「『ダンケルク』『ゴジラ-1.0』と同じくらいの重みで国を挙げて人命救助に尽力」劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション てつさんの映画レビュー(感想・評価)
『ダンケルク』『ゴジラ-1.0』と同じくらいの重みで国を挙げて人命救助に尽力
テレビドラマシリーズは全く観たことがなく、知り合いから、舞台が訪れたことのある諏訪之瀬島だとの知らせを受けたので、どのように取り上げられるのかだけに関心をもって観ることにした。ちょうどトカラ列島の別の島が、地震頻発で全国的な注目を集めている時分だけに、時宜を得た上映でもある。
初めの島が沖縄の島だったので、少し落胆したが、次に訪れるその島の情報として、噴煙を上げていて、その上がり方が異常であるというところから、惹きつけられてきた。
火山弾があれだけ凄まじいのに、上陸後に現地に向かう救助員以外は、誰も頭を保護するものを被らないのが不思議だった。逡巡の末に上陸し、一旦行く手を阻まれるにもかかわらず、脱出の場合は、より大きな港まで走ってこれたのも不思議だった。溶岩が直ぐ近くまで迫っているわりには、逃げ方が間に合うのも不思議だった。ご都合主義だという批判もあるようだが、絶体絶命に追い込まれながら、何かしら助けの手が及んでほっとしたのは事実。草創作品である『救命病棟24時』の主要人物で冷静な医師を演じた江口洋介氏が、うって変わって一見頼りなく人情味溢れる医師を演じる一方で、鈴木亮平氏の演じた両方の性質を合わせもつ医師像も魅力的だった。
馴染みのある風景は見出せなかったけれど、小舟が助けになる設定は、『ダンケルク』『ゴジラ-1.0』にも通じるし、外敵を撃退するのと同じくらいの重みで国を挙げて人命救助に取り組む姿勢を示しているところが、『ドクター・コトー』や『病院船』には及ばない大きさではないかと思った。実際にトカラ列島を含む島々のほとんどには医師の常駐がないので、ドクターヘリ以外にも、様々な対応法を工夫してほしいものである。現地ロケに参加した住民の方々にも良い記念になったことだろう。
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