「サイコー」トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
サイコー
名古屋の百貨店で行われているチョコレートの巨大催事に赴き、ものすごいお客さんに揉まれながらチョコを眺めていたら、完全に金銭感覚がバグってしまい、結局1万円以上のチョコを買い込んだその足で劇場へ。
世代としては「映画俳優と言えばジャッキー・チェン」という私。
木人拳・蛇鶴八拳・笑拳・酔拳…
辺りをTVで何度も観てからの
プロジェクトA・スパルタンX・ポリスストーリー・サンダーアーム…
と、映画館に行き始めたのは香港映画がきっかけだったかも。
雑誌「ロードショー」でも、マイケル・J・フォックスやリヴァー・フェニックスが登場するまで不動の人気だったジャッキーを見守った我々としては、これだけ香港映画で格闘アクションに振り切った作品が話題になるのも久し振りな感がある。
で、結論としては「サイコー」。
んなバカな、というアクションはあちこちに出てくるが、映画全体を包む「熱量」が、それもすべて「サイコー」に昇華してくれている。
キャラクターが全員魅力的なのはこういう映画ではすごく重要で、この作品もみんな味がある。
特にやはりラスボス役のあのグラサン男ですよ。最初はやられ役のザコかと思いきや。
確かにあの時代、「気功」という、何やら人間のポテンシャルを遥かに凌ぐ(とはいえどちらかというと「曲芸」的な)技能が話題になったのを思い出した。
ラストのバトル、あまりの強さとしぶとさに、「こいつ、どうしたら倒せるの?」とヒヤヒヤしつつ、「いや、いつまでも終わらないで欲しい」と願っていた。
アクションで、我々観てる側が自分の身体が固くなっていくのを感じたのはやはりこの作品の熱量がすごいから。
劇画みたいなケレンも満載で、ウソとホント、デフォルメとリアルのバランスが絶妙。
やっぱりこれですよ。これ。
「ビー・キーパー」も「室町無頼」も、このバランスが私にはユルユルでノれなかった。
アクション監督と音楽は有名な日本人スタッフが担当してるってのも鼻が高いよね。
他の方のレビューの中に「大兄貴が動けるのビックリした」ってコメントが複数あるの見て、世代間ギャップをあらためて実感してみたり。
サモハン、知らないかぁ。
今年の私のランキングに間違いなく入る傑作でした。