「救いたい…ひたむきな想いが奇跡を呼ぶ」劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
救いたい…ひたむきな想いが奇跡を呼ぶ
"TOKYO MER(映画)" シリーズ第2作。
IMAXレーザーで鑑賞。
ノベライズは未読。テレビシリーズは視聴済み。
前作を超えるものをつくろうと云う製作陣の意気込みが伝わる、超弩級のエンターテインメントとなっていた。CGで表現された火山噴火のスペクタクルの迫力が凄まじかった。
畳み掛けられるハラハラ・ドキドキの展開と、容赦無い感動に涙が止まらない。絶体絶命のピンチに差し伸べられる救いの手は、観る者の期待に応える見事な胸アツ演出であった。
本シリーズのファンは(私も含め)、ご都合主義な分かりきった展開を期待していると言っても決して過言では無い。
このご都合主義は曲者で、唐突感がアリアリだと批判の的になってしまうが、その塩梅が今までに増して絶妙だった。
誰もが思い描く理想を形にしていることに胸を熱くせずにはいられないし、強引さを感じさせず「これは必然なのだ」と思わせる展開を描くことに成功しているのが流石だと思う。
喜多見先生をはじめとするMERのメンバーたちが、命を救いたいと云う想いを、ただひたむきに、ひたすらに積み上げて来たからこその奇跡だと納得させる脚本が最高だった。
牧志先生のシリーズにおける新たな人物像と、「誰もがヒーローになれる」と云うことを描いた点が新機軸だと思う。
離島医療の鑑である牧志先生は素敵な人物だ。一見頼りなさげに見えて住民らのことを知り尽くしているのがすごい。
本作で起こる「奇跡」の殆どは、牧志先生が離島医療に捧げた情熱故なのではないかと思えたほど、志に感服した。
その姿勢はそのまま南海MERの存在意義となり、彼を軽んじていた知花や常盤の背筋を伸ばしていくのが良かった。
これまでは喜多見先生たちが圧倒的ヒーローだったが、本作は違う。命を救うために様々な人たちが全力で戦うのだ。
誰もが勇気と行動次第でヒーローになれる。ひとつひとつは小さくとも、結集すれば大きな力となり、どんな危機も乗り越えられる。力強く訴えられるテーマに胸が熱くなった。
エンドロールでは、前作に続いて実際の医療従事者たちのスナップ写真が映し出される。彼らもまた、ひたむきに目の前の命に向き合い、「誰かを救いたい」と云う想いを胸に奮闘しているのだと思うと、改めて感謝の念が湧き上がった。
彼らに心からの敬意を表すると共に、本作がきっかけとなって離島医療の充実への動きが加速せんことを切に願う。
[余談]
熱くなったと言えば、ジェシー演じる潮見先生の成長ぶりである。前作では狼狽える場面が多かったが、本作では(こちらもさらに逞しくなった)比奈先生をサポートし、ひとりで手術もこなすようになった姿を見せてくれた。思わず涙ぐんだ。
共感ありがとうございます。
昔むかしの医療ドラマはメス!ピンセッター!だったのに、今では完全にバケツリレーみたいな描写が定着しましたね。メッチェン!って言う人は好みなんでしょうか?
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