「人は弱い。だからこそかっこいい。」劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション ヌノノノノさんの映画レビュー(感想・評価)
人は弱い。だからこそかっこいい。
何があっても絶対に全員が助かる。もうダメだというピンチに無音演出とともに誰かが必ず助けに来てくれる。ご都合主義の連続。なのに面白い。本当に大した映画です。
喜多見チーフはもはや隙のない無敵のヒーローと化していますが、本作は南海MERチームの「人としての弱さ」がフォーカスされています。南海MERのメンバーは一人ひとりが弱さを抱えているわけですが、それが江口洋介氏演じる牧志チーフ候補の献身ともいうべきリーダーシップによって少しずつみんなが変わっていく。連続する展開の中で、ただの釣り好きの愉快なおじさんである牧志チーフ候補が「本当はどういう医師なのか」が段々と明らかになっていく。その過程に南海MERチーム、また島民の皆さんなど多くの人が勇気をもらい、物語がクライマックスになっていくわけですね。少しみっともなくたって、一生懸命な人はかっこいい。そこに自身を重ねられるからこの映画は面白いのだと感じました。
あと、このストーリーを支える俳優陣の演技にもまた脱帽です。個人的には菜々緒氏演じる夏梅看護師長の「眉ピク」が大変印象に残りました。心を掴まれたファンは多いのではないでしょうか。私が大好きな白金官房長官はもうワンカットしか出してくれないの分かってましたけど、もう普通にいい人になってて笑いました。橋本さとし氏の声のない演技も大変面白かったです。
最後の最後TO1が出てきた時は「えぇ?」と思いましたが、これこそが「Mobile」Emergency Roomたる所以であり、妙に納得してしまいました。エクモが運ばれてくるのは予想できましたが、TO1が来るのは予想できませんでした。また、東京チームを完全な存在として描いておくからこそ、南海チームが弱い(だからこそかっこいい)存在として対比され、観客に勇気を与えるラストになっているのだとも思いました。
うーん、もう一回観たいな。
これから観る方が素直に羨ましいです。
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