劇場公開日 2025年9月19日

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ブラックドッグのレビュー・感想・評価

全55件中、21~40件目を表示

4.0懐かしく切ない

2025年10月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

癒される

北京オリンピックの頃の中国って、あんなに発展途上という感じだったのを忘れてた。

黒い犬の飼い主に対する忠誠心が泣ける。
お互い孤独で周りの群れに馴染めない者同士、寄り添って生きている。お互いが居ればきっと大丈夫。
群れて同調しなくても、しっかりと自分を持って生きていけば必ず分かり合える人は居る。って思わせてくれた。

しかしな、あの羊肉屋の豹変っぷり、お国柄なのかな?どの口がゆーてんの?って思う。

ランが何度も挑戦して失敗するところが、諦めない彼の精神力を示しているのだろうけど、他の方法考えたら?って思った。

全体的に映像の色合いが懐かしくて切なくて、後からじんわりくる映画。

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いちごのチョコレート

2.5時代の流れに翻弄される人々

2025年10月3日
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かなり期待していた内容とは異なったが、それなりの内容
場所は野良犬が増えた中国ゴビ砂漠近隣都市
中国の近代化(北京オリンピック?)に伴い、遊園地併設の動物園や古い集合住宅が壊されていく…
そこで巻き起こる変化をノスタルジックに描いているのだが、今一感が…

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ろくさん

4.0居場所のない時代を生きる現代中国の〝西部劇〟

2025年10月2日
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鑑賞方法:映画館

鮮烈な印象を残す映画だった。
西部劇のような荒々しさと、急速に変貌する現代中国の影の部分が重なり合う。さらに〝時代に取り残された人々〟の生き様を描写して、独特の映像世界を作り上げている。
これほどの力量の監督なのに、これまで名前を知らず、作品も見たことがなかった。
劇場のポスターには前作「エイト・ハンドレッド」が2020年の興行成績世界No.1だと書いてある。前作はコロナ禍でアメリカ映画の上映が軒並み延期された年で、また興収の半分は中国だったという事情もあったようが、何より日中戦争の英雄譚ということで、日本公開が難しかったのだろうか(日本では翌21年に公開されたらしい)。また、その他の過去作も昭和のベストセラー「悪魔の飽食」で紹介された731部隊を想起させる作品など、抗日戦線を題材にした作品もあり、日本に紹介しにくい監督であったのかもしれない。

本作の舞台は2008年。北京オリンピックが世界的に注目を集めた年でもあり、また四川大地震の年でもある。場所は、かつて油田開発で賑わったゴビ砂漠の辺縁の街。油田は掘り尽くしてしまい、多数あるアパートは廃墟となり、かつての住人の労働者たちが置いていった犬が半野生化している。
ドラマチックな設定だが、調べてみると、こういう状況は実際にあったようだ。北京オリンピックもあって、都市開発が一気に進む一方で、こうして取り残されたような地方都市もあった。戸籍制度もあるから、そこに取り残されたように暮らし続けざるを得ない人々もいたのだろう。
この夏見た映画では日本の「夏の砂の上」、アメリカは古い映画だと「ギルバート・グレイブ」「ノマド・ランド」、イギリスの「バード」、中国映画だとジャ・ジャンクー監督「長江哀歌」などで描かれた経済成長の歪みに翻弄される人々の世界的で普遍的な課題を描いた映画でもある。

物語の冒頭は西部劇ようだが中国のゴビ砂漠。どこまでも続く平原を走るバスが突然現れた野生化した犬の群れに驚き転倒する。そしてそのバスで主人公が着いた故郷は廃墟がひしめく滅びゆく街になっていた。
この街の様子に合わせて、映像も退色した古いカラープリントのような色合いである。その中で砂漠性の気候を反映し、空だけはいつも雲ひとつなく鮮やかな濃い青色だ。いつまでも青い自然の鮮やかさと、退色した人間社会のコントラストが見事だ。

この映画にはたくさんの行き場のない人々が出てくる。それはこの映画の重要な要素・捨て犬が象徴するように、発展する社会から取り残され、その発展からは無用とされた人でもある。
まず主人公。かつて賑わった街で人気の歌手だったが10年間服役してさびれ果てた町に帰ってきた。35歳、独身。地元に帰っても一緒に暮らす家族はいない。これからどう生きていくか、何の計画も見通しもない。
母はもともとおらず、父は閉園された動物園に住み着いて、行き場を失った動物たちの面倒を見ている。
ヒロインになるかと思わせる、田舎の街を巡るサーカス団の女は同じサーカスの男と3年付き合っていて35になったが結婚を申し込まれない(男性の側が、かなりのお金や住居を用意する慣習もあるようだから、それが関係しているのかもしれない)。
街を離れた人たちが置いていった犬たちは半分廃墟化した街で群れを成して暮らしている。
その中で、群れと離れて暮らす一頭の黒い犬と主人公は絆を築く。主人公はほとんど喋らない。わかりやすい無口なヒーローでもあるけれど、人生の目標・進むべき道を見失い、混乱し、語るべき言葉を失っていることが、様々な場面で示される。
この主人公の内面は、多くの人が共感するのではないだろうか。日本では、近年単身世帯が最大世帯となったけれど、僕自身、大学で都会に一人移り住み、そこで就職し、家庭を持たず一人暮らしだ。地元に帰っても、居場所とは思えないし、会社を辞めた現在では、都市も別に自分の居場所ではない。
むしろ、地元に帰った主人公の方が恵まれている面もある。かつての知り合いが何かとよくしてくれる。でも、反対に彼を追い続け、暴力の振るう知り合いもいて、地縁社会で生きるのも大変なんである。

その中で、主人公が黒い犬と絆を結ぶのは、孤独の癒やし方としては最高も方法かもしれない。主人と認めた人物と、感情的交流をするように進化したほぼ唯一の動物だからだ。しかも、家族ですら永続的かどうかも危うい現代で、最も安心できる裏切らない相手は犬かもしれない。
このシャープで闘争的な身体を持った犬は、一匹狼に憧れているようだ。その強さを身につけるしかないと本能的に悟っている。これは主人公の写し鏡でもある。これから、どう生きていくのかわからないけれど、とにかく強くなって、日々を一歩一歩前に進む。どちらが正しい方向かはわからないけれど、とにかく少しずつ前に、タフに進むしかないのだ。

映画の説明とポスターから、ジョン・ウィックのようなスーパーヒーローを思い浮かべた。しかしずっと等身大な弱さを漂わせ、同時に強くあろうと何とか自分を律して、自分を保っているような人物造形に惹きつけられた。

ジャンル映画的なエンターテイメントとして鑑賞することもできるけれど、背景に現代を生きる人の苦しさを描いていて、味わい深い作品でもあり、また、遠回しに検閲に引っかからないように、資本主義化しつつある現代中国の歪みを描く映画でもあると思う。
この監督の別の作品も観てみたくなった。

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nonta

4.0砂漠の街で育まれた熱い絆

2025年10月1日
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本作のグァン・フー監督のインタビューによると、主人公ランは失語症という設定で、台詞が極端に少ないのですが、それを補うようなビジュアルが質、量ともに圧倒的にすごいです。
野犬の群れの疾走、車両の横転、砂漠の風塵、日蝕、地震、バイクとサイドカー...

動物園の展望台から見下ろす、遠くに列車が通過していく風景が素晴らしく、緑のない、青黒い画質が静かに心に沁みていきます。

オリンピックに沸き立つ活気と取り残された街の残がい。年老いた父の病床と生命の息吹を感じる仔犬の誕生。この対比、ジャ・ジャンクー監督の映画を彷彿とさせます。実際ジャ監督は、グァン監督の盟友だそうで、本作にも主要な役で出演されています。

証明写真の撮影で、ランは笑ってたしなめられましたが、黒犬はちゃんと神妙に構えてお手本を見せていました(笑)。

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sugar bread

4.5高倉健とか渥美清とか、、、。

2025年10月1日
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大戦時の北アフリカ、ドイツ軍を撮ったカラー写真を見た事がある。Agfaのフィルムだろうか少し褪色し僅かにグリーンが立ち上がる、、、それとそっくりな色合いで中国の辺境ゴビ砂漠近くの寂れた町があらわれた。絵がカッコよく凄いハードボイルドな話かと思うとそうでもなくかなりローカルでのんびりしてる、かえってそれが良かった。
寂れまくった田舎の肉屋と揉めてる務所帰りの男と、オリンピック近いから野犬狩りして近代化じゃ!から逃げた黒犬の友情のはなし。
バイク乗ったロードムービーかとおもたら砂漠荒地、村を行ったり来たりしてるだけだった。
話ちっちゃwww
迫り来るオリンピック近代化に飲み込まれる直前の寂れた街。廃園になった動物園の動物に餌を与えつづける主人公の父とか、、、侘び寂びと田舎のヒューマニズムとちみっとユーモアが埃っぽい風に吹かれて気持ちよかったんだ。

監督ピンクフロイド好きなのね、"マザー"使ってたけど映画にあまり母性つーか女性の存在薄かった気がする。中国映画でよく許可おりたなぁ。

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masayasama

4.5「最高のロードムービー」

2025年9月30日
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知的

今年293本目。

犬と共にそして犬を探すロードムービー。最高でした。また女性が「結婚してくれる?」。男性と女性お酒を飲んであえて答えない所もいい。結婚はできないの意思表示だったと思います。最後で見てるおまえも頑張れよと言われてぐいっと掴まれました。

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ヨッシー

4.0意外と退屈せずに観れました

2025年9月29日
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主人公が殆どセリフを喋らず、亀田興毅がいよいよ中国で俳優業に進出したのか?と思いながら観ていました。動物達が良くトレーニングされており、傷付いた主人公の黒犬を人間の主人公がバイクで運ぶ際、数多くの野犬の中をユックリバイクを押しながら通り過ぎ、それを野犬たちが見守っているかの様なシーンが印象的でした。残念ながら、人間の主人公には感情移入できませんでしたが…

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Cabe

4.0「パルム・ドッグ審査員賞」は納得

2025年9月28日
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いきなり主題歌がピンクフロイド『Hey, You』だったんで、もしかしてこのタイトルはレッド・ツェッペリン?

過去、金を盗んだ男を追って死なせてしまい、傷害致死で服役する羽目になった寡黙な主人公の男・ランは、仮出所で帰郷すると幼馴染の警備員や隣に住む親戚などに歓迎されるが、誰とも馴れ合わず孤独を貫く姿勢を見せる。
同じく群れに馴染まない強い犬と、立ちション位置のマウント合戦から喧嘩になる。
ランが犬に噛まれたことから、狂犬病の疑いが晴れるまで、犬と一緒に隔離されているうちに、なぜかランと犬は大の仲良しに。
以降は、犬と人間のラブラブを見せられます。

最高ー!
と思って油断したところに悲しいことと、素晴らしいことが一緒にやってきます。
「パルム・ドッグ審査員賞」納得です。

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コージィ日本犬

3.0犬も凄いが、虎も凄いし、檻に入れられたウサギも凄い

2025年9月25日
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悲しい

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Dr.Hawk

5.0人生

2025年9月24日
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派手な映像も感動も無いけれど
良い映画だった

街も人も全ては変わって行くし
いろんな出会いや別れもあれば
無くすモノもあるけど
それでも生まれるモノもある

そういう物語だと思った

主人公が殆ど台詞を喋らないのと
全てを説明しないけど
セリフの端々や画面の端々で過去に何があって今がどういう状況なのかが分かる
構成というか演出も良かった

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龍神

5.0ハードボイルドでユーモラス クールでシュールでスタイリッシュ 中国西部の田舎町が舞台のラーメン•ウエスタン??

2025年9月24日
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その昔、『黄色い大地』という中国映画を観て序盤のシーンにびっくりした思い出があります。赤茶けたデコボコの斜面に男が佇んでいるシーンなのですが、その風景がなんだか地球ではない別の惑星のようで、えっ、中国にはこんな場所があるのか、もうこれだけで映画が成り立つじゃんと思ったものです。観た当時は中国映画事情に無知だったのですが、何年か後にこの映画の監督がチェン•カイコー、撮影監督がチャン•イーモウと後に巨匠と呼ばれる人たちだったと知り、へー、なるほどと思いました。

この『ブラックドッグ』の冒頭のシーンは『黄色い大地』ほどの「地球離れ」感はありませんが、かなり鮮烈です。アメリカの西部劇映画を思わせる荒野の丘陵部から、おびただしい数の野犬がどどどどどどーっと地響きをたてて駆け降りてくる、すると荒野を横切る未舗装の一本道を走るオンボロのバスが野犬の群れに驚いたか、どてっと横転。横転したバスの中から、乗客たちが、まー、ここは中国北西部のど田舎、こげなこともあるわさ、みたいな感じでのんびりと三々五々 外に出て来る。そのうちに警察がやって来て、怪我人はおるかー、なんてやっていると乗客のひとりが、五つ持ってた札束のうちのひとつがない、あいつが怪しいとバスをあきらめて徒歩で目的地に進みかけていた青年を指さす。警察が身分証明書を求めると青年は懐から紙を取り出して見せる。ああ、あの有名な君か、仮釈放になったんだな、と警察は青年の身元を確認します。ここからがさすが中国、大らかというか、いい加減というか、警察やら乗客やらで、せーのって、横倒しになっていたバスを元に戻し、バスは乗客全員を再び乗せて何事もなかったかのように土煙をあげて目的地に向かって走り出します。この一連の流れで、私は今観ている映画がとてつもない名作に違いないと確信いたしました(笑)。

さて、この物語の主人公は荒野の一本道で警察に仮釈放を示す書類を見せたランです。彼の過去は断片的にしか示されませんが、かつては田舎町では有名なミュージシャンだったようで、そのときのギャラの問題か何かで、ひとりの男を誤って結果的に殺してしまったとのことで服役していました。時は北京五輪開催間近の2008年夏ですが、彼が帰って来た中国北西部の砂漠地帯に近い田舎町は、都市と地方との格差の中、すっかりさびれてしまって廃墟群のよう。町には野犬があふれています。ランは前科者で働き口がなかなかなく、野犬捕獲隊に入ります。で、この捕獲隊のターゲットの中でもいちばんの賞金首がこの物語のもうひとり、じゃなかった、1匹の主人公の黒い犬(ブラックドッグ)なんですね。追う者と追われる者として出会ったひとりと1匹だったのですが、やがて彼らの間に奇妙な友情が生まれます。まるで孤独な雇われガンマンと孤独なお尋ね者の間に友情が生まれる西部劇のよう。ランは寡黙なバイク乗りなのですが、自分のマシンにブラックドッグ用にサイドカーを取り付けて走ったりもします。このあたりの絵ヅラが本当にクールでカッコいいです。

そして、ランに結果的に殺された男の親戚の羊肉屋一家がランに因縁をつけてきたり、さびれた町に旅回りの雑技団(カタカナ言葉で言えばサーカスですな)がやって来てメンバーのひとりの妙齢の人妻女性がランに接近してきたり、ランのことで心を痛めていたランの父親がいよいよ死に向かう感じの床についたり、ランのミュージシャン時代の仲間が現れたり、日蝕を皆で集まって見たりとか等のいろいろなエピソードが語られてゆきます。

まあでも、この映画のいちばんの見どころは映像の美しさ、斬新さで、それはときにシュールだったり、ユーモラスだったりもします(物語が佳境に入ったあたりで人でも犬でもない何かがさびれた町をのっしのっしと歩く図が出てきますが、シュール過ぎて笑いがこみあげてきました)。オリンピックに沸く北京に代表される都会の経済発展から忘れ去られた地方の憂鬱を表すかのように、この映画は淡いブルーを基調に撮られているのですが、それがとても美しく、それぞれの場面の構図もばっちりキマっていて本当に映画っぽい映画、映画館で観るべき映画になっています。私がここ数年で観た映画の中ではビジュアル面の充実度、完成度に限って言えば、ナンバーワンだと感じました。

思えば、冒頭の野犬の群れどどどーっから始まって、サイドカーに犬を乗せた孤独なライダーがどこかに向かってマシンを走らせるラストまで、映画らしい映画を堪能した110分間でした。

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Freddie3v

3.5人生これからさー

2025年9月23日
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Oyster Boy

4.5House

2025年9月23日
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ブレミンガー

3.0デ・キリコと村上春樹

2025年9月22日
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知的

驚く

斬新

不思議な映画でした。
幻想的な砂漠の風景と重ねて不条理ギリギリの人々の交流が映し出されます。

広大なゴビに接する架空の町、赤峡を舞台に寡黙な青年ランの日々の暮らし、再会、新たな出会い、そしていくつかの別れが描き出されます。
と言うと、ありがちな中国の田舎町系ムービー(私的な分類でスミマセン)のようですが、一線を画しているのは第一に構図の美しさです。

砂漠、野犬の群れ、寂れた動物園、廃墟となった劇場、人気のない集合住宅…といったドライな雰囲気を持つモチーフが、デ・キリコの絵画を連想させる、物悲しさを伴う美しい構図で繰り返し映し出されます。
更に主人公の青年ランと周囲の人々、そしてタイトルになった黒犬との交流はどことなく村上春樹の小説を彷彿とさせる不条理感を伴っています。
青年の経歴について多くは語られず、人々の断片的な言葉から過去を推測するしかない部分も含めて。

この2つの要素が相まって観客は現実の境界をいつしか見失い、幻想的な世界観へ誘われます。効果的に挿入されるスタイリッシュな英語の歌詞に乗って。
めったに喋らない無表情なランが時折見せる笑顔とランの幼馴染の青年のキャラが殊の外印象的でした。

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さとうきび

5.0見心地のいい、最高な映画

2025年9月22日
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幸せ

本当にストーリーが素晴らしい👍

とにかく映像が綺麗で、他の映画とは違うカメラワークが素晴らしかった。

バイクシーンもカッコよくて、何よりわんちゃんが最高。

名演技の最高な俳優犬ばかりで、彼らに賞を贈って欲しいぐらい、すごすきる。

主役の俳優さんもめっちゃカッコよかった!!

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Mr.MovieMan

3.0終わりと始まり

2025年9月22日
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悲しい

幸せ

2008年ゴビ砂漠に接する野犬だらけの寂れた町に、仮釈放で帰ってきた寡黙な男と、町の人たちの話。

野犬の大群が襲来し、町へ向かうバスが横転し、さらには金が無くなったと騒ぐ乗客があらわれて巻き起こっていく。

ランは町の特に年配者からは可愛がられている感じだけれど、帰郷を知って荒ぶるヤツらも現れて…。

ちょっと喋らなさ加減が過剰でわざとらしく感じたりもするし、序盤の野犬刈りの際の行動原理は良くわからんし。
しかしながら、彼を理解する人たちや黒犬との関係はなかなかに濃くて情が感じられて良い感じ。

遠回りした本当は優しい男が、不器用ながら人間関係を再構築し、そして前に踏み出すお話しという感じで、クールな空気感なのにところどころクスっとさせるシーンもあって、なかなか面白かった。

グレープとの関係性はもうちょい匂わせても良かったんじゃ…。

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Bacchus

4.0壁に滲む地図な出会い。

2025年9月22日
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癒される

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SAKURAI

4.0この作品から過去の映画を連想してみた

2025年9月21日
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無口(人)。野郎同士で似た者同士。てことで連想したのが「スケアクロウ」。
人間の隣人?を狩り出すけど人間よりええんよ、で「ブレードランナー」。
近しい先輩とテーマ競作したん?で「新世紀ロマンティクス」。

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満天

3.0似た物同士

2025年9月21日
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ごっとん

4.0罪を犯した人の孤独と再生の物語

2025年9月21日
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泣ける

悲しい

幸せ

モノトーンに見える宣材写真の一枚が目に留まって気になって見に行きました。とにかく1シーン1シーンの撮り方がいいです。浅い光とグレーの映像が西中国のゴビに近い荒涼とした乾いた空気感を強く作り出していて、主人公の心の渇きもよりしんみりと伝わって来ます。ほとんどしゃべらない主人公でパーフェクトデイズの役所広司並みです。両方とも「孤独」ですが、ただこの映画の主人公の方が若いので、バッファロー66のヴィンセント・ギャロに対して抱いた感情と同じような、途中で希望を持たせてほしい、救ってほしい、と願ってしまいます。わりと静かな映画であったので私なりに感受性の扉を広げて積極的に感じようと努力してました。少しわかった気がしました。
中国経済発展の前夜で中国はそれまでの古いものを壊して再生し始めている最中で、この若者の人生をシンクロさせて、未来への希望も持たせてくれてうれしくなりました。
現在、死、再生も上手に表現されていてこの映画で伝えたいことがしっかりと心に残りました。

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むっ、むいちろう