秒速5センチメートルのレビュー・感想・評価
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松村北斗は120点満点。高評価しないといけない作品?
アニメは未見。とにかく長かった。
せめて90分にしよう。内容的にそれで十分。
冒頭から東京の夜景。物憂げな表情。からの美しいピアノの旋律。これが何ターンかある。恐らくエモ演出なのだろうが、わざとらしい。
本当に何も起こらない。子ども、高校生と優しい世界が続くが、退屈。
新海誠が好きな人にはハマるのだろうか?
画面もずっと暗く、辛気臭い。
しかし松村北斗の演技は良かった。
「夜明けのすべて」でも評価されていたとおり。
繊細すぎてコミュ障気味の主人公を見事に演じていた。 横顔も画力あり。
白山乃愛も良かった。子役2人の演技力が本作の肝なので、2人共優しい世界をしっかり構築していた。
桜、海、夕焼け、雪。日本の美しい四季を美しく映像化していた。新海誠らしい空の美しさ。何層にもなった雲の広がる空。
それなのに何でだろう?
山崎まさよしの歌も今じゃないタイミングでかかっていた。米津玄師の主題歌も合っていなかった。
ロマンチックだなあ
アニメの詩情を深化させた、映像美あふれる実写版
実写劇場版『秒速5センチメートル』を観ました。
静かで深く、人生の奥底に触れるような素晴らしい映画でした。
原作アニメを改めて観ましたが、これは“アニメで綴られた文学”というべき作品であり、新海誠の作家性を鮮やかに示していました。実写版はその精神を誠実に受け継ぎながら、誰の心にもある「取り戻せない時間」や「言えなかった思い」をより掘り下げています。
上映時間は倍近くになりましたが、冗長さは感じず、むしろ登場人物の感情がより丁寧に描かれた印象でした。
一方で、アニメ版第二章「アストロナウト」にあたる高校時代のパートは、少し浮いて感じられました。花苗の視点で描かれる片思いの切なさは美しいものの、主人公・貴樹の心情が見えにくく、物語全体の人物像としての一貫性がやや薄まった印象です。また、花苗のその後を恩師との会話の一言で済ませてしまったのは惜しかった。もう少し描かれていれば、より心に響いたと思います。
それでも、アニメ版の詩情を損なわず、実写ならではの映像美と質感で「人が成長しながらも何かを失っていく」切なさを描き出した本作は、誠実で見応えあるリメイクでした。
ラスト、桜の花びらの舞う踏切での貴樹の姿には、過去の痛みを抱えながら前に進もうとする再生の気配があり、静かな感動が残りました。
白山乃愛ちゃん
実写化に真正面から挑み、かろうじての成功例か?
本作は2007年の新海誠監督による同名アニメの実写リメイク。「実写リメイク」と書いて僕は「しっぱいあかじだいばくし」と読む(読む)。カネを払って映画館に足を運ぶ僕(もしかして他の多数含む?)は、製作者側の挑戦者精神に拍手を贈るとともに、どこかで失敗を期待している。僕または僕らの期待は高打率で叶い、ここや他の映画サイトであらん限りの難癖や罵詈雑言を並べる。それでも大概は毎々繰り返される。特にハリウッドでその傾向が顕著だ。よほど今日の映画界はネタがないのだろうなあるじぇねぇかよ「ラストマイル」(2024年)みたいな。
原作の「コア(核)」は、主人公貴樹の途方もなく女々しくなよなよしい陰キャ(誉め言葉である)性にある。身体だけ大人になっても過去に生きる幼児性(誉め言葉?)であり、その成長スピードに桜の花びらが落ちる「秒速5センチ」を当てている。一方女子は相対的に成長が早い。早い上にあっさり。特にヒロインにあっさりさっぱり系の芝居をさせたら当代敵なしの高畑充希。ゆえに客観で「秒速5センチ」とは速いのか遅いのか説明ができない微妙なスピード。それがタイトルではなかったのかな、と個人的に考えている。
新海誠監督の存在を知ったのがアニメ版「秒速」だった。1時間ほどの全体を3部に分け、はじめの2編がすこぶる良い出来で50分以上が経過し、さぁラスト…といったところを、3作目は趣味の悪いプロモーションビデオに落とされたような気がした。いや本当に椅子からコケたんだ。山崎某は嫌いではないんだよ。「映画」としてキッチリとしたオチを描くどころかそれを放棄したように感じたのだ。自身のブログを振り返っても「最初の2本は95点、最後はマイナス95点」と、我ながらエッジの利いた評点を下していたw。ただ、精密を極めるような映像には感銘を受けた(特に小山駅で)。日本のアニメーションは確実に一歩前進したという手ごたえも感じた。じゃ90点くらいにしておけばよかった。今となっては(反省)。
そういう最終的には傑作評価であり、新海誠を半ば神格化させたような映画のリメイクである。しかも実写化。成功させたいならば思い切って雰囲気だけを継承し、時代設定や出演者にセリフまでまるっと変えてしまった方がいいのでは?とも思える。が、実写版「秒速」は真正面から堂々と原作にぶち当たり、核の肉付けに挑んだ。気持ちいいよ。しくじり要素がぶわっと増えるのだが、それすらも楽しもうというわけか。今回も拍手を贈ろう(冗談だよ)。
ここで結論。そう悪い作品とは思えなかった。むしろ水準以上じゃないかと思えた。
まず現在軸となる設定を2008~2009年に持って行った。2025年の現在から見ると実写での「ちょっと昔」は描きにくい。ガラケーといい当時のファッションといい、喫煙者が多いことも街角にまだ公衆電話が多かったことも。美術さん小道具さんはいい仕事をしたと思う。逆にそれより古い時代を描くことは相対的にはハードルが下がる。ここは岩舟駅がちょっとしんどかったくらい。なおCGだとわかってはいるが、桜満開で雪景色といった光景は現実的にはある。相当に珍しいけれど、少なくとも絶対にない話ではない。CGだけど「きれいやわぁ」。
奥山由之監督は長編初監督 どこかでこの絵造りカット割りは見たな…と思ったら岩井俊二に近い。いや現状はまだ彼の劣化版かもしれない。商業映画を数作経験した後でこの作品に巡り合っていればという印象を受けた。脚本の鈴木史子も前作「愛に乱暴」(2024年)と同様イマイチ。いらない無駄な描写が散見される。両人とも「若さ」を武器にするには作品規模とまるで釣り合いが取れていない。が、大きな可能性は秘めていると思う。今後に期待したい。
役者では大人セクションの松村くんはほとんど満点に近い。高畑充希も「国宝」と同様の「結局最後は…」という女性特有の罪のない(感じてもいない)役回りをケロッと演じている。イイねこれ。花マルをあげたいのは明里の幼少自体を演じた白山乃愛ちゃんだ。彼女を見るためだけに映画館に来たと言い切ってもいい。あのシーン(ネタバレ回避)ではちょっと泣きそうになった。「コスモナウト」セクションでの森七菜もまた極めて素敵だ。実年齢24歳の彼女がどう見ても恋愛経験の少ない未成年にしか見えない。原作アニメ同様にその後が一切描かれていない使い捨てキャラではあるのだが、貴樹が中学期から青年期へ移るプロセスを強く印象付けた。ここのところ彼女はよい作品に巡り会えている。本当に良かったと思う。逆に危うかったのは輿水先生を演じた宮崎あおいだが詳論は避ける。
ストーリー的には前述したような「核」をずらすことなく中心円から拡張させた世界観で最後まで寄り切った感がある。新海原作がもたらしたスクリーンから溢れるような高揚感は感じられなかった。オリジナルは超えられなかったにしろ、それでも合格点はあげてもいいのではないかと思われる。
いつの世も子供は親の犠牲になり、いつの世も子供たちは子供たちの恋愛を憶え、いつの世も捨てられるのは常に男。蛇足かもしれないが、貴樹(松村北斗)が最後に水野さん(木竜麻生)とくっつく…的な描写があれば…いや、ここはあれでよかったのかもしれない(どうでしょうかね?)。
ラストシーンは安い。ああなると予感していた(本当に)。踏切カットが重なるのはいかがかと思うが10両編成小田急線の上下かぶりはバチクソに長い。製作者としてはアレで〆たい気持ちはわかる。エンドロールの米津はどうでもいいんだけれど映画で使いすぎちゃいないか心配になる。
以上。称賛とは言えないまでも考えさせられ楽しめる映画だった。サブスク落ちしたらまた見ちゃうんだろうなきっと。
始まりは詩の朗読の様…
映画はまるで詩を朗読しているような素敵な言葉たちで始まった
日常的に見聞きしていたものがこんなにきらめきに満ちていたとは…
物語の全体像は、なんというかこう薄いベールがかかったような、かすみがかったような、そんなイメージ
雪に映る木の黒いかげは切り絵のようで美しかった
ドライで感情が大きく揺れることはなく、生産性がえられない物事は排除して生きる貴樹が、少年時代に失ったピース、「日常」というピースを取り戻したところで映画は終わる
貴樹にとっての日常は「あかり」であった
そのあかりを喪失したことは貴樹少年には酷過ぎることだったし、切実なことだった
期待なんてしないし、好きも嫌いも作らない、そんな大人になってしまったが、プラネタリウムのシーンでは「何気ない会話がしたかった」と貴樹が吐露する
貴樹が失ったピースがゆっくりハマった気がした
幸福感というピース、痛みというピース、不満というピースを…
一方大人になったあかりは「思い出じゃなく日常になっている」と語る
彼女は大人になっていた…貴樹の「日常」を信じて大人になっていたのだ
この対比が秀逸すぎる
また、ふた手に別れて2度と地上には戻らない探索機は貴樹とあかりのようだが、決してバッドエンドではなく、むしろハッピーエンド
秒速5センチメートルについて、何か語りたい何か伝えたい何か書き留めたい!とたくさんの情報が頭の中を駆け巡るのだけど、不思議なもので頭の中は言葉ではなくひらめきのような、心が映像になったようなもので、言葉にする間もなく、瞬く間に消えてしまう
「記憶はないけど匂いとか空気は覚えている」ってやつに似ている
忘れたくないこと、伝えたいことは、自分の中に刻んでおこう
そうしないと人はなにもかも曖昧になってしまういきものなんだと思う
一番印象に残っているシーンは、貴樹が乗った電車に雪が吹き込んできて、咄嗟に電車を飛び出したところ
感情の高ぶりが伝わってきてゾクッと鳥肌が立った
生産性も合理性もないけど「ジンクス」を直感的に信じて行動した貴樹は人間らしかったし、ちょっとだけ光って見えた
あの頃ってとても純粋でストレートで、自分のことも他人のことも、様々な出来事も、飾らない言葉で表現できたはずなのに、なんであんなにも気持ちが届かないことがあったのだろう、なんで諦めて伝えなかったんだろう、なんでなんでと思い返してしまう
人は一生のうち5万のコトバと出会うとあったので、私も忘れないうちに書き留めておこう
『秒速5センチメートル、エモい』
淡くて切ない、そして森七菜に気付かなった。
原作や前情報を知らないで観ました。
(なので作品や俳優のファンの方には、はぁ?という感想だと思いますが、ご容赦ください)
全体が長尺に作られているので、過去と現在、めぐり逢いやすれ違いが丁寧に作られていて、何が結末になるんだろうと気を揉みながら観ました。
種子島の高校生時代の尺も長くて、貴樹のその後に影響があったことはともかくですが、花苗はその後は出てこないんだと思いました。
それはそれとして、それ以前に花苗が髙畑充希さんに似ていたのでの最初は赤里かと思いましたが、まあそれは違うのですが、それが森七菜さんだとはずっと気付きませんでした。
だから余計に花苗(森さん)が後でまた出てくれると良かったと思いました(現在の会話の中では出てきましたが)。
ちなみに舞台挨拶中継付きの回で観ましたが、森さんの現在の姿にもビックリ(「別に・・」の雰囲気があって冷や冷やしました)。
青木柚さんも松村北斗さんの話し方や横顔に似ていた(似せていた)感じでした。
ともかく、淡く、切ない映画でした。
そして多数の方の意見と同様で、撮影が独特で工夫されていて、美しい映像だと思いました。
透明感がすごい
秒速5センチメートル
ものすごく透明感ある作品
風景も出来事も登場人物も
小学生の貴樹と明里も
高校生の貴樹も
高校生の澄田花苗も
先生も
きっとアニメも綺麗なんだろうな
小学生の頃の
貴樹と明里が眩しいほどに純粋で
双子みたいに仲が良い
けど
その想いは深い
森七菜ちゃん演ずる澄田花苗の
だだ漏れなほどの貴樹への想い
すごいな
まさに恋する乙女
どっから見ても好きしかない
痛いほど伝わってくる恋心が切なく
あんな風に演じられるなんてすごいなと思った
高畑充希演じる明里と宮崎あおい演じる先生のやりとりも、何が流れてるんだろうと思えるくらい澄み切った空気感を醸し出す
宮崎あおいさんを久しぶりに見たのだけど
宮崎あおいさん演じる先生が、独特なんだけどふんわり明るい優しさで
貴樹、明里、花苗にとって
月日を経ていい繋ぎとなっていて
肝の役目を果たしていたように思う
大人になった貴樹と明里は
たった一度
すれ違うだけ
思った結末とは違ったのだけれども
それぞれが前に向けて進む
明るいエンディング
何度か目頭が熱くなり
じんわりする作品だった
センス
原作知らない勢には見やすいと思う
原作未視聴・未読勢でも
アニメ履修済。アニメの世界観のまま実写景色の映像美が美しい。北斗さ...
今秋一番の素敵な映画でした
実写を観てから原作を観て、その後原作と実写両方の小説を読みました。
実写映画は「秒速5センチメートル」の実写化として最適解だったと心から言えると思います。原作の風景、空気感、それらを現実に落とし込み、映画として再構築したような印象を受けました。原作の内容と異なる部分、改変、追加されている部分もありましたが、より現実的な…共感度の高い映画にするための改変だと納得できるものでした。
原作映画でのラストシーンはかなり観た人によって意見の異なるものだろうと感じましたが、実写映画は追加されたエピソードによって、ハッピーエンドだと捉える人のほうが多そうだなと個人的には思いました。
貴樹が前に進むプロセスを実写映画は丁寧に描いていたので、原作の補完的な内容にもなっていたと思います。現代の明里の様子、生活が描かれたのも良かったです。登場人物がこの世界に息づいていることを感じさせてくれる実写化で、観終わったあとの余韻がたまらなく美しく感じました。
女の子みんな可愛い
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