技シーンがもっとあってもよかった。(種子島の歩いて帰るくだりは特に)
あと、欲を言えばシネスコサイズがよかった。(TV放映前提だから16:9)
また、おそらく全体の演技プランとして「自然体」があるんだろう。
主人公はじめ脇を固めるキャラは「演技くさい演技」をせず実に自然にうまく日常を表現していた。
題材によく合っているし、作品全体で一貫していてとても良い。
ここで吉岡秀隆だけいつもの演技。どこか(マイゴジ?)で見た演技。これはミスキャスト1。
あと、少年時代の明里役の子と高畑充希は全然雰囲気が違う。どうにも繋がらない。
これはミスキャスト2。
誰が適当か思い浮かばないが、もうちょい弾んだ笑い方ができる俳優の方がよかった。
(高校生の主人公役の俳優は顔は全然違う系統だが、雰囲気は同じものを纏っていたのでいいと思った。)
全体としては良い印象だが、映像の物足りなさとミスキャストが実に残念だ。
思い出ではなく、日常
予想以上に素晴らしくて、涙があふれてしまった。
貴樹と明里が出会えそうで出会えない。絶妙なすれ違いのまま、気持ちを素直に言えないまま、二人の心の距離はどんどん離れていく。
そして、実写版のキーパーソンとなる澄田花苗の姉と小川館長が登場することで、ただ切ないだけでなく、人と人が出会うことの尊さや思いを伝えることの大切さといった、アニメ版よりもメッセージ性を感じる作品になっていた。
恋愛という枠を超えて、人生における出会いと別れに焦点を当てていたのはとても良かったし、若い人だけではなく、年齢を重ねた大人にこそ観て欲しい作品になっていると思う。
また、小川館長と貴樹がプラネタリウムで話す場面が一番印象的で、松村北斗君の演技の素晴らしさにグッと心を揺さぶられるシーンでもあった。
フィルムで撮ったのかと思わせるノスタルジックな演出など、素晴らしい点はたくさんあるが、観終わった後の余韻が凄まじく、観て良かったと心から思った映画でした。
松村北斗で間違いない
重力に囚われた男、いとも簡単にふりほどく女
「ボイジャー1号」は「パイオニア10号」と正反対の軌道を進み
「ボイジャー2号」は冥王星まで「パイオニア11号」と近似の軌道を進む。
元々は同日に打ち上げられるハズの両号も、「1号」のシステムの不具合で
十六日差の発射になったと聞く。
いずれにしろ二つの惑星探査機は、その軌道を交えることはなく、
離れ離れに永遠の宇宙の旅を今でも続けている。
『新海誠』の原作アニメは63分の小品。
それを倍の121分尺を使い、
エピソードを膨らませ人物像を掘り下げ、
新たな物語として提示している。
彼の作品に繰り返し使われる「宇宙」のモチーフをより深化させ練り上げた、
脚本の『鈴木史子』の手練に驚嘆する。
東京の会社でSEとして働く『貴樹(松村北斗)』は、
人付き合いを意図的に避けているように見える。
彼には数年来付き合う恋人『理沙(木竜麻生)』がいるが、
彼女とも心の底から触れ合ってはいない。
それは、小学五年の頃に知り合い、
肝胆相照らす間柄になった『明里(高畑充希)』と
引っ越しのために疎遠になったことを
十数年経った今でも引きずっているから。
幼い二人のふれ合いは微笑ましいと共に、
「ああ自分にもこんな幼少期があったらなぁ」との描写がてんこ盛り。
とりわけ、小惑星が地球に衝突する可能性のある2009年3月26日に
桜の木の下で再び会おうとの約束が結ばれる経緯には、
胸を鷲掴みにされる。
そして約束の当日、二人は邂逅できるのかが、
甘酸っぱいサスペンスとして観客に提示される。
いつでも心ここにあらずに見える『貴樹』に
想いを募らせる異性は多く居る。
彼が発するミステリアスでアンニュイな空気は女性を引き寄せるのだが、
本人は彼女等の気持ちを判っていながら、心から寄り添うことは無い。
『明里』との昔の約束を至極便利なエクスキューズに使っている、ある意味
卑怯な人間なのだ。
そんな主人公に、原作者も脚本家も
手痛いしっぺ返しを用意する。
もっともそれは、観る者が望むカタチではないのだが。
アニメ版を観たのは七年ほど前のこと。
〔君の名は。〕公開後の監督特集だが、
同作と前四作との違いに驚いた記憶。
すれ違いや、
けして成就することはない、
しかし最後に微かな希望がちら見えする男女間のぐじぐじとした恋愛を
描き続けて来た『新海誠』の驚くほどの変容。
個人的には昔の作風により共感する。
今回、原石が新たに磨き出され、
彼が繰り返し取り上げる「喪失感」とのモチーフが
より鮮明になった。
リメイクはかくあるべしとの、
見本のような一本。
もしかして、成就するのかと思ってしまった。
美しい映像美、ノスタルジーの温かさ
2007年、そう、18年前、あまりアニメの意味を理解できなかった当時の私。それでもどうにかアウトラインは追えた。
実写化して、話しの心情が補充された。
こういう意味であったのかと染みた。自分が変わったのか、作品が清浄されたのかは不明(笑)。なので、昔、観た方々におすすめ。女性は現実を男性は過去のやり直しに執着。可哀想なのは男性と思ってしまう。でももっとも失い続けることもあった。子役たちの演技が素晴らしかった。
森七菜だと最初わからなかった。新人の子だと思った。泣きの演技はさすが。
自分の過去のなんか、温かいものが引き出された感じで、感涙。あー、映画館で観て良かった。松村北斗さんはファースト・キスからなんかいい俳優さんだと思った。こちらの演技もよかった。
スクリーンが美しい
奥山由之監督は少しだけ知っていた、俺の推し広瀬すずの写真集を撮ったカメラマンであり、すずも出演した昨年公開の小作“アット・ザ・ベンチ”の監督でもあった。
それがあったので、「なんでわざわざアニメを実写化?」と思いつつ、奥山由之長編デビュー作に興味が有ったのと女性キャストにも惹かれて観賞。
【物語】
遠野貴樹(松村北斗)は東京で働くソフトウエアのプログラマー。会社では人との交流は最小限に黙々と仕事をこなしている。社内に交際している女性がいるにはいたが、彼女との関係も「これ以上前に進めない」でいる貴樹だった。ついに、自分の気持ちに限界を感じた貴樹は会社を辞め、元上司の伝手で都内のプラネタリウムのソフト改修の仕事受ける。科学館で目にしたもので、高校そして小学校時代の出来事に思いを馳せる。
【感想】
予告編を観ると、原作のアニメ版を忠実になぞった作品を想像させるが、観てみるとそうではなかった。エッセンスやアニメ版で印象的だったシーンは再現されているが、作品構成(時系列)は並べ替えられているし、内容もかなり肉付けされている。確認するとアニメは63分、今作は121分なので肉付けは必然か。当然肉付け部分には監督の原作の解釈が加わることになる。
この肉付け部分の賛否が、評価の分かれ目になるかと思う。
結末の部分はその肉付けがかなり強く出ているのだが、俺的には「これはちょっとはっきり描きすぎか?」と思った。アニメは作品の主題的部分や筋書き、主人公達のその後についても、ぼんやりと描かれていて、そのあたりはあえて観客の感受性に委ねる作品になっていると思う。 もやっとするところでもあるが、それが観客それぞれが「余韻を含めて楽しめる」的な良さになっていると思う。それが本作では、もう少しはっきりした“会話”になっている。
俺的にはあのシーンは無くすか、あるいはもう少しさらりと描いて欲しかった。俺はあそこで「物語の世界から現実に引き戻された」感じになってしまった。
ただそこまでは、凄く良いと思っていた。
まず、とにかく映像が美しい。新海アニメは絵として美しいところが好きだが、本作も勝るとも劣らないものがあった。さすが写真家、絵的センスが素晴らしいと思って観ていた。
女優陣にも惹かれた。
高校時代の女友達を森七菜が演じているが、現在24歳、昨年撮影だったとしても23歳、しかし、女子高生に全然違和感が無い。少女らしい瑞々しさ、純粋さ、もどかしさが感じられて凄く良かった。
そして本作の一番の肝は12~13歳パートだと思っているのだが、その時代の明里を演じた白山乃愛の可憐さにちょっと感動すら覚えた。初めて観たわけではない、東宝シンデレラのグランプリであることも知っていたが、今作で初めて凄いと思った、オーディション審査員の目は確かだったと思う。いずれ、浜辺美波、長澤まさみ級、あるいはそれ以上のスター女優になると確信。次回作は何だろうと思わず調べてしまった。
次回作がとても楽しみ。
ということで、基本的には凄く良かったのだが、それだけに結末のシーンだけが俺的にはちょっと残念。
実写版ではない。18年経って完全にアップデートされていた。
映画が終わった後もボーッとしてた。
ちょうど自分が貴樹と近い年齢ということもあり、
私自身も子供の頃に思い描いていたちゃんとした大人ではなく、理想の30歳には程遠い。
そんな感情が貴樹と完全にリンクした。
彼は決して過去の恋愛を引きずっているとか、そんな安い感情ではなく、自分という中身を桜の下に忘れてきてしまった。
明里はしっかりと前に進んでいる中、そんな自分に劣等感を感じていたのだろう。
約束の日に桜の下へ行き、明里が来なかったことが、彼が前に進むきっかけになったことが良かったし、実写で追加されて本当に良かった。
本当に強いて言えば、これは尺的にも原作の都合等もあって仕方ないと思うけど、30歳の貴樹がどう作られてきたのか、高校生以降の話を見たかったなと思い、4.5点とさせてもらいます。
実写版というには失礼かと思うくらい素敵な映画でした。2回目行きます。
実写向きだなぁ
2025年劇場鑑賞282本目。
エンドロール後映像無し。
この前のリバイバル上映の時にアニメ版鑑賞。
まぁスッキリする話ではないので、実写版でそこのラスト変わってれば嬉しいなぁと期待はしたのですが、さぁどうでしょうか。
そんなに記憶力がいい方ではないので、あれ?ここの時って告白とかしてないんだっけ?とか社会人パートこんなに長かったっけ?と思いながら見ることに。
後この映画の最大の改変が、主題歌が山崎まさよしから米津玄師(新海誠原作なのでRADWIMPSだと勘違いしてました)に変わった事なので、秒速5センチメートルなんて山崎まさよしのPVみたいなもんだろうに、と思っていましたがちゃんと使われていて安心しました。ただ、この歌をお姉ちゃんが昔観た映画の主題歌だったと紹介されてしまうと、その映画、秒速5センチメートルですよ、というシュールな展開に・・・。
夜の中に浮かぶ雪の桜の木は本当に美しく、実写で見られて良かったと思いました。
期待し過ぎたかもしれない
実写化は不安もありつつ期待が大きかった作品ですが、観終わってみると期待した程ではなく、しかし、観たことを後悔するほど悪くもない、というのが率直な感想です。
アニメ版にオリジナル要素やエピソードを加えて映画の世界観を拡げよう、さらに深掘りしようというという意図はわかるものの、それらがこの映画の深みには繋がっていたとは思えず……。
過剰なオリジナルエピソードの追加と少々説明的な台詞の多さによって、原作の魅力である繊細な余白が消されてしまっていた。
映像は美しかったものの、どこかすべて作り物のようで……。
アニメ版の情景描写を意識したカメラワークや演出をしようという思いは伝わった。しかし、アニメ版の美しさを再現しようとし過ぎて、そこに本当に存在していると思わせるような役者の感情や体温などが消えてしまい、綺麗なアニメーションを観せられているようだった。
主題歌『1991』や挿入歌は良かったものの、挿入歌は山崎まさよしにBUMP、レディオヘッド、ジュディマリなど、少々渋滞気味に感じた。
役者陣はなかなか良く、特に子役2人と森七菜さんの演技はとても良かった。だからこそ、過剰なエピソードの追加や演出などへの不満が残る作品でした。個人的にはサブスクで十分かな……と。
いつも「リア充爆発しろ」と思って生きている人間には地獄の内容
原作アニメは未見。
「子供の頃に好きだった相手のことが忘れられず、大人になって会いに行く」という話で、去年公開の『パスト ライブス 再会』を連想。
「男の方は過去を引きずって恋愛がうまくいかない」ところや「男女で相手への思い入れに差がある」ところも似ている。
『パスト ライブス 再会』は、現実的で大人のビターな展開に胸をグサグサやられながらも、最終的には人間の深淵を描いており、個人的に大傑作の恋愛映画だと思っている。
一方、本作は、岩井俊二映画風の幻想的な映像で純愛を描いているように見えるが、その内容はあまりに都合の良い妄想のように感じられ、違和感を覚えることが多かった。
前半で描かれるのは、主人公・貴樹のモテモテ人生。
小学生(+中学生)、高校生、社会人と3つの時代が描かれるが、貴樹自身は恋愛に積極的ではないにもかかわらず、常に彼に恋をしている女性がいる状況。
社会人になった時の貴樹は、コミュ障で職場で孤立しており、その時点では貴樹に共感。
しかし、実は職場の美人とこっそり付き合っていることがわかり、共感から一転、裏切られた気分になった。
高校生の時、貴樹は煙草を女性教師に見つかっても簡単に見逃してもらっている。
その少し前の場面では、女性教師が校内を歩く貴樹を遠くから眺めるシーンがあるため、「この女性教師、貴樹に恋愛感情があったから、煙草に目を瞑ったのでは?」と思わざるを得なかった。
ちなみに、この女性教師が、自分が内容を覚えていない映画を他人に勧めているのには、一映画ファンとして酷いと思った。
また、社会人になった異性の元生徒と街でばったり出会い、そのまま飲みに行くのも珍しいと感じたが、さらにその飲みの場に、元生徒とは無関係な職場の人間を連れて行こうとするデリカシーのなさも理解不能だった。
そんなわけで、前半はひたすらイケメンのモテモテエピソードを見せられるという拷問。
常日頃から「リア充爆発しろ」と思って生きている人間には地獄のような時間だった。
地球に隕石が衝突するバージョンを希望。
中盤、中学生の貴樹が栃木の明里に会いに行く場面。
幻想的で感動的な場面になっており、劇場からすすり泣く声も聞こえてきた。
しかし、深夜に中学1年生の女子が親の許可を取らずに外出している状況を、親の気持ちを考えると、肯定的に描いていることにモヤモヤした。
本作では、明里が小学校の時に引っ越した後も貴樹と明里は手紙でのやり取りはしており、大人になってそのやり取りがなくなっているということは、どこかのタイミングで途絶えたということになる。
この映画の場合は、明里が貴樹へ手紙を送らなくなったと推測できる。
そのような事態になったら、「相手が自分と距離を取りたがっているから、もう彼女のことは諦めよう」と考えるのが普通だと思うのだが、それを考えず明里に会いに行こうとする貴樹に対して過度な執着心(ストーカー気質)を感じた。
本作の主演は松村北斗で、個人的には『夜明けのすべて』の印象が強い。
どちらの作品も天文学が関わっており、終盤にプラネタリウムが出てくるのも共通している。
偶然ではなく、本作の制作者が『夜明けのすべて』を観て松村北斗の起用を決めたのではないかと勝手に推測。
終盤、今までクールな振る舞いだった貴樹が、職場のプラネタリウムの館長に突然、恋愛トークを始め、号泣しながら想いを吐露。
ここで貴樹が語ることは、自分にはストーカーの言い訳にしか聞こえず、少し気持ち悪さを感じた。
観客はそれまでの貴樹を見てきたから彼の感情の爆発についていけるが、館長は優しく対応はしていたが、内心は精神を病んでいる人にしか見えなかったのではないだろうか。
これはちゃんと秒速5センチメートル!
素晴らしい映画体験
告白できるチャンスは一度だけ
いやあ、良かった。 結構ハードル上げて行ったけど良かった。 思いや...
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