「とにかく私の大好物がこれでもかと詰め込まれた何とも豪華で愛おしい映画。」トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく私の大好物がこれでもかと詰め込まれた何とも豪華で愛おしい映画。
香港映画歴代1位の超特大ヒット、日本でも連日満席の『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2024)を遅ればせながら聖地・新宿バルト9さんで鑑賞。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2024)
とにかく私の大好物がこれでもかと詰め込まれた何とも豪華で愛おしい映画。
まずキャスト陣が香港映画オールスターズで最高。
主役のチャン・ロッグワン演じるレイモンド・ラムは今年45歳とは思えない若々しいキレッキレのアクションを披露。
さらに御年73歳のサモ・ハン・キンポーもまさかの『燃えよデブゴン』(1978)当時が脳裏に浮かぶ現役バリバリのアクションで対抗。
ジョニー・トー監督作『柔道龍虎房』(2004)『エレクション』(2005)のルイス・クー、『ブレイキング・ニュース』(2004)で信義に厚い強盗役を演じたリッチー・レンたちも円熟味を帯びた渋い演技、ダメ押しの決定打は『風雲 ストームライダーズ』(1998)のアーロン・クオックも登場。香港のアクション映画を担ったレジェンドたちの集結に拍手喝采、狂喜乱舞でしたね。
舞台もまだ返還前の豪華絢爛なネオンサインが煌めき、頭上スレスレに飛行機が飛び交う混迷を極め、異常な熱を発する80年代の香港・九龍城砦の設定が香港アクション映画の全盛期を想起させ懐かしくて良いですね。
アクションもキレッキレのカンフーアクションとワイヤーアクションを主体として『これぞ!香港アクション映画』を再現。
昨今のCGアクション映画では味わえない「実際に客席に痛みの伝わる」ひとつひとつの攻防がかえって新鮮でしたね。
ストーリーも香港映画の王道の漢(おとこ)たちの熱い友情と運命(さだめ)。
奇をてらわず愚直に感情を揺さぶるところに好感が持てます。
改めて香港アクション映画のオールスター総出演のメモリアル、集大成的作品。
香港歴代1位の特大ヒットも納得です。